おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(少林寺三十六房)のリュー・チャーフィーと(イップマン)のルイス・ファンが激突する、シリーズ化もされたキョンシーアクション作品!!
作品紹介
2005年11月12日公開
今回ご紹介する作品は、(少林寺三十六房)のリュー・チャーフィーが主演したキョンシーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
この世に想いを残し、成仏できない霊を成仏させようと修行を続ける正義の白道士とその弟子二人、
そして、どんな方法を使ってでも霊は全て消滅させ、独自の理念を追求する邪悪な黒道士とその弟子一人、
元々同門でありながらも反目し合う二組の道士チームは、相変わらず争いを続けていたが、ある日、キョンシー大魔王が千年の眠りから覚め、黒道士の邪悪な心を支配しようとしていた!?
1985年に公開された(霊幻道士)の大ヒットによって巻き起こったキョンシーブームから20年後の2005年に日本でも公開されたキョンシーアクション作品です。
私事ですが、劇場公開当時、映画館まで鑑賞しに出かけましたが、残念ながら、観客は私と、ノッてそうなカップル一組で、
そのカップルは作品が気に入らなかったのか、途中で退場してしまいましたので、中盤以降は貸し切り状態で鑑賞した事を鮮明に記憶しています。
監督は俳優としてツイ・ハーク製作の(ガンメン)や、チョウ・ユンファ主演の(ゴッドギャンブラー)や(狼たちの絆)、
サモ・ハンキンポー主演の(痩せ虎とデブゴン)等の多くの香港映画に出演し、監督としては後にブレイクする、
マックス・チャン主演の(テラコッタソルジャー)等を監督しているダグラス・クンが監督し、DVDの特典映像では、本作を演出しているダグラス・クンの姿が確認できます。
製作総指揮は、(タイガー&タイガー猛虎激突)(詳しくはこちら)や、(女カンフー魔柳拳)(詳しくはこちら)、
最近では(カンフースタントマン龍虎武師)(詳しくはこちら)等にも出演しているレディドラゴンとしても有名なパメラ・ヤンが担当しています。
武術指導はコナン・リーが出演する(タイガー・オン・ザ・ビート2)や、チョウ・ユンファ主演の(フルコンタクト)等に俳優として出演し、
監督として(カンフー無敵)(詳しくはこちら)や(カンフーシェフ)等の作品を監督しているイップ・ウィンキョンが担当しています。
主演は、(少林寺三十六房)や(ガッツフィスト魔宮拳)(詳しくはこちら)、(ドラゴンアームズ危険的刑事)(詳しくはこちら)等多くのカンフー作品で知られる、
カンフー映画の大スター、リュー・チャーフィーで、前年の2003年には義兄であるラウ・カーリョン監督作(超醉拳)への出演や、
本作以降の2005年にはスティーヴン・セガールが製作総指揮に参加し、マイケル・ビーンやサモ・ハン、ヴァネス・ウー等国際的なオールスターキャスト作品(ドラゴンスクワッド)へも参加する事になりますので、
まだまだ活動の幅を広げていた時期に主演した作品となっています。
で、闇の世界に入ってしまう兄弟子役で、日本の漫画が原作の合作映画(力王)で有名になり、その後(ブラックマスク武神黒侠)等に主演し、
2004年製作の本作、2006年製作の本作の続編(少林殭屍:天極)、2007年製作の(カンフー無敵)、
そして大ブレイクを果たした2008年以降の(イップマン)シリーズ(詳しくはこっちら)と波に乗っていく事になる時期のルイス・ファンで、
本作でも、その類まれなる身体能力の高さで、大先輩であるリュー・チャーフィーに合わせた超絶アクションを披露しています。
で、リュー・チャーフィーの2人の弟子の内の兄弟子を演じるのは、日本の横浜で育ち、香港やフィリピンで俳優・製作者・歌手として活躍し、
国際的なキャストのB級アクション(セイフガード)や、多くのフィリピン作品等を製作、主演し、
さらに数年前に元テレビアナウンサーとの交際報道で話題になったジャッキー・ウー(本名:大平義之)が弟弟子と親子ほど離れた兄弟子役を演じています。
私事ですと、本作劇場公開時に映画館まで鑑賞しに出かけた時に、ジャッキー・ウーが舞台あいさつに登壇していたのを覚えています。
といっても、その上映回には行けなかったのですが、、、。
因みに、DVDの特典映像では、劇中で妖術にかけられたジャッキー・ウーが、器に入った大量のミミズのような虫を食べてしまう、というトリック撮影シーンで、
日本語で『これ、チェンジしたよね?』
と撮影前にスタッフに訪ねている局面で、
字幕で、『これ、チェンジしたよね?』
と字幕スーパーが付けられているなんとも言えないリハーサル風景が収録されています。
で、歳の離れた弟弟子役をイーキン・チェン主演の(風雲!格闘王)等にも出演しているシー・シャオフーが登場し、
元気いっぱいの演技で、キョンシー映画要素を高めています。
そして、紅一点、ルイス・ファンの女性弟子役で、リュー・チャーフィー出演のラウ・カーリョン監督作(超醉拳)にも出演しているシャノン・ヨーが、
可憐な魅力で、黒道士と白道士の間で揺れる悩める弟子役を好演しています。
そんな豪華なキャスティングが実現した本作は、2001年に公開されたチャウ・シンチー主演の大ヒット作(少林サッカー)の影響がまだまだ残っていた時期に公開された作品ですので、
日本でも、明らかに邦題タイトルや、そのロゴ等もあやかり、宣伝文句も、
(少林サッカー)、(カンフーハッスル)、そして香港映画界が世界に放つ、究極のアクションエンタテイメント登場!
という、かなり本来の作品内容を、メガ盛りMAXな宣伝効果でアピールし、結果、私が鑑賞した上映回は、後半貸し切り状態で鑑賞出来てしまう、
という究極のアクションエンタテイメントとなっています。
今から考えると、この時期に本家の流れではないキョンシー映画が、劇場で公開される事自体が奇蹟のような状況ですが、
本作は、まさかの世界60か国で公開されたようで、実は世界的には、それなりの規模の作品と同様の扱いを受けている作品となっています。
で、そんな映画館で公開された貴重な作品である本作の内容は、これが、ちょっとふわっとした感じで、
リュー・チャーフィー演じる正義の白道士と二人の弟子による正義道士チームと、ルイス・ファン演じる悪の黒道士と一人の女性弟子による邪悪道士の戦いを描く、
という大きな枠はあるものの、一本筋の通ったストーリーがあったり、謎の展開や、興味を引く展開がったり等、
映画を鑑賞し続けるためのしっかりとしたストーリー性が極めて薄く、極端に言ってしまうと何かの出来事は合間に発生しますが、物語らしい物語がありません。
同じ系列の作品で言えば二人の道士のいがみ合いがメインで物語性がほとんど無かった(中華道士)(詳しくはこちら)の内容に近く、
本作でも、白と黒の対立がメインで、その対立の合間を埋めるように、小ネタ的なエピソードは挿入されますが、
その小ネタが物語に大きく影響する事はありませんので、キョンシー系の小ネタ集を鑑賞した後に、おもむろに白と黒の対決シーンが描かれる、というふわっとした構成になっています。
ですので、122分、というキョンシー映画としては、かなり長尺な上映時間にも関わらず、小ネタ集の連続でので、
観れば観る程、物語自体への興味がどんどんと薄れていく、というデート中に不意に映画鑑賞に訪れたノリノリカップルが途中退場してもしょうがないぐらいに、
なかなかの忍耐体力を試される作品となっています。
ただ、本作、DVDの映像特典にも収録されていますが、後半、おもむろに始まる白と黒の妖術合戦シーンでは、
勿論リュー・チャーフィーVSルイス・ファンというカンフー映画ファン必見のシーンや、正義の小坊主軍団VS悪の子供キョンシー軍団の対決(実際に動ける子供達が演じていて良い感じです)、
さらには、エキストラ1000人を導入しての大人キョンシー軍団の大乱闘シーン等を、実際に内地でロケ撮影して、大掛かりな撮影を慣行していますので、結構な見所となっています。
ただ、その手間をかけた規模の大きい撮影を、プレステ1のゲームソフト並みのペラペラCGを併用して描いてしまっているために、
全く規模が大きい作品には見えない、というとことろが、本作の一番残念な所かもしれません。
正直、そこまでPPCG(ペラペラコンピューターグラフィックス)を多用するよりも、多くの人が観たいと思っている生身のキョンシーアクションメインの方が良かったと思うのですが、どうでしょうか。
という事で、そもそも、若さみなぎるルイス・ファンが、既にカンフーマスターのイメージが定着しているレジェンド、リュー・チャーフィーの兄弟子には、全く見えない等、
ツッコミ所満載の作品ではありますが、一応世界的には好評だったのか、続編も製作される程に受け入れられた作品ですので、
キョンシー映画ファンの方や、香港映画ファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
リュー・チャーフィーとルイス・ファンのアクションに絞って鑑賞してみたりすると、結構楽しめたりもしますよ。
作品情報
2004年製作 香港製作 キョンシーアクション
監督 ダグラス・タン 製作総指揮 パメラ・ヤン 武術指導 イップ・ウィンキョン
出演 リュー・チャーフィー、ルイス・ファン、ジャッキー・ウー、シャノン・ヨー、シー・シャオフー、キット・チャン
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