おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
(スターシップトゥルーパーズ)のパトリック・マルドゥーンが主演し、ブルース・ウィリスが悪役を演じた違和感をそんなには感じない、しっかり目の(ダイハード)型アクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ブルース・ウィリスが悪役を演じるアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
警察官の捜査ミスによって息子を殺された元レンジャーのロン(ブルース・ウィリス)は、復讐を誓い傭兵を雇って水力発電所を占拠した。
しかし、偶然その場を離れていた元レンジャーのマック(パトリック・マルドゥーン)は、咄嗟の判断で、その危機的な状況を理解し、
人質救出のために行動を開始するのだった!?
(スターシップトゥルーパーズ)に主演し、その後(アライバル2)、(スティグマータ聖痕)と日本でも劇場公開された作品に出演しながら、
その後は(アイススパイダー)や(乱気流タービュランスアタック)(赤ずきんVS狼男)等のテレビ映画やビデオ映画で活躍していたパトリック・マルドゥーン主演作品です。
ここ数年ではジョン・マルコヴィッチやヴィンス・ヴォーンが出演していた(ザ・ヴィランズ悪党伝)や、
ルビー・ローズ主演、モーガン・フリーマン共演の(ザ・ヴァンキッシュ)等に出演していますので、B級作品ながらもしっかりとした作品へと復活してきています。
その流れでの本作でのブルース・ウィリスが悪役を演じる(ダイハード)型作品の実際には主役ですので、今後の有名作品での活躍が期待できそうです。
本作を観る限りは、元特殊部隊員という説得力は皆無ですが、かつて活躍していながら挫折を経験して、なんとか奮闘して現場に復帰する、
という役柄には、その調度良いオヤジ臭が、良い意味で役柄の味になっていますので、若い時のギラギラ感とはまた違った魅力があって良いのではないでしょうか。
という事で、本作はそんなマルドゥーンが、ブルース・ウィリス演じるテロリストと激闘を展開する物語となっています。
ブルースここへきてゲスト的な扱いの影の悪党役や、最終的に全部ブルースが悪人でした!というような物語の本筋にはそれほど関わらないのに急に少しだけ目立つ悪役ではなく、
最初から最後までテロリストのボスとして登場するしっかりとした悪役を演じています。
勿論、例によって台詞は少な目ではありますが、それでも直近にリリースされた作品群の中では突出して台詞や出演シーンも多く、
またジャレット・コーン監督か撮影監督の力かは分かりませんが、少ない出演シーンで違和感なく、上手くブルースを目立たせる撮影がなされていて、
この数年のブルース作品の中では目立ってしっかりとした作品となっています。
ただ、違和感自体はありませんが、やはりブルース・ウィリスがバンバンと人を撃ち殺していく悪役を演じている、
という事に対しては、恐らくブルースファンの方にとっては、ちょっと辛い作品でもあるかと思われます。
一応、善良な息子を、
乗り込む家を間違えた捜査員によって射殺される、というコメディ映画のボケのようなありえないミス
によって殺されてしまい、その報復のためにテロに走る、という動機自体は現実味を帯びた設定で、感情移入しやすいのですが、
その実際の手段が、
傭兵を雇って水力発電所を占拠し、水を放流して洪水を巻き起こして大勢の無関係な市民を溺死させようとする、
という、
動機に対する報復の矛先と度合いが、まるで見合っていない、
という不自然さがやはり近年のブルース作品同様の違和感を感じてしまう内容となっています。
せっかく上手くブルースが作品に溶け込んでいるのに非常に勿体ない突飛な展開ですが、その洪水シーンで、やたらと粒子の荒い洪水の記録映像が挿入されますので、恐らくそういう天災が実際にあってから、
逆算的にその記録映像を使用した水力発電ダム占拠のストーリーを企画していったのではないでしょうか。
ですので、物語の発端とその後の騒動の規模が全然見合っていないストーリーとなってしまったと考えられそうです。
単純に考えて、普通警察に復讐したければ、警察官がひとりも常駐せず、無関係の水力発電所を襲わずに警察署を襲うはずですので、、。
で、マルドゥーンは、そのダムに努める元海兵隊の整備士で、例によって、たまたま席を外していた隙にテロリストに占拠されたので、孤軍奮闘するという展開になっていきます。
お約束の(ダイハード)展開ですが、本作はブルースに重きを置いている作品でもありますので、物語の本筋としてはマルドゥーン主導ではなく、
若干ブルース寄りに描かれます。
ですので、ブルースパートの違和感は少な目ですが、マルドゥーンパートの描き方が、非常にスポーティで、
ダムの設備を整備中にいつの間にか施設をテロリストによって占拠される、という物凄く異常な緊急事態の中、
自身が知らないうちに現れて、施設を監視している歩兵テロリストに対して、怪しんで話しかける等の緊張感のあるやり取りを一挙に飛ばして、
いきなりテロリストの銃を奪って射殺、その後、速攻で(ダイハード)状況に突入し、サクサクとテロリストを瞬殺していく、
という本来はメインであるはずのマルドゥーンのアクションシーンが、
まるで予告映像を観ているかのようにサクサク進み、ブルースの復讐ドラマの合間に、ついでのように挿入されます。
テロリストの数は順調にサクサク減っていきますので、本来は物語が前に進んでいるはずなのですが、あまりの順調ぶり(無敵ぶりには見えないところがマルドゥーンらしさ、でしょうか)に、
何人倒しても、いつまで経っても0にならない、ぐらいにずっとサクサク倒していきます。
ですので、本作は作品を通してバンバンと簡単に人が射殺されてしまうシーンが極めて多い作品となっています。
全然減りませんので、、。
それでも、悪役であるブルースを目立たせ、違和感のない物語展開にしつつ、主役の活躍も描く、というなかなか難しい難題に挑戦し、
多少アンバランスながらも、しっかりと楽しめるレベルのB級作品にはなっていますので、近年のブルース作品にちょっとがっかり感を感じている方も、
機会がありましたらご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、ブルースがダイハードをされる側、というのは、やはりちょっと辛いですね、、。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 アクション
監督・脚本 ジャレット・コーン
出演 パトリック・マルドゥーン、ブルース・ウィリス、
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