お薦め度 ★★★★★★☆☆☆☆
誰一人傷つけることなく大胆に犯行を繰り返した実在の紳士強盗をロバート・レッドフォードが演じる引退作品!!
作品紹介
2019年7月12日公開
今回ご紹介するのは、実在の紳士強盗をロバート・レッドフォードが思い入れたっぷりに描いた俳優引退作品です。
それでは、まずはあらすじから、
フォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)は銀行強盗を繰り返す犯罪者だったが、その犯行は銃は見せるが一切他人を傷つけることはなく、
極めて紳士的な犯行であり、老人である事から黄昏ギャングと呼ばれ世間で話題となっていた。
その事件の担当となった刑事ジョン(ケイシー・アフレック)は、そんなタッカーにある種の共感を覚えていた。
やがて、事件は拡大し、FBIが介入することになり、捜査がジョンの手から離れていくことになるが、
タッカーは犯行をやめる事なく、犯行を繰り返していくのだった。
ロバート・レッドフォードの俳優引退作品です。
内容としては、総決算といった感じで、若い時から脱獄と強盗(非暴力的な)を繰り返してきた実在の紳士強盗を描いた物語で、
その人物のそれまでの脱獄の回想シーンなども丁寧に振り返りながら、若い時代から映画業界で活躍してきたロバート・レッドフォードの人生ともだぶらせ、非常に感慨深いシーンの連続となっています。
若い時からのファンは結構ジーンとくるような描き方になっています。
昔からその捜査にあたっていた刑事が、今現在担当している刑事ジョンにかつての捜査中に本人に
「なぜ、それだけの脱獄と強盗の才能があるのに、それを他に使わないのだ?」
「それだけの才能があれば他の世界でも楽に生きていけるだろう?」と聞いたとき、
「楽に生きたいんじゃない」
「楽しく生きたいんだ」と言われた、
というエピソードがロバート・レッドフォードの思い出と重なっているようで非常に胸が熱くなります。
脇を固めるキャストもシシー・スペイセクやダニー・グローバー、ケイシー・アフレックと名優ぞろいです。
とくにシシー・スペイセクとの大人のロマンスは観ていて微笑ましく、落ち着いていて紳士的だけれども、
どことなく危なっかしい所のある(実は強盗なので当たり前ですが)ロバート・レッドフォードのキャラクターを受け止めるに十分な包容力で、温かみのあるシーンを作り出していました。
結構な犯罪を繰り返したわりに、なんかあっさりと刑期を終えていましたが、(何年もたっているように見えませんので、、、)実際の人物からしたら、
刑期を全うするよりも脱獄する事自体が楽しみで、どうしても挑戦したい壁だったのかもしれません。
他人からしたら、ちょっとおかしいと思える事ですが、本人にとってはそれが人生をかけるぐらいに楽しいことだったのかもしれません。
そんな人物を描いた物語を人生最後の主演作品に選んだロバート・レッドフォードの選定はやはり鋭く、
今まで映画業界に多大なる功績を残してきた伝説の締めくくりに相応しい作品となっています。
上映時間93分という事で正直、あと30分ぐらいはその雰囲気を堪能したいぐらいに良い世界観でした。
伝説的名優が引退宣言して主演する作品もそれほど多くありませんので、鑑賞する側もそういった心づもりで鑑賞できる貴重な作品となっています。
伝説の最後の名演技を目に焼き付ける意味合いも込めて、ご鑑賞されてはいかがでしょうか。
作品情報
2018年製作 アメリカ製作 犯罪ドラマ
監督・脚本 デヴィッド・ロウリー 製作 ロバート・レッドフォード
出演 ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック、シシー・スペイセク、ダニーグローバー、トム・ウェイツ、ティカ・サンプター
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