おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
前作で生き残ったメンバーが、主催者の謎を暴くために、各地で勝ち残った選抜者と共に再び脱出不可能ゲームに挑む、正統続編!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、命がけのゲームで勝ち残った前作のメンバーが、再びゲームに挑戦するシチュエーションサスペンスです。
それでは、まずはあらすじから、
死の脱出ゲームを生き延びたゾーイとべンは、ゲームを主催している企業、ミノス社の所在地を突き止めた。
これ以上の犠牲者を出させないため、また、自分たちの人生を前に進めるために、二人は所在地を目指して旅に出る。
しかしその過程で、意外な場所で、再びトラップだらけの部屋に閉じ込められてしまうのだった!?
秀作ソリッドシチュエーションスリラー(エスケープルーム)(詳しくはこちら)の正統続編です。
監督のアダム・ロビテルも、主演の二人テイラー・ラッセル、ローガン・ミラーも続投で、物語も前作の直後から始まりますので、
完全な形での正統続編となっています。
さらに、今回は(エスター)のエスター役が強烈だったイザベル・ファーマンも重要な役柄で登場しますので、
よりパワーアップした続編となっています。
で、今回の物語の出だしは、前作のラストの続きで、生き残ったメンバーが、この理不尽な殺人ゲームの主催者の暴挙を止めさせるために、
自らその本拠地と思われる場所を目指す、という感じで謎を追いかけ始めます。
で、その本社と思われるビルに行ってみると、廃ビルのようになっていて、様子がおかしいと思っていたら、、、
という感じで、再び殺人ゲームに巻き込まれていきます。
前回は、何が起こっているのか分からない、という状況からのスタートで、ゲームに参加するキャラクターと共に少しずつ状況を理解していく、
というサスペンスがありましたが、続編となる本作では、主人公達も、観ている側も、どういう事が行われているのか?を既に理解していますので、
割と急転直下的に突然ゲームに突入していきます。
しかも、今回の参加者は全員他の地区で行われた殺人ゲームで勝ち残ったメンバーばかりで、それぞれが即座に状況を理解していますので、
前置きはほとんど無しで、即ゲームに入り込み、即難問パズルに挑戦していきます。
前作のようにそれぞれの人物紹介や、状況説明も最小限という、なかなかホラー、スリラー系作品の続編シリーズでもできないような大胆なショートカットですが、
これも、主要スタッフとキャストがそのまま続投する、という続編ものとしては最高の形で製作されているからそこ、実現できている演出と言えるのではないでしょうか。
そんな突然始まる脱出ゲーム、本当にそのままのテンションで、決勝リーグに進んでいる、という感じなのですが、
前作の後半で、ゲームの主催者側の姿も結構描かれていて、どういう管理体制で、そのゲームが行われているのか、
もある程度分かっていますので、今回はそちら側を少し掘り下げて、そのパズルのような脱出ゲームを考案している人物にまでスポットが当たります。
その考案者が、お待ちかねのイザベル・ファーマンで、自身もガラス張りの部屋で軟禁状態の中、狂気の父親にパズルを無理矢理設計させられ続けている、
というなかなか凝った設定になっていて、本作は、冒頭そのイザベル・ファーマンの少女時代から始まる、という重要なキャラクターとして登場します。
で、物語が進むうちに、本編の主人公とこの囚われの少女の物語が、重なっていく、という構成になっています。
非常に凝った設定ではありますが、今回から、この裏方にスポットが当たっているために、前作にあった、どこかのビルでこっそりこじんまりと開催れている脱出ゲームが、
実は思っていた以上に大掛かりな脱出ゲームだった、というそれなりにリアルなスリル感は無くなり、大掛かりの度合いが度を越して、
ファンタジーの領域にも入りそうなレベルまで達しています。
もし、今後の続編が製作されるのであれば、そのある意味このファンタジーレベルの世界観が、本作の売りとなっていきそうな気配が漂っています。
恐らく製作されるなら、再び、イザベル・ファーマンが重要なキャラクターして登場して、作品を引っ張っていくような、その始まりのような作品といえるかと思われます。
が、、、
本作、アメリカでは映画館でしっかりと公開されてヒットした作品ですが、その後DVDのリリース時に途中から物語展開が大きく変わる(エクステンデッドエディション)が付け加えられてリリースされました。
で、日本で配信されているのは劇場公開されたバージョンではなく、変更された方の(エクステンデッドエディション)のみとなっています。
この劇場公開版とエクステンデッドエディションは、少しの変更点がある、とか未公開シーンが追加されている程度の変更ではなく、完全に別作品と言っても良いぐらいに物語が違っているようで、
劇場版では前作で脱落したはずの女性キャラクター、アマンダが再登場して主人公のゾーイをゲームの考案者として指名していく、
という感じで、ラストも次のゲームに強制参加させられる、という続編に続くような終幕となっているようですが、
(エクステンデッドエディション)にはアマンダは一切登場せず、代わりに(エクステンデッドエディション)には登場しないイザベル・ファーマンが登場して、主催者側を掘り下げる内容となっています。
つまり、イザベル・ファーマンと父親の物語は、全てのシーンが(エクステンデッドエディション)のみになっていますので、
中盤から終幕までの物語展開が2つのバージョンで大きく違う内容となっています。
何故、ここまでの改変版が製作されて、しかも世界的に配信するのが劇場公開版ではない方のバージョンが配信されるのか、
は、今現在で日本でのソフトのリリース予定もないようで、アメリカ劇場公開版を鑑賞して確かめる事ができませんので比較のしようも無いですが、
もし、続編が製作されるのであれば、どちらのバージョンを採用するのか、が気になるところですね。
ただ、やっぱりイザベル・ファーマンの存在感は凄いので、(エクステンデッドエディション)での続編には期待が高まります。
という事で、日本でも劇場公開され、しかも4DXというアトラクション形式でも公開された前作に対して、
全米公開から1年後に配信のみで、しかも2バージョンあるうちの片方のみの公開、という不遇な扱いではありますが、
前作と同じテンションでパワーアップ要素もあり、続編も期待できそうな作品となっていますので、前作をご鑑賞された方は、本作もご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
2021年製作 アメリカ製作 シチュエーションサスペンス
監督・製作総指揮 アダム・ロビテル
出演 テイラー・ラッセル、ローガン・ミラー、デボラ・アン・ウォール、イザベル・ファーマン
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