デス・レース2000年(DEATH RACE 2000)80分

投稿者: | 2024年6月30日

おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆

無名時代のシルベスター・スタローンが出演した、ロジャー・コーマン製作の風刺の効いたバイオレンスカーアクション!!

作品紹介

1977年6月25日公開

今回ご紹介する作品は、カルト的な人気を誇るロジャー・コーマン製作のバイオレンスカーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

西暦2000年、独裁国家となったアメリカでは、国家の理想である弱肉強食の象徴とも言える大陸横断レース(デスレース)が今年も開催された。

そのレースは早さと、走行中に人を襲う事で加算されるポイントで競う、文字通りの死のレースで、今年も優勝候補のレーサー、

フランケンシュタインを始めとして腕自慢のレーサーが集まり、ゴール地点目指して壮絶な死闘の幕が開けるのだった!?

監督は、(爆走!キャノンボール)や、テレビドラマシリーズ版の(クルーレス)等のポール・バーテルで、

現代社会への風刺たっぷりなバイオレンスカーアクションを演出しています。

製作は、(バニシング in tubo)(詳しくはこちら)や(デンジャラスチェイス)(詳しくはこちら)等のB級映画の帝王、ロジャー・コーマンで、

本作でも、勢い重視ながらも見所はしっかりと抑えたB魂溢れる世界観の作品を製作しています。

ロジャー・コーマン

主人公のカーレーサー、フランケンシュタイン役は、(ランナウェイ)や(サイレントフルート)等のデビッド・キャラダインで、

本作でも正体不明のヒーローをピッタリ黒スーツと黒マントで、颯爽と演じています。

本作のデビッド・キャラダイン
デビッド・キャラダイン

で、そのライバルレーサー、マシンガン・ジョニー役で、(ビッグボス)等と同じく、(ロッキー)でブレイクする直前の若きシルベスター・スタローンが登場し、黒キャラダインを追い詰めていきます。

本作のシルベスター・スタローン
シルベスター・スタローン

で、キャラダインの同乗者のナビゲイター役で、テレビドラマ(探偵マイク・ハマー)や(超人ハルク)等の

シモーネ・グリフィスが登場し、なんだかんだとキャラダインに丸め込まれます。

本作のシモーネ・グリフィス
シモーネ・グリフィス

で、女性レーサー、カラミティジェーン役で、(ブラックウィドー)や(ハリウッドブルバード)等のメアリー・ウォロノフが登場し、男勝りのアクションを披露します。

本作のメアリー・ウォロノフ
メアリー・ウォロノフ

で、そのライバルの女性レーサー役で、(女囚物語2)や(ロサンゼルス)等のロバータ・コリンズが登場し、

セクシー要因としての魅力を発揮していきます。

本作のロバータ・コリンズ
ロバータ・コリンズ

で、あっけなく退場してしまうレーサー役で、(ベストキッド)や(ランボー者)等で、B級アクションヒーローとして活躍していく

マーティン・コーヴが登場し、見せ場はほとんどありませんが派手に退場していきます。

本作のマーティン・コーヴ(右)
マーティン・コーヴ

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、いきなりテレビ番組のようなスタイルで、アメリカ大陸横断デスレースに挑む、

5人のカーレーサーたちの紹介から始まります。

舞台は西暦2000年のアメリカで、その世界では、アメリカが世界の独裁国家となっていて、さらに大統領の一存で何から何まで決定できるため、

アメリカの大統領=世界の支配者的な歪んだ世界が舞台となっています。

で、勿論、アメリカ以外の国では、アメリカに対するレジスタンスグループ(作中では一応フランスのみ)が現れて、

反アメリカ運動を進めていますが、中でも、デスレースは、勝利を掴むためには、他人の犠牲も厭わない、というアメリカ国家の理想である『弱肉強食』の象徴として機能しているので、

理不尽で、不条理なレースを妨害しようとする反対勢力の妨害工作も当然のように存在している世界観となっています。

で、レース自体は、目的地までの速さを競うレースではありますが、早さプラス、別にポイント制が導入されていて、

レース中に、一般市民を轢いてしまうと、失格退場どころか、高得点を獲得できる、という非人道的なルールで、

さらに、高齢者や子供等、年齢によってポイントが加算される、というトンデモぶりで、このルールがあるために、

レーサーたちは、レース中に一般市民にも襲い掛かります。

で、その様子を中継で観て、一般市民がまた歓喜する、というクレイジーな世界観となっています。

勿論、グロさを魅せる作品ではありませんので、描写自体はちょっとぶつかった程度の表現ですが、それでも、善良な市民がバンバン犠牲になってしまいます。

そんな、トンデモレースがついに始まり、主人公であるフランケンシュタイン(デビッド・キャラダイン)や、

悪童キャラ、マシンガンジョニー(スタローン)が、一路ゴールに向けて激走する、というのが本作の全てで、

初めから終わりまで、このデスレースを走り続ける事になります。

見所は、勿論カーアクションシーンですが、速攻で退場してしまうマーティン・コーヴを除外して、大きく分けて、

キャラダインVSスタローン、そしてメアリー・ウォロノフと、ドイツから参戦しているロバータ・コリンズの女性ドライバーの激突の、

二組のライバルの戦いがメインで描かれていく事になります。

キャラダイン演じるフランケンシュタインは不死身の男で、過去のレースで負傷した身体を手術に手術を重ねて何度も復活し、

今回もマシンの腕を取り付けて参戦している、という凄まじさで、黒いピッタリスーツに黒マスク、黒いベイダーヘルメットに、黒マント、という、

成りきりダークヒーローのような扮装で、雰囲気満点に登場しますが、割とあっさり目にマスクを取ってしまいますので、

脱ぐと、いつもの普通のキャラダインが登場します。

威圧感のある扮装ですが、左手の黒手袋以外には特に秘密も、特殊能力もないので、普通の伝説の男となっています。

対するスタローンは、同年に公開される(ロッキー)の直前の作品、という事で、完全な噛ませ犬役で、

卑怯な手を尽くした上に、

キレたキャラダインのふにゃふにゃパンチにノッアウトされる、

という、数か月後に色んな意味でチャンピオンになるタフガイとは思えないような役柄を演じています。

女性陣の対決は、はっきり言ってどちらが勝利してもおかしくないような役柄ですが、2人とも、休憩中のシーンで、

男性陣と一緒に素っ裸でマッサージを受けている、という混浴ならぬ、混マッサージシーンで、恐らく役目は果たしているようで、

最終的には、出身国で予測がついてしまうような決着の着き方となっています。

結局はキャラダインスタローンの対決がレースシーンではラストバトルとなり、ゴール地点で激しいバトルとなっていきます。

その後に続くシーンは(全体的にもそうですが)、非常に風刺が効いていて、今現在の価値観では、そうはならないような終幕を迎えます。

賛否はありそうですが、本作の内容を受け入れて、最後まで鑑賞するだけの受け入れ態勢が整っている方なら、

ピリ辛なエンディングも、しっくりくるのではないでしょうか。

という事で、おりこうさん映画の真逆に位置するような作品ではありますが、当時の雰囲気はビシビシと伝わってくるピリ辛作品となっていますので、

カーアクション好き、変わった映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1975年製作 アメリカ製作 カーアクション

監督 ポール・バーテル 製作 ロジャー・コーマン

出演 デビッド・キャラダイン、シルベスター・スタローン、シモーネ・グリフィス、ドン・スティール、マーティン・コーヴ、ロバータ・コリンズ、メアリー・ウォロノフ、ジョン・ランディス

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