お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
緊張状態の続くアフガニスタンの国境地帯で警備任務に就くことになったフランス軍チームが見えない敵と戦うミリタリーサスペンス!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、アフガニスタンの国境地帯で展開される見えない敵との戦いを描いたサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
パキスタンとの国境付近のアフガニスタンで、監視任務についたアンタレス率いるフランス軍中隊だったが、任務中に部下の二人が失踪するという事件に遭遇する。
タリバンとの緊張感も高まる中、捜索任務を進めるが、夜明けを迎えるごとに別の隊員も姿を消すようになっていく!?
フランス・ベルギー合作によるミリタリーサスペンス作品です。
邦題ですでに結構なネタバレをしてしまっていますが、兵士が突然消滅してしまい、その謎を追う、というのが物語のメインとなっています。
ですので、軍が舞台となっていますが、ミリタリーアクション的なシーンはほとんどなく、基本は失踪者の捜索ミステリー作品となっています。
あと、邦題の雰囲気からSFものっぽいイメージもありますが、そういう展開でもなく、もっと超自然的な内容となっています。
見どころとしては、アフガニスタンの国境付近という緊張状態の続く地域が舞台となっていますので、そのシチュエーションを活かした緊張状態がサスペンスを盛り上げていきます。
冒頭から部下二人が夜明けとともに行方不明となってしまい、捜索する事になりますが、周りは砂地か岩山だけの土地ですので、当然近くの村を捜索する事になります。
ここで、その村の人々にとっては、大義名分のもとに、勝手に村に介入してきて、行動を制限してくるフランス軍の事をほとんどの村人が心地よく思っていないので、
色々な衝突が起こります。
で、フランス軍の方も隊長(主人公のアンタレス)を筆頭に、仲間の捜索に必死なので、必要以上に強権を発揮し、弾圧していきます。
この緊張状態が続く中で、一夜明けると、またしても別の隊員が行方不明になってしまいます。
隊員たちの精神状態も段々と追い詰められていきます。
村人によって拉致されているのか?それとも自ら逃亡を計ったのか?謎を残したまま、緊張状態は続きますが、そこにタリバンが登場します。
タリバンにもフランス軍とおなじぐらいの人数の兵士がいますので、一触触発の状態です。
お互い銃を向け合いますが、ギリギリの状態で対話してみると、どうやらタリバン側も失踪者が出ているようです。
タリバン側も、フランス軍によって自分たちの兵士が拉致されていると思っていたようです。
一応、お互いの失踪者を捜索する、という共通の目的のためにタリバンとの緊張状態は一旦緩和されますが、結局謎は解明されないままに、時間は過ぎていきます。
そんな時に、村人の少年が重要な証言をします。
村には代々アラーに生贄の羊を捧げる慣習があり、その時、その場所で地面に寝ている者は、一緒に連れていかれ、その生贄を捧げる事ができなければ災いが起こる、
という言い伝えがあることが分かります。
この辺りぐらいから、行方不明者続出の原因は、もしかしたら人間以外の何者かが関係しているのではないか?という方向に進んで行きます。
羊を生贄にしている場所の地下を探知機で調べてみると、何やら大きな空洞のようなものもあるようです。
果たして、その犯人は?
というのが中盤以降の展開になっていきます。
ただ、本作のメインの見せ場は、フランス側からの目線で、文化の違う緊張感の続く危険地帯で遭遇した、常識では考えられないような出来事自体を描く部分にありますので、
ラストに物凄くエンターテイメントな落ちや見せ場が存在するような流れはありません。
ですので、そういうハリウッド作品らしいクライマックスを期待すると消化不良感を感じてしまうかもしれません。
ただ、段々と理解不能な何かに追い詰められていく緊張感だけはしっかりと感じられる作品にはなっていますので、サスペンス好きの方等は結構楽しめる作品となっているのではないでしょうか。
それにしても、この作品、内容的にアラーの神はこういう事をしている、みたいな独自の映画的な味付けでホラーっぽく描かれていますが、
舞台となっている地域で暮らす信仰心の強い人たちが鑑賞しても問題ないのでしょうか?
ちょっと、きわどい気もするのですが、、。
作品情報
2015年製作 フランス・ベルギー製作 ミリタリーサスペンス
監督 クレマン・コジトア
出演 ジェレミー・レ二エ、スワン・アルロー、ケヴィン・アザイス、マーク・ロバート
その他のミリタリー作品
スコット・イーストウッドが無謀な戦いを挑む実話を描いた(アウトポスト)はこちら
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓