おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
交通事故によって車に閉じ込められた二人の女性に次々と降りかかる不幸の連鎖!!どう見ても抜け出せそうに見える、抜け出せないピンチに奮闘する女子二人のシチュエーションサバイバル!!
作品紹介
2018年12月8日公開
今回ご紹介するのは、交通事故によって車内に閉じ込められた二人の女性の脱出サスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
長距離バスに乗り遅れたため、ヒッチハイクで町までを目指すジェスとキャロラインの二人の前にフレッドとトーマスの高級車が止まる。
すぐさま4人は意気投合し車を走らせるが、フレッドがジェスに襲い掛かったことによりハンドル操作を誤った車は、深い谷底へと転落してしまう。
車は大破したが、かろうじて命を取り留めた4人。しかし、壮絶なる不運の連鎖は、まだ始まったばかりだった!?
南アフリカ製のシチュエーションサスペンス作品です。
馴染みの薄いスタッフ・キャストですが、どうも製作者はハリウッド作品ファンなようで、なんとなくハリウッドに憧れている展開の香る(どこかで見たことのある)シチュエーションサスペンスとなっています。
まず、二人の若者女子ジェスとキャロラインが音楽フェスに向かうために、長距離バスに乗り込もうとする場面から始まります。
バスに乗り込むジェス、しかし、バスのチケットを取る事を任されていたキャロラインのサプライズで、
バスのチケットは取らずに友人の車で移動する計画に変更したことを知らされ、急いで下車するジェス、
という一連のやりとりをバスのターミナルを舞台にワンカット長回しで撮影されています。
このバスターミナルは、この一瞬の登場で、そこにいる人々もその場限りの出演なので、ワンカットで長回しにする意味も良く分かりませんが、
とにかく意欲だけは伝わる出だしとなっています。
長回しシーンの後半には『ファイナルデスティネーションみたい』などの台詞も飛び出しますので、
要するに(ファイナルデスティネーション)の冒頭部分のようなシーンを長回しで撮影してみたかった、という事ではないでしょうか。
という事でバスには乗りませんでしたが、結局友人が急用ができてこれないという事で、あっさりとヒッチハイクしよう、という事になります。
で、イケメン気味の男性二人の乗る高級車をヒッチハイク後、後部座席でさんざんいちゃついていたジェスがおもむろに拒否しだし、争いに発展しだします。
さらに高速で走行中の車の運転手の運転を妨害(ハンドルから手を離させたり、アクセルとブレーキペダルを踏む動作を妨害する)したことで、
当然車は他の車と接触し、さらに派手に横転した後で谷底に転落する、という大事故に発展してしまいます。
完全に自業自得ですが、雨の降りしきる深夜の山間部田舎道の谷底、という絶望的な状況で、車は天地逆になった状態で制止します。
で、しばらく後に気絶していたジェスが目を覚まします。
身体にダメージはあるものの、とりあえず致命的な傷は負っていないようで一応身動きもできます。
その後キャロラインも目を覚まします。
しかし、キャロラインの方はシートベルトをしっかり閉めていたので、それが食い込んでいるのと、足が車体に挟まれているようで、身動きがとれません。
足の感覚もなくなってしまっているようです。
で、男性陣二人はフレッドは後部座席で気を失ったままですが、トーマスは見当たらないので車外に放りだれたようです。
で、大声をあげてみると
どうやらトーマスも無事なようですが、足に木が突き刺さっていて身動きできない状態です。
要するにまともに動けるのはジェスだけ、という状態でメインの脱出劇が始まります。
早く脱出しないと、車から漏れたガソリンと事故の影響で切れた近くを通る電線が火花をあげています。
一刻の猶予もない状態、一応少しだけ身動きできるのはジェスだけ!?
という絶体絶命の(自分達が引き起こした事故ですが)緊迫感マックスな状態でこの先どうなる?というところで、、、
物語は割とゆっくりと展開しだします。
たとえ天地逆になっていても車体が崩れるほどにダメージを受けているわけでもなく、車自体は装甲車でも大型トラックでもない普通の高級車で、
ガラスなども割れていて、それなりに腕ぐらいなら手をのばせるような状況になっていますが、
とにかくジェスが何もできません。
ガラスもひびが入っていたりして、かなり脆くなっているようにしか見えませんが、指でぐぐっと押すぐらいで、すぐにあきらめてしまいます。
重症を負っているわけれもなく、早急に脱出しないと即死につながるような状況で割れたガラスをちょっと指で押しただけですぐにあきらめてしまいます。
指で押しても無理なら車内に幾らでもガラスを割れるような物が散乱しているので、それを使えばすぐ出られると思われますが、そんなトライもありません。
で、動けないキャロラインを慰めたり、外にいるトーマスに助けを求めたりしながら、どんどんと危機感だけを増していきます。
と、ここまでが中盤の流れとなっていますが、後半以降も、どこかで見たことのあるような憧れのハリウッド作品的な娯楽展開を貪欲に取り入れて、
事故車から単に脱出するシチュエーションサスペンスにひねりを加えまくった結果、まるで(ボーンアイデンティティ)や(逃亡者)のような陰謀がらみのスパイアクションのような無茶苦茶な展開になっていきます。
日本版DVDジャケットに【乱れ飛ぶ銃弾 謎の追跡者】という上映開始1時間10分ぐらいまでは、まるでピンとこない宣伝文句も、
戦闘服を着こんだ兵士がヘリコプターから機関銃を乱射している嘘みたいなシーンも、
まさかの強引さでねじ込んできます。
終わってみると、何を観ていたんだ?という気持ちになりますが、とりあえずハリウッド作品ファンの製作者が『やってやるぜ』と、思いつく限りの事はやってみた、
という気概だけは伝わってくる作品となっていますので、サスペンス好きの方や、ちょっと変わったB級作品を観てみたい、といった方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに、日本版DVDジャケットに採用されているようなシーン自体は勿論ありませんが、イメージとしては当たらずとも遠からず、といった感じでしょうか。
作品情報
2017年製作 南アフリカ・フランス製作 サスペンスアクション
監督・脚本 ダン・トンダウスキー
出演 ステファニー・シルトクネヒト、ロクサーヌ・ヘイワード、タイローン・ギーオ、キーナン・アリソン
その他の事故が重要な要素の作品
ジョニー・トー製作による暗殺者チームを描いた傑作サスペンス(アクシデント意外)はこちら
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