ドント・レット・ゴー 過去からの叫び(DON‘T LET GO)103分

投稿者: | 2021年1月26日

お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

刑事の携帯に突然かかってきた電話は、殺人事件で被害にあったはずの姪からの電話だった!!不思議な力で繋がった二人は、果たして未然に事件を防げるのか!?

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、ハイレベルなB級作品を連発する、安心のブランド、ブラムハウスプロダクションズのファンタジックなサスペンス作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ある日の夜、刑事ジャックのもとに姪のアシュリーから電話がかかってきた。

そのただならぬ様子に何かの事件に巻き込まれたようで、ジャックはアシュリーの元に駆けつけるが、

時すでに遅く、アシュリーの自宅は荒らされ、一家は惨殺され、アシュリーも帰らぬ人となってしまう。

そんな事件の翌日、ジャックの元に1本の電話がかかってくる。

その電話の声は、ジャックにとって忘れるはずのない人物の声だった、、、!?

姪のアシュリーにとってはジャックは頼りになる良き相談相手

B級作品の良作を多数製作するジェイソン・ブラム率いるブラムハウスプロダクションが手掛けたファンタジー系のサスペンス作品です。

ブラムハウス作品らしく、予算は少なめでも、興味を引き付ける設定と内容で、小味の効いた作品となっています。

本作のような珍しい設定がそのままストーリーに直結しているような作品は、予備知識は全く無しで鑑賞するのが一番だと思われますが、

本作は残念ながら劇場でも未公開で、露出度も少な目なため、ある程度のさわりぐらいは書いてしまわないと、

恐らく注目を浴びる機会も少ないと思われますので、前半の導入部分までぐらいは触れていますので、真っ新な状態で鑑賞したい方は注意して下さい。

で、内容ですが、

主人公は刑事であり、結婚している弟には妻と10代の娘がいます。

で弟はその昔、結構犯罪を犯していたようでドラッグディーラーのような事をしていたようです。

今は更生したようですが、そういう父親ですので、姪は叔父である主人公を頼るようになり、もう一人の父親ぐらいに親密になっています。

で、ある日の夜、姪から非常に緊迫した電話がかかってきて、現場に駆け付けると、、、

まさかの弟夫婦が惨殺され、姪も銃で撃たれて犠牲となってしまいます。

茫然自失となる主人公、、。

生きる気力も全くなくなるような様子の主人公の携帯がそこで鳴ります。

電話に出てみると、信じられない事に馴染みのある声が、、、。

まさか、まさかの殺されたはずの姪からの電話だったのです、、。

という物凄く興味を惹かれる導入となっています。

始めはスピリチュアルな物語かと思われますが、完全に生きている姪と電話がつながっているという事がわかります。

事実を把握していくと、要するに、まだ生きている時期(2週間前)の姪と、事件後(現在)の主人公とが電話を通じて繋がっているのです。

もう、この設定一発で流石、ブラムハウス、といった感じですが、物語は、そこから事件の真相を究明しながら、

2週間前の姪にとっては未来に起こるはずの事件を、事件後の未来にいる主人公と共に、

事前に防ぐために二人で協力して、犯人を探っていく展開になっていきます。

この辺の少しづつ事実が分かってくる展開は非常にスリリングですし、時間の経過によって謎を回収していく展開は、

変則的ではありますがタイムスリップものの醍醐味を味わう事ができます。

大筋としては時間ものの傑作(オーロラの彼方へ)や、ハリウッドでもリメイクされた(イルマーレ)、

広く見れば(バック・トウ・ザ・フューチャー)なんかもパズルのピースがぴったり収まるような感覚を味わえる作品となっていますので、

そういった作品に通じる面白さがが感じられます。

というように、非常に興味を惹かれる導入で始まり、そのまま行くと傑作となりえたかもしれない本作ですが、

中盤以降、残念ながら少しづつテンポが悪くなっていってしまい、ラストは割と強引とも思えるような意外な事実が表面的になってきます。

危険な時はすぐ駆けつけてくれる

そこまで書いてしまうと完全に作品を鑑賞したときの楽しみが半減してしまいますので、割愛しますが、

個人的にはそれまでの丁寧なドラマを壊しかねない強めの変化球で、しかも大暴投、といった感じがしました。

結局、なぜ、そんな過去と未来が電話で繋がるのか?などの説明もなく、過去と未来の整合性のルールも結構曖昧で、

後半になるにつれ、その曖昧な部分が顕著になってしまいます。

決して面白くない作品ではないのですが、流石に後半の展開を踏まえると、作品全体として映画館で上映するにはちょっと厳しいと判断されてしまうのもしょうがないのかもしれません。

という事で、ちょっと地味な作品ではありますが、変わった設定の物語を鑑賞したいという方には、結構楽しめる作品だと思われますので、

ご興味ありましたらご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

あと、個人的には主人公が何故かずっと刑事に見えませんでした。何故でしょうか、、?

揺るぎない証拠を確認するジャック

作品情報

2019年製作 アメリカ製作 サスペンス

監督・脚本・原案 ジェイコブ・アーロン・エステス

製作 デヴィッド・オイェロウォ、ジェイソン・ブラム

出演 デヴィッド・オイェロウォ、ストーム・リード、バイロン・マン、アルフレッド・モリーナ

スパイダーマン2のドクターオクトパス役が懐かしいアルフレッド・モリーナ。

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