シャドウ・チェイサー(MARSHRUT POSTROEN)86分

投稿者: | 2021年6月1日

お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

ロシア発20世紀フォックス製作による、一夜の悪夢を描いたゴーストホラーにカーサスペンスを融合させた意欲作!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、カーサスペンスにゴーストホラーを付け加えたロシア製作のスリラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

アンドレイとオーリャ夫妻は、アンドレイの不貞が原因で離婚寸前だったが、幼い娘のためにも、もう一度関係を修復するため中古車を購入し、旅行へと向かっていた。

そんな中、繰り返しなるアンドレイの携帯や送られてくる女性の写真にオーリャの疑念も高まっていく。

しかし、アンドレイは、送られてくる写真の送信者に身に覚えがないという。

夫への疑念がさらに高まる中、車内では次第に不可思議な出来事が起こり始めて、ついに全ての原因は、購入した中古車にある、と判断するのだが、、、!?

いち早く何かの存在に気づく。

20世紀フォックスが製作したロシア製のゴーストホラー作品です。

本作は、ゴーストホラーものにカーサスペンスを融合する、というB級感満載の設定となっています。

物語の大筋としては、一旦関係のこじれた夫婦が、関係修復のために中古車を購入して旅行に出かけるが、その中古車の前のオーナーも関係のこじれた夫婦で、夫の暴力により妻を殺害した挙句に、

死体を切り刻んで、その車のトランクに入れて処分しようとしていたところを警察に捕まった、という物凄く曰く付きの車両で、

何故かその車が中古車屋(かどうかはわかりませんが、オープンに販売されていた)で普通に販売されていて、偶然同じように揉めている最中の主人公夫婦が購入することになって、かつての(おそらく殺害された奥さんの)霊に殺されそうになる、

というサスペンスホラーとなっています。

要するに(悪魔の棲む家)の悪霊が取り憑いた家を車に縮小解釈した心霊ホラー作品といった感じでしょうか。

今回は、その舞台を車に限定する事で、カーアクションテイストなども盛り込んだ、捻りの効いた展開の期待できる設定となっています。

DVDジャケットも非常にカッコ良く出来上がっていて、夜の闇を疾走する車と何か人魂のような光がチェイスしているシーンに、タンクトップっぽい衣装をまとっている美女は片手に銃を持ち

ハンドルを握るイケメンは意志は強く、しっかりとした眼差しで、正面を見つめています

タイトルも(シャドウ・チェイサー)という事で、ゴーストとチェイスを繰り広げそうな疾走感のあるタイトルです。

とても期待感が煽られますね!

何かの意志を持っているようにも見える中古車

でも、、、

実際こんなシーンはありません、、、。

実際は不貞を働いた末が関係修復のための旅行、といいながら、かげでは不倫相手と連絡をとっていて、この旅行も実はその不倫相手と真剣に付き合っていく、と打ち明けるための旅行というトンデモないもので、

さらに、この不倫相手が、まさかの奥さんの妹、というドロドロぶりです。

ですので、このジャケットに映っているイケメンは実は、ゲス不倫真っ最中で、しかも物語が進むつれて、人間性の醜さが際立っていく、というジャケットのぱっと見イメージとは正反対のキャラクターになっています。

ついでに、奥さんはタンクトップになりませんし、銃を持って戦う事もありません。

そんな人物設定のミスリードはB級作品ならある程度しょうがありませんが、本作の場合そのジャケットイメージから、内容的にカーチェイスなどもあるサスペンスホラーを想像しがちですが、

このサスペンスを盛り上げるはずのカーチェイスも実際はかなりゴーストとのチェイスとは違っています。

カーチェイス自体は中盤一応あります。

でも、それはゴーストとは関係ない、煽り運転をしてくる相手に、キレたゲス不倫イケメンが応戦する形で、ちょっとした危険な並走になる程度で、いわば日常の中のいざこざです。

ですので、話の本筋とはあまり関係ないですし、ジャケットのように何かの光に追いかけられるような事は勿論ありません。

で、中盤以降やっと、ゴーストに悩まされるシーンが挿入されていきますが、実際には、奥さん(と幼い子供)にだけ見える幻覚ともゴーストだとも判断のつきにくい存在として表現されています。

夫のゲス不倫に悩まされて、精神的に追い込まれている奥さんの幻覚、もしくは、同じような境遇で殺された女性の霊と共感しそうな奥さんだけに見える霊(その割は幼い子供にも見えていたようですが)といった感じでしょうか。

しかし、この幻覚も後部座席でウジ虫が湧いている、と思ったら、気のせいだった、とか、車に吊り下げている人形(前の持ち主の)がひとりでに動いてみたり(ふわふわと動くだけ)で、と

物凄い殺され方をした怨念の強い霊のわりには、あまりに地味な存在感で、奥さんを悩ませていきます

それでも、娘が突然消えて現れたり(娘はおばちゃんと遊んでいた、といってしましたが、、)して、危害が加えられそうになって、この車がやばい、という事になっていきます。

ゲス不倫夫は、例によって全然信じてくれないので、奥さんが一人で悩んでいくことになりますが、だんだんと奥さんの観ているものは現実なのか、妄想なのか、霊なのか、が分からなくなっていきます。

そうこうしている内に、奥さんは眠りにつき始め、ゲス不倫夫が運転を頑張り、だんだんと不可思議な事を今度はゲスの方が経験していくことになります。

そうなってくると、やっぱりゴーストはいた、ということになりますが、その辺は勢いで乗り切って、ラストはゲスが急に主役へと昇格します。

で、だんだんと追い詰められるゲスが最後にたどり着く結末は、結構意外な結末となっています。

途中から眠りっぱなしの奥さんはどうなったのか?ゴーストに襲われたゲスはどうなったのか?

など、一応しっかりとした結末は明らかにされますが、そう考えると色々と突っ込み所も噴出していましそうな結末となっています。

というような感じで、ジャケットイメージ通りの作品内容を期待した人にとっては、肩透かしを食らってしまうかもしれませんが、

一応捻りの効いたラスト、という事でそういった内容がお好きな方にとっては結構楽しめる作品となっていますので、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

高級車が理由もなく破格の安値で販売しているときは、買うのやめた方が良い、という教訓ですね。

やがて魔の手は幼い娘にも及びだす、、。

作品情報

2016年製作 ロシア製作 サスペンスホラー

監督 オレク・アサドゥリン

出演 バベル・チナリョフ、スヴェトラーナ・ウスティノワ、ヴィタリヤ・コルニエンコ

度々何かの存在を感じ始める

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