キラーマウンテン(KILLER MOUNTAIN)88分

投稿者: | 2022年10月28日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

山岳地帯のレスキューアクションかと思いきや、中盤以降ジャンルを越えて展開していく、意外に良質なパニック作品!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、山岳地帯と舞台にしたパニック作品です。

それでは、まずはあらすじから、

登山教室を開いていた元登山家のワードの元に、バートンと名乗る富豪が訪れる。

ヒマラヤ登頂に向かった登山隊が行方不明になり、その救助隊としてワードをスカウトに来たのだった。

その不明者の中には、元恋人のケイトも含まれるため、急ぎヒマラヤに向かう事になったワードだったが、

その山岳地帯に足を踏み入れた時、誰も知らない秘密が隠されているのを知ることになるのだった!?

シャークネード)シリーズなどの良質なB級作品を製作・放送するテレビ局syfyチャンネルが製作したパニック作品です。

前半は、元登山家でありながらも現在は引退し、登山インストラクターとして平和に暮らしている主人公が、

想いを残している元カノを含めた登山隊が行方不明になったので、救助隊のリーダーとして急遽招集される、

という現役を退いた実力派の主人公がヒロインを救うために再びヒーローとして復活する、という誰もが感情移入してしまいそうな設定から物語は始まります。

『元カノが危ない、助けに来てくれ!』

この冒頭だけでも非常にテンポが良く、主人公の性格と状況説明、そしてこれからのストーリー展開への興味が物凄く煽られますので、

かなり心は鷲掴みにされてしまいます。

で、お調子者ながらも信頼のおける部下一人と、危険が伴う高地での救助活動なので、万が一のために女医が一人と、

捜索を依頼した謎の富豪の、どう見てもワケありな一人息子と、現地の案内人一人を従えて捜索に向かいます。

それぞれのキャラクターもしっかりしていて、どのキャラクターからでも物語が展開していきそうな雰囲気もあって、非常に物語を盛り上げていきます。

で、現地に到着し、一人息子とも少々揉めつつ、捜索が始まります。

シャークネード)もそうでしたが、完全にB級作品でありながらも、セットやCGがメインではなく、ちゃんと山間部で撮影し、

その映像にCG等が必要なシーンでは合成で処理する、という感じのようで、箱庭感は無く、高地の危険な場所での救助活動の雰囲気を十分に感じられる映像となっています。

で、高地では、肺水腫という肺に水が溜まってしまう高山病にかかってしまうために、その症状を和らげる薬を出発前に打ちますが、

怪しすぎる富豪の息子の事が気に入らない主人公の部下は、その薬を半分しか打たなかったり、無人となってしまっているベースキャンプでその富豪の息子が何か一人でごそごそとやっていたり、

と、物語を盛り上げるためのちょっとした伏線が、とても自然にさらっと、しかしちゃんと印象には残るように描かれていきます。

で、そんな捜索隊の捜索は進み、手がかりを追いながら、いよいよ一番怪しいポイントまで行った時に、、、、

『ん?????』
!!!!!

モンスターが登場します!

日本版のDVDジャケットでは、その辺をあえてぼやかして、裏表紙にもモンスターものである、という表現も避けている配慮の行き届いたデザインとなっていますが、

本国版のジャケットは、ネタバレ満載のストレートなデザインで、それにしてもストレート過ぎるデザインですので、

正直そこまでモンスターだけがメインの作品というわけでもないので、両方のパターンの中間ぐらいが調度良いかと思われます。

ネタバレが過ぎるアメリカ版ポスター
ネタバレのアメリカ版ポスター

逆に言うと、日本盤のジャケットデザインは、ミスリードを誘う意図が結構含まれていますので、そのままのイメージ通りに山岳サスペンスドラマを期待して本DVDを購入してしまった人からすると、

全然思っていた内容と違うジャケット詐欺、と感じる方も多いかもしれません。

という事で、中盤以降の後半は、このモンスターとのバトルがメインになっていきます。

で、このモンスターバトル展開もなかなかスリリングで、造形もあり得そうな造形で良いのですが、B級作品の限界というか、予算の限界というか、

このモンスターのCG感が良くできたプレステ3のキャラクターぐらいのCG表現で、微妙な完成度になっていますので、

それまで良作のドラマを演じていたキャスト達の名演技が、急にCGキャラを相手にしたコント感が漂うようになってしまいます。

『シムラ後ろーっ!!』

それまでのドラマが結構しっかり描かれていますので、ちょっともったいないですが、どちらかというとこのモンスター展開がメインですので、

少ない予算のB級モンスターバトル作品を、導入部のドラマで十分盛り上げた、とも言えそうです。

で、そんなモンスターバトルも進み、いよいよ元カノを発見し、薬を打たなかった部下のドラマもありつつ、

富豪の息子のこの捜索の本当の理由が明らかになる時が来ます。

その先を書いてしまうと楽しみが半減してしまいますので、割愛させていただきますが、山岳救助アクション→モンスターアクション→秘境冒険アドベンチャーという感じで、

後半でさらにちょっとしたジャンルを越えた物語が展開していく作品となっています。

という事で、色々な展開のある作品ですが、基本的には娯楽作品として十分楽しめる作品となっていますので、

シャークネード)シリーズや(ディレイルド脱線)(詳しくはこちら)等のジャンルを越えて楽しめる作品好きな方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

あと、個人的には、他に一点だけ、どうしても、最後まで感情移入できない点がありました、、。

それは、、、、、、、。

、、、、、、、、、、。

、、、、、、、、、、。

、、、、、、、、、、。

主人公が、主人公に見えない!!

主人公と言うより、悪党組織の門番ぐらいのイメージ!!

作品情報

2011年製作 アメリカ製作 モンスターパニック

監督・脚本 シェルド・ウィルソン

出演 ポール・キャンベル、カーティス・カラヴァッジオ、トランス・クームズ

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