おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
引退宣言のブルース・ウィリス出演の街を牛耳る陰の権力者と、その一派と戦う若者たちを描いたこじんまりサスペンスアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ブルース・ウィリスが出演している籠城サスペンスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから
ジョージアの小さな町で人質事件が発生する。
駆け付けた保安官ベン(ブルース・ウィリス)は、その事件を起こした若者3人が、薬剤師のキーツを人質に取り、10年前に行方不明になった女性の情報を聞き出そうとしている事を知り、
事件の背後に潜む巨大な陰謀の気配を感じるのだった!?
引退を表明したブルース・ウィリスの未公開だった作品群の内の一作です。
まだまだこれからも未公開作が待機していてリリース順も前後しますので、どの作品が完全な引退作品なのかどうかは分かりませんが、
本作は2020年製作ですので、少なくとも出演最後の作品ではないと思われます。
おそらく病状の安定しない時期もあったのか、製作者の都合なのか、出演シーンの少なさも結構バラバラですが、
先日リリースされた(アウト・オブ・デス)(詳しくはこちら)の出演シーンの少なさに比べたら本作は結構登場シーンも多く、
前半は結構な印象を残しています。
ただ、中盤あたりになると、ジョニー・メスナーに、かなりどやしつけられて、罵声を浴びながら退場していく、
というブルース・ウィリス目当て(の人しかほとんどいないと思われますが)で鑑賞している人の神経を逆なでしていきます。
この罵声が、結構無茶苦茶で、役柄を越えて嫌悪感を抱くほどで、正直、全体的にぬるっとした物語の一番尖ったシーンとなっています。
そんなぬるっとした物語は、基本的には一つの建物の出来事をメインとした籠城型のサスペンス作品で、
姉が行方不明になって10年間探し続けている妹と、出所したての姉の元カレ、そして薬物で暴走しがちな兄、
という3人の若者が、ある建物に白昼堂々と押し入り、中にいた薬剤師の老人を人質にとって立てこもり事件を起こす、
という出だしとなっています。
目的は、姉が最後に目撃されたのは、その建物で、姉は何かの事件に巻き込まれているようなので、もう一度捜索を再開させるために、
その建物で事件を起こした、という感じで、警察と街を牛耳る権力者との汚い関係や、犯罪などが浮かび上がってくる、
という流れになっていきます。
大筋の流れとしては、前半で凶悪な犯罪者と思っていた3人が、物語が進むうちに、周りを取り囲んでいる側の方が、もっと汚い犯罪者だった(結構バレバレではありますが)、という感じで
立場が逆転していく、という流れとなっていて、その立場が逆転していくうちに、若者たちのほうに感情移入度合いが移っていく、
という事を意図して描かれているとは思うのですが、どうも全体的にぬるっとしたイメージの展開で、キャストも全然役柄にマッチしていないか、
魂が抜けたような、心ここにあらず、という感じの感情表現なので、凄い事実が判明しても、観ている側は他人事のようにしか思えません。
ですので、後半は、おそらくグッとくる展開なのだとは思われますが、実際にはそれほどグッとくることはありません。
そもそもこの妹が何故そこまで事件を起こしてまで、籠城事件を起こそうと思ったのかさえ、良く分かりませんでした。
せめて、子供時代に仲良く遊んでいるシーンでもあれば、大好きな姉が行方不明になって、抜け殻のようになってしまった、
等の犯罪者たちにも多少感情移入できる理由ができると思うのですが、ただただ、登場早々に無法者ぶりを全開にし、
関係ない人も平気で射殺するような目立つシーンを見せられてしまっていては、なかなか、それを越えるような何か、というのも描きにくいと思われますが、どうでしょうか。
全体的には、最近のブルース・ウィリス主演作品にありがちな、一つの場所か、一つの地区で、攻める、守るのやり取りを、
ゆっくり目に会話を交えて行う、こじんまり系のサスペンスアクションとなっています。
ブルース・ウィリス作品、個人的にはパートタイム出演になっても全て鑑賞してきましたが、そのほとんどに共通して言えるのは、
ブルース・ウィリスが出演している事以外に見所がほとんどない、という残念な共通点があります。
その作品にもし、ブルース・ウィリスが出演していなかったら、恐らく観ていないような作品が多く、逆に言うと、
だからこそ、ラジー賞を一時期受賞(撤回されましたが)をするような作品群になってしまっているのかと思われます。
要するに、個人的な意見ですが、最近の作品が振るわないのは、ブルース・ウィリスの病状のせいばかりではなく、
ブルース・ウィリス、というネームバリューに頼り切って、ブルース・ウィリス以外の作品の本質的な部分で内容の良い作品が製作できていないせいではないでしょうか。
セガール作品なんかは、同じように出演シーンが少ない(理由は全然違いますが)ですが、上手く編集し、
少ない出演シーンでもちゃんと、それ以外のキャストとアクションで、一定の以上の楽しさを味わえるB級アクション作品となっています。
特にキオニ・ワックスマン監督のセガール映画なんかは、それを考えるとある意味、ある意味ですが、芸術的な編集によって飽きずに観れる作品となっています。
一番残念なのは、引退宣言前に出演した作品群が、同じような製作者の同じようなぬるっとした作品ばかりだという点です。
恐らく今後の待機作も同じような感じの作品ではないでしょうか、、、。
という事で、全体的にぬるっとした籠城サスペンスアクションとなっていますので、ブルース・ウィリスファンの方や、アクション作品好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、つくづく(ダイハード6)が観たかったですね、、。
作品情報
2020年製作 アメリカ・カナダ製作 サスペンスアクション
監督・脚本 エドワード・ドレイク
出演 ブルース・ウィリス、ティモシー・V・マーフィ、ロブ・ゴフ、ジョニー・メスナー、ヨハン・アープ
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