お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
香港出身、タイで出世したオキサイド・パン監督の良い意味でハッタリ感満載の多重視覚サスペンス!!
作品紹介
2004年6月19日公開
今回ご紹介するのは、香港出身の(THE EYE)で有名なオキサイド・パン監督、ジョナサン・リス・マイヤーズ主演のサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
バンコクの寂れたホテルでドラッグの売人ショーン(ジョナサン・リス・マイヤーズ)は、取引相手であるタイマフィアのボスを待っていた。
同時刻、別な部屋では腹部に銃弾を受けた女殺し屋が潜んでいた。
さらに同時刻、このホテルで働く貧しい少年ウィットは、今日も宿泊客の留守に押し入り、盗みを働いていた。
そして、そこへ心理学の研究をしているイギリス人女性ローザがチェックインしてくるのだった、、。
(THE EYE)で有名になった香港出身オキサイド・パン監督の多重視覚サスペンスです。
例えるなら(バベル)や(パルプフィクション)、(バンテージポイント)のように一つの事件をその事件に関わった登場人物それぞれの視点で描いていく、という作品です。
正直、事件となる出来事自体は、それほど新鮮味のあるような物語ではありませんが、この多重視覚で描く、という部分に本作の魅力が詰まっています。
タイトルのテッセラクトとは、四次元的なものの考え方の事で、四次元とは三次元の展開図である、というところからきています。
つまり、本作で言うと、麻薬取引の事件に関わった主要登場人物4人のそれぞれの視点から、その事件を描く事を指しています。
この表現が、観ている側の記憶力を煽っていて非常に興味を持って最後まで鑑賞出来ました。
一人の視点に絞って描くと麻薬取引を巡っての数人の出来事なのですが、これを、少しづつ、時間を分けて、それぞれの視点で描くことで、物語が思わぬ方向へと進んでいきます。
この、少しづつ進む、というところがポイントで、10分ほど進んでは、その時、そのシーンですれ違った隣の部屋の宿泊客は、実はこのように関わっていた、
といった感じで、毎回シーンが進むごとに新たな事実が自然にわかるようになっています。
映像化不可能と言われていた原作を原作者自らが脚本に直して製作した、
という事ですので、なかなか難しい表現をしっかりとエンターテイメントとして成り立たせていました。
また、オキサイド・パン監督のスローなどを用いたハッタリの効いた(良い意味で)演出と、大げさな(良い意味で)音楽が流れる見せ場が、難しくなりそうな物語を常に興味を引き付ける娯楽サスペンスとして盛り上げていました。
主演のジョナサン・リス・マイヤースも(ベルベット・ゴールド・マイン)からの雰囲気がまだ強く草食系のイケメンとして存在感を放っています。
鑑賞後に振り返ってみると、物語的にはそれほど出番が多かったわけではないのですが、非常に印象には残る存在感でした。
最近では、ちょっとB級よりの位置にいますが、、。
というような感じで、B級作品ではありますが、96分間は絶えず興味の持続する、ちょっと変わったサスペンス作品となっています。
サスペンス好きの方、機会がありましたらご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2003年製作 イギリス・タイ・日本製作 サスペンス
監督・脚本 オキサイド・パン 原作・脚本 アレックス・ガーランド
出演 ジョナサン・リス・マイヤーズ、サスキア・リーヴス、アレクサンダー・レンデル
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