おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
(霊幻道士)元祖シリーズ第三弾は、サモ・ハン未出演ながらも、ほとんど道士のようなラム・チェンインのキャラクターと、トン・ワイの身軽なアクション、そしてクライマックの手に汗握る特撮ワイヤーアクションが楽しい娯楽ホラーコメディ!!



作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、サモ・ハンキンポー製作による、(霊幻道士)元祖シリーズの第三弾です。
それでは、まずはあらすじから、
地方を巡る旅京劇団が、ある町の近くで舞台を組んで公演を開始した。
しかし、その土地は、300年前に邪悪な者によって命を奪われた哀れな幽霊の骨が、今もバラバラになった状態で埋まっている土地だった。
埋葬して欲しくで地上に姿を現した幽霊は、イタズラ好きで劇団員を困らせるが、しかしその土地にはもう一人、邪悪な存在の骨も埋まっていたのだった!!

監督・脚本、そしてお騒がせ者の幽霊役で出演もしているのは、(燃えよデブゴン10 友情拳)(詳しくはこちら)や、
(燃えよデブゴン4 ピックポケット!)(詳しくはこちら)等の多くのサモ・ハン作品や、カンフー映画の名バイプレイヤーとして知られる実力派、
チン・ユッサーンで、本作ではアクション演技こそ少な目ですが、ワーヤーを使ったパワフルなホラーアクションを演出しています。




で、主人公となる青年劇団員クイ役で、(プロジェクトDデブゴン)(詳しくはこちら)や(スタントマン武替道)等の
トン・ワイが登場し、ゴーストとワイヤーバトルを展開します。



で、主人公が所属する劇団の座長役で、後に(霊幻道士)(詳しくはこちら)や(鬼喰う鬼)(詳しくはこちら)等で、
道士役として大ブレイクしていく事になるラム・チェンインが登場し、道士役ではないものの、ほとんど同じような頼れる幽霊退治のエキスパートな役柄を演じています。



で、その劇団に所属するスター俳優役で、(プロジェクトA)や(大福星)等のロー・ホーカイが登場し、イヤミっぷりを発揮して行きます。



で、同じく劇団員役で、(燃えよデブゴン 地獄の危機一髪)(詳しくはこちら)や(妖術秘伝 鬼打鬼)(詳しくはこちら)等、
多くのサモ・ハン作品で知られるチャン・ロンが登場し、いつものひょうきんなキャラクターを演じています。



で、同じくお調子者劇団員役で、(ユン・ピョウinドラ息子カンフー)(詳しくはこちら)や(五福星)等、
こちらもサモ・ハン作品の常連名脇役、カ・リーが登場し、作品世界を盛り上げていきます。



で、劇団員たちを襲う最強ゴースト役で、(燃えよデブゴン)(詳しくはこちら)や(燃えよデブゴン 豚だカップル拳)(詳しくはこちら)等、
こちらもサモ・ハン作品の常連俳優タイ・サンが登場し、災難を降り注いでいきます。




で、ゴーストに襲われる女性劇団員役で、(燃えよデブゴン 正義への招待拳)(詳しくはこちら)や(ポリスストーリー)等の
ラウ・ガーライが登場し、物語世界を掘り下げていきます。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、地方回りの京劇団が、ある田舎町に大掛かりな舞台を組んで、公演を行っているシーンから始まります。

しかし、公演も順調に進んだある日、信心深い座長(ラム・チェンイン)は、夜中に何者かの歌声を聞いたり、
誰も居ない舞台で何者かの気配を感じたり、と不可解な出来事に遭遇し始めます。

それというのも、実は、その舞台が組まれた土地は、実は300年前にある無法者によって命を落とした幽霊(チン・ユッサーン)が、
未だに自身の骨が、舞台下の土にバラバラになった状態で埋まっているために成仏できず、この世とあの世の境目を彷徨っているため、
骨を集めて埋葬して欲しくて、地上へと姿を現していたのでした。

そんな幽霊の存在を知る事もない、新人劇団員のクイ(トン・ワイ)やピャオ(チャン・ロン)達は、今日も高慢なスター俳優チア(ロー・ホーカイ)とやり合い、
クイお手製のリアルな幽霊のお面等でイタズラを仕掛けて、日頃の鬱憤を晴らしたりしています。


しかし、今回ばかりは、完全にキレてしまったチアは、クイに殴りかかってかなり険悪なムードになってしまいます。


そんな様子を影で見ていたイタズラ幽霊は、チアの横暴に飽きれ、その後舞台での公演中に、クイに力を貸してチアの演技を失敗させ、恥をかかせてしまいます。


さらに、幽霊のイタズラはエスカレート、チアの大切な衣装を荒らしたりと、イタズラを重ねて行くうちに、
良かれと思ってやったことで、どんどんと劇団員たちの仲は険悪になってしまいます。

そして、ついに完全にキレたチアはなりふり構わず暴れ出したため、幽霊はチアを落ち着かせるためにチアに乗り移って憑依状態となりますが、
そうなる事で劇団員たちは、ついに幽霊が存在している事をはっきりと理解します。

そして、イタズラ幽霊を呼び出し、何故この世に留まっているのかを問い質すと、舞台下の骨の事を話したため、
劇団員たちは皆で協力し、床下の骨を掘り起して埋葬を済ませます。


しかし、実はその土地には、イタズラ幽霊の命を奪った邪悪な存在の骨も一緒に埋まっていて、劇団員たちは間違って、その邪悪な存在の方の骨を埋葬してしまっていたのでした。

そして、勝手に埋葬された事に恨みを抱いた邪悪な存在は、復讐するためにこの世に姿を現し、劇団員たちに襲い掛かる、、、、、、!!!
、、、、、、というの流れが、大体の大筋となっています。


サモ・ハンキンポーが製作した(霊幻道士)元祖シリーズの第三弾で、サモ・ハンの出演はありませんが、
ラム・チェンインやトン・ワイ、チン・ユッサーン、タイ・サン、チャン・ロン、カ・リーとサモ・ハン作品お馴染みの面々が主要キャストを務める、サモ・ハン印の作品となっています。

ただ、いつものウー・マが監督ではなく、珍しくチン・ユッサーンが監督を務めたためかどうかわかりませんが、京劇シーンやクライマックスバトルは盛り上がるものの、
そこにつながる基本の物語が、イマイチ盛り上がりに欠け、ストーリーのほとんどを、劇団員同士のイタズラか、
監督のチン・ユッサーン演じる幽霊のイタズラに費やされる、という全体的に停滞感を感じる作品となってしまっています。


そのイタズラもしっかりとストーリー展開に繋がるような仕掛けがあれば良いのですが、特にそうでもないような他愛のないイタズラばかりなので、
合間に挟まれる難易度の高いアクションが含まれる京劇シーンが霞んでしまっているのが残念です、、。


アクションよりもイタズラが強調されますので、勿論恐怖感も薄く、ついでに主人公が物語を引っ張る必要性もほとんどないので、
トン・ワイの主役感までなんとなく薄らいでしまっています。

それを補う様にラム・チェンインが活躍はしますが、今回は道士役ではありませんので、完全に悪霊を撃退できる方法を知っているわけではなく、
結果的に道士、祈祷師ではなく、他の存在が劇団員を救ってくれる、という他の作品とは一味違った物語展開となっています。


しかし、このクライマックスバトルは、本作の前年に製作され、サモ・ハンも出演している特撮ワイヤーアクション(天空の剣)にも通じるような
それまでの停滞感を吹き飛ばす手に汗握るバトルアクションとなっています。

この後半15分ぐらいにギュギュっと濃縮された最強ゴーストとの攻防や、バトル展開がメインで描かれていればもっと傑作になったと思われるのですが、、、、。


という事で、基本のストーリーは残念ながら停滞感がありますが、少なめながらもアクションシーンには見所がある作品となっていますので、
香港映画好きの方や、サモ・ハン作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。


あと、これは個人的な邪推ですが、主演のトン・ワイのヘアスタイルが、シーンごとに無茶苦茶コロコロ変わることから、
もしかすると撮影に時間がかかっているうちに、サモ・ハンも(スパルタンX)の撮影などで忙しく、作品の詳細まで確認する事が出来ないため、
強引にチン・ユッサーンにぶん投げて撮影を強行したため、手間のかかるアクションよりも、イタズラコメディ路線に変更した、という感じも、、、、、もしかするとあるかもしれないですね、、。




作品情報
1984年製作 香港製作 ホラーアクション
監督・脚本 チン・ユッサーン 製作 サモ・ハンキンポー、製作総指揮 レイモンド・チョウ
出演 トン・ワイ、ラム・チェンイン、チャン・ロン、カ・リー、チン・ユッサーン、ロー・ホーカイ、ウー・マ、タイ・サン、ラウ・ガーライ


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