おすすめ度 ★★★★★★☆☆☆☆
(THE EYE)のオキサイド・パンが監督し、アンディ・ラウが心に病を抱えた警護人を演じた、ありがちなハイジャックものと思いきや、後半には予想外の展開が待ち受ける、実に香港映画らしい娯楽アクション!!



作品紹介
2025年11月14日公開
今回ご紹介する作品は、オキサイド・パンが監督し、アンディ・ラウが主演したスカイパニックアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
要人警護人ハオジュンは、自身の過失のせいで事故を引き起こし娘を失明させてしまい、妻とも離婚するという重い過去を背負っていたが、
それから8年間後、新しく就航したハンユー航空の会長の警護人としての勤務を始めていた。
社長の予定変更によって任務自体が無くなったハオジュンは、そのままハンユー航空の帰国便に乗り込むが、その便には偶然妻子も搭乗していた。
問題無く新しい航空機は空の旅路を開始するが、しかし、その便には、乗客に紛れてハイジャック犯も乗り込んでいて、突如として機内を制圧するのだった!!

監督は、(影なきリベンジャー C+探偵)や(腐探偵★桂香)等の、オキサイド・パンで、どこかで観た事あるような内容ながらも、
手堅くドラマと娯楽要素を融合したアクションドラマを演出しています。


主人公となる要人警護人ハオジュンを演じているのは、(インファナルフィクサー)(詳しくはこちら)や(ゴールドフィンガー)(詳しくはこちら)等、
何十年間もトップスターであり続けるアンディ・ラウで、今回は心に病を抱えつつも家族のためにハイジャック犯と戦うヒーロー役を演じています。



で、ハイジャック犯のリーダー役で、(流転の地球)や(国境ナイトクルージング)等のチュー・チューシャオが登場し、主人公達に迫ります。



で、主人公の元妻役で、(西遊記 女人国の戦い)や(ザ・フォーリナー復讐者)等のリウ・タオが登場し、事件に巻き込まれて行きます。



で、主人公の娘役で、(唐山大地震)や(唐人街探偵 東京MISSION)(詳しくはこちら)等のチャン・ツイフォンが登場し、危険と対峙して行きます。



で、勇気のある客室乗務員役で、(功夫侠)や(フラッシュオーバーフラッシュオーバー炎の消防隊)等の
ジャン・メンジーが登場し、見せ場を攫っていきます。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、新しく運航を開始した航空会社、ハンユー航空の社長の警護人ハオジュン(アンディ・ラウ)が、
過去に自身の躁病による癇癪によって、怒りを制御できずに引き起こしてしまった事故によって、娘の視力を奪う結果となってしまい、
その事故をきっかけに妻と娘との関係も悪化、結果的に離婚することになるという悲しい過去を振り返りつつ任務に挑むシーンから始まります。


しかし、この日のセレモニーでは、社長の急な予定変更によって、任務自体が無くなってしまったため、帰国するために自らハンユー航空の便に乗客として乗り込む事になります。

一方、妻(リウ・タオ)と娘のシャオジュン(チャン・ツイフォン)も、この便のファーストクラスをキャンペーンのために半額で予約できていて、
奇しくも、父親はエコノミークラスで、母親と娘はファーストクラスに別れて同じ便に乗り込む事なります。

さらに、予定が変更となったため、この航空会社の会長であるリー・ハンユーも特別個室で、この便に乗り込む事になります。
そして、声が変わるトランシーバーを持って走り回る子供や、自分の荷物を離陸直前まで荷物入れに入れようとしない偏屈な男、


離陸前から酒を浴びるように飲みまくる男、機内に設置された免税店担当の男性客室乗務員に言い寄られる女性客室乗務員、
スカイダイビングの上級ライセンスを取得したばかりの女性客室乗務員、運よくチケットをゲットできたことが嬉し過ぎるSNSインフルエンサー等、
多くの乗客を乗せた第一便がいよいよ離陸する事になります。


このハンユー航空が運航スタートした航空機は、非常に大型で豪華な設備が整っていて、空の上でも日常生活と変わらないサービスを提供するという事で、
免税店や、美容エステ等、色んな施設が併設されているのですが、好奇心旺盛なシャオジュンは、早速母親と免税店へと向かいます。

しかし、実はアンディも妻とメールで連絡を取っていて、娘には内緒で、こっそりと二人の様子を伺いに行く事になります。


8年前、アンディが癇癪を起した結果、事故によって視力を奪われてしまったシャオジュンは、どうしても父親を許すことができずに拒絶するようになったため、
アンディは娘に会う事もできなくなったのですが、妻は、それが心の病が原因だという事を知っていて、

既に8年間かけてアンディが治療を受けて症状が治まってきているという流れを受け入れて、事故の事も許していますが、
心の病の事も知らないシャオジュンは、未だに父親を毛嫌いしている状態が続いています。

そんな状況で、少し離れたところからではありますが、少しだけ娘の元気な姿を見れたアンディは、そのままエコノミークラスの席へと戻っていきます。
しかし、そんな中、酒を飲みまくっていた男が、だんだんと横暴な態度を取り始め、ついにはCAに怒声を浴びせるような大騒ぎを起こし、
諫めようとした隣の乗客に暴力を振るうという、ちょっとした緊急事態が発生してしまいます。

緊張感が走るファーストクラスですが、あたふたしている周りの乗客やCAの間隙を突くように、その酒飲みと、その仲間たちが銃器を取り出してあっという間にハイジャックされてしまいます。

しかも、主犯はアンディと同じように躁病の点眼薬を携帯していて、時折キレだすと手を付けられなくなってしまいます。

ハイジャックの目的は、この便の個室にいる会長と乗客を人質に取る事での身代金の要求で、手際よく会長に銃を突き付けて本社へ連絡します。

アンディの妻子を含めたファーストクラスの乗客たちは人質となってしまいますが、しかし巨大な航空機ですので、
まだ制圧されていないエコノミークラスに搭乗しているアンディは、未だハイジャックされている事自体を知りません。

しかし、そんなエコノミークラスでも、数名のハイジャック犯の仲間達が、ハイジャックの準備を進めていきます。
そんな中、些細な違和感の積み重ねによって、なんとなく不穏な空気を感じ取ったアンディは、席を立って近くにいたCAに自身の身分を明かして、外部との連絡が取れるか確認させます。


で、外部との連絡が完全に遮断されている状態を把握したアンディは、唯一の仲間であるCAと共に、ハイジャック犯から機を奪還するために、単身戦いを挑む!!
、、、、、、、という流れが中盤までの、大体の大筋となっています。

(ゴーストハウス)や(バンコクデンジャラス)でハリウッド系統の作品でも活躍したオキサイド・パンが監督し、
長年香港映画界のトップスターであり続けているアンディ・ラウが主演したフライトパニック作品です。


内容的には、ハイジャックされた便に偶然乗り込んだ敏腕警護人が、たまたま一人行動をとっていて、制圧された航空機を再奪還するために、ハイジャック犯相手に孤軍奮闘する、
という、これまでにも何度も繰り返し描かれてきた、フライトパニックジャンルの中でも王道的な物語で、
多くのジャンルでヒーローを演じてきたアンディが、ついに、空のダイハードジャンルに挑む、という点が大きな魅力の作品となっています。

本作独自の魅力としては、今まで何度も描かれてきた、ありがちヒーロー設定に、重度の躁病という心の病設定が加わり、
さらに、その症状によって、過去に事故を起こして娘を失明させてしまって、それが原因で妻と離婚し、娘とはほとんど絶縁状態になっている、
というかなりヘビーな背景を抱えた、ある意味新時代の中年ヒーローとなっています。

対するハイジャック犯の方も、同じように躁病の薬を接種していて、怒りのコントロールができないという背景があって、
そんな二人が激突する、というところが、本作設定上のもう一つの魅力となっています。

デリケートな要素を、善と悪のキャラクターに同時に盛り込む、というちょっと日本では考えられないような、お国柄を感じてしまうような危うい設定ですが、
本作では、その設定をしっかりとドラマに盛り込んで、しかもアンディがハイジャック犯と直接格闘などで戦うシーンごとに、癇癪を起している状態を真赤な画面で表現して、

さらにセガールばりに、犯人の腕を可動域を越えて反対側まで折り曲げたり、完膚なきまでにトドメを刺しきったり、と、
ある意味ポパイのほうれん草のような扱いにも見えてしまいますので、色んな意味で、いつものアンディ作品では
ちょっと描かれなかったようなハード&バイオレンスな要素が加わった内容となっています。

やり過ぎ描写に関しては、悪党相手ですので、ある程度爽快感も伴いますが、ただ、病気の症状が全開に出ているという事にもなりますので、やはり微妙な表現となっています。
アクション自体は、監督と主演俳優が生粋の香港映画人なので、しっかりとした格闘とスローによるガンアクションと見せ場は多いのですが、
やはり最近の中国作品にありがちな、カット割りの多投による、実際どういう動きで戦っているのか目視で判断できないような目くらまし撮影がメインですので、
見たいアクションがはっきり見えないのは、やはりちょっと残念です。


という感じで、中盤あたりまで、、ヘビーなキャラクター設定ながらも、ありがちなハイジャックもの展開が坦々と描かれて行くのですが、
本作の本当の面白さは、中盤以降、アンディが、ハイジャック犯と直接対決する辺りから炸裂して行きます。

詳細を書いてしまうと楽しみが半減してしまいますので、割愛させて頂きますが、思ってもいないような状態になり、
アンディもシャオジュンも、『嘘でしょ!?』みたいなピンチに陥って、ハイジャック犯との決着も予想外の方法で着いていきます。

さらに、その後も、実に香港映画らしい大娯楽アクション展開によって、オリジナリティあふれる終幕を迎える事になりますので、
前半と終盤では違うタイプの作品ぐらいに楽しみが押し寄せてくる展開となっています。

ただ、個人的に気になったのは、やはり最近の中国系作品の流行りとなっているのか、カット割りの多投で、
アクションだけならまだしも、なんでもないドラマ要素の濃いシーンまで、カットをバンバン割って撮影されていますので、視点が絶えずコロコロ変わってしまって状況を判断しにくくなるし、
単純に目が疲れる
という点と、
絶えずBGMが流れているのに、どういうわけか純喫茶で流れているBGMぐらいに無茶苦茶音量が小さすぎて、
ドラマの高揚感を高めない
という点と、
アンディが前半被っている黒いキャップが、どういうわけかかなり浅めに被っているので、

カッコ悪い
という3点が、個人的には気になってしまいました。

という事で、前半の教科書に載っていそうな展開から、後半の少年漫画に載っていそうな大娯楽展開まで、
今の香港・中国映画の良さが詰まったような内容となっていますので、香港映画好きの方や、アンディファンの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。





作品情報
2024年製作 中国・香港製作 フライトパニック
監督 オキサイド・パン 製作 アンディ・ラウ
出演 アンディ・ラウ、リウ・タオ、チャン・ツイフォン、チュー・チューシャオ、ジャン・メンジー


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