お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆
暴動によって敵意が全て向けられる地域をパトロールする事になった警察官2人の決死の脱出劇を描くデンマーク産のクライムポリスアクション!!
作品紹介
2021年2月19日公開
今回ご紹介するのは、デンマークの治安の悪い地区をパトロールする事になった警察官2人の脱出劇を描いたサスペンスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
デンマークの移民居住区で起きた嫌疑不十分の若者タリブの逮捕事件を巡って、市民と警察の間で暴動事件に発展しそうな状況となっている地区。
パトロールを命じられた警官マイクとジェンスは任務中に反抗的な態度をとったある少年を連行するが、その時、拘束中だったタリブが死亡してしまう。
その事をきっかけに警察への怒りを爆発させた市民は暴徒化し、パトロール中のマイクたちに襲い掛かるのだった!?
デンマーク製作のポリスアクション作品です。
とはいってもハリウッド製作の明るいヒーローポリスアクションのような作品ではなく、行き過ぎた警察の過剰な犯罪への対処によって、
移民地区の市民が暴徒化し、一触即発に近い状態となっている非常に危険な地域をパトロールする事になった警察官2人の、その危険地帯からの脱出劇を描いた緊迫感溢れる作品となっています。
日本盤で採用されているDVDジャケットですと一人の警察官の物語のように見えますが、本作は終始二人の警察官が活躍するバディものとなっています。
この警察官のうちマイクは移民に対して差別意識や偏見の塊のような警官で、逮捕のためなら大概の事は何をしても許される、という心情の持ち主で、
相棒となるジェンスの方は、割と堅物系の曲がった事は、あまり許せないタイプの真人間、という性格の正反対の者同士がバディを組んで危険地区をパトロールする物語となっています。
物語の開始早々に、市民の警察への不満感は既に沸騰状態になっていて、パトロールに出るのにも非常に危うい緊迫した状況になっています。
一応、物語上は嫌疑不十分の少年を暴行して逮捕した事で、警察への不満が高まっている、という状況で物語は始まりますが、
雰囲気的には、おそらくその事件のみではなく、同じような事が長年繰り返されてきて、移民の住民たちの警察への不満が蓄積されている状態だったと推測されるぐらいに緊張感の高まる地区として描かれています。
で、パトロール中に街を歩いていた青年を荒くれマイクの方が職務質問し、反抗的な態度だったので早速逮捕、即警察署に連行しようとします。
マイクもかなり高圧的なので、市民からの反感はある程度当然のような気もしますが、とにかく、双方かなり好戦的で、まさに一触即発状態といった感じです。
で、そんなマイクが逮捕した青年を連行しようとした、まさにその時に嫌疑不十分で警察側が逮捕拘束していた若者タリブが、病院で死亡してしまう、というニュースが流れます。
この一方によって、一挙に街にたむろするゲットーなどの警察への怒りは限界を超えてしまいます。
という事で、暴徒化した市民に囲まれた状態で、警察官の服を着ているだけて、襲われる二人の脱出劇がいきなり始まります。
しかも同じような事が各地で起こっているため、警察署に応援を要請しても警察官の人数が足りず、応援も送ってもらえない、という緊迫した状況です。
まわりは敵だらけ、武器は限られている状態で、途中小さなお店などで籠城しながら、なんとか脱出ルートを確保していきます。
そんな状況の中で、正義の概念は崩れ、それでも助けてくれる暖かい心を持った人などの助けも借りながら二人は脱出地点を目指します。
途中連行中の少年とのちょっとした信頼関係なども生まれながら、物語は後半の怒涛の展開へと進んで行きます。
後半は正義が正義のままで終わるわけでも、悪が悪のまま終わるわけでもない、何とも言えないリアルな余韻を残す、
鑑賞する側に委ねられるような展開になっていきます。
ただ、本作の舞台のような地獄の戦場のような状況では、こういう事も起こりうるだろう、と思えるような説得力のある終わり方にはなっています。
事件発生から終わりまで続くこの緊迫感は、ラストの展開も含めて、日本やハリウッドでは絶対に演出できないようなリアルな危うさに満ちています。
という事で、ジャンルとしてはバディポリスアクションながらも、ハリウッド作品とはかなり趣の違った緊張感が持続する秀作アクションとなっていますので、
機会がありましたら是非、ご鑑賞ください。
ただ、内容は秀作ですが、描写には妥協無しですので、その辺はご注意ください。
作品情報
2020年製作 デンマーク製作 サスペンスアクション
監督 フレデリック・ルーイー・ウイー、アンデルス・オルホルム
出演 ヤコブ・ローマン、サイモン・シアーズ、タレク・ザヤット
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