お薦め度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
幽霊刑事に取り憑かれた新米刑事のドタバタ捜査を描いた、チャウ・シンチー主演の痛快ポリスコメディ!!
作品紹介
2008年 香港レジェンドシネマフェスティバルにて特集上映
今回ご紹介するのは、人気絶頂期のチャウ・シンチーが、コメディキャストと組んで製作したポリスコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
香港警察のピウ(トン・ピョウ)は、麻薬組織の捜査中に命を落としてしまう。
しかし、成仏できないピウは、自身の命を奪った犯人を捕らえるために、下界に戻り、協力者となる新米刑事シン(チャウ・シンチー)に取り憑き、協力を要請するのだった。
狙っていた彼女との仲を取り持つことを条件に協力を了承したシンは、早速捜査を開始する。
チャウ・シンチーが1991年に(ゴッドギャンブラー賭聖外伝)で大ブレイクする前年に出演した、軽めのゴーストポリスコメディ作品です。
香港映画では、お馴染みの題材で、似たような作品にレイモンド・ウォンの(ハッピーキョンシー)シリーズや、(幽霊刑事)(詳しくはこちら)、
サモ・ハンキンポー主演(デブゴンの霊幻刑事)など、お馴染みですが、
基本的にはゴーストものといっても、ほとんどホラー要素は無く、ずっとゴーストが画面に映っているけれども、特定の劇中キャラクターにしか見えない、
という設定で押し切る、いわば透明人間コントのような笑い重視のゴーストものとなっています。
しかも、本作主演の3人は、それぞれが笑いのスペシャリストのような存在の3人ですので、相乗効果で勢いのある爆笑シーン満載の作品となっています。
物語としては、麻薬組織の捜査中に命を奪われたトン・ピョウ刑事が、犯人逮捕のために新米刑事チャウ・シンチーの協力を得て、
犯人を追いかける、という大筋で、フォン・ツイフォンは、上司でもあり、狙っている女子の父親でもある、という狭い世界の物語となっています。
一応、刑事ものの設定ではありますが、基本的にはアクション性やストーリー性よりも、完全に笑い重視の作品ですので、
ストーリー展開は二の次、ぐらいにライトでスポーティな展開となっています。
お笑いシーンの見どころとしては、上司役で(バストロイド香港大作戦)や(エロティックゴーストストーリー)シリーズで人気だったエイミー・イップのお約束お色気攻撃に、
意外にたじたじとなるフォン・ツイフォン(こういう空振り設定多いですね。五福星でも空振りでした、、)の逆セクハラシーンや、
実は道士の一面のあるフォン・ツイフォンが祈祷などの術を施しつつ、必殺技的に、香港もので良く見かける腕がびょ~んと伸びるシーン(この技は、ラストバトルでももう一度登場します)や、
チャウ・シンチーがピウおじさんとファーストコンタクトする際に、幽霊という存在の怖さに、その部屋から逃げ出そうとして、扉を開けて部屋を出ようとするも、
ピウおじさんの幽霊の霊能力(?)で、扉を開けた先には、また元の部屋に戻っている、というギャグを何度も何度も繰り返して、しまいに走って逃げるのも疲れて余裕で歩いて隣の部屋に行く、
という繰り返しギャグプラスそれに飽きるギャグ(これは後の傑作チャイニーズオデッセイなどでも同じようなシチュエーションギャグが登場してました)など、
様々なギャグのオンパレードに香港コメディお得意のお下劣ギャグなども多数挿入されます。
肝心の麻薬組織の犯人には、香港映画特有の奇跡的な偶然でなんとなくたどり着いてしまうのですが、後半いよいよ組織のアジト潜入となります。
ここからは、少々淡白ではありますが、お待ちかねのアクションシーンとなっていて、普段はコメディのみのフォン・ツイフォンも少しではありますがアクションをこなしています。
トン・ピョウも前半に拳銃アクションがあったりしますので、(実際はほぼスタントマンなので、銃をカッコ良く構える程度のアクションではありますが)
チャウ・シンチー含めて、いつも笑い中心だった3人が一応アクションもこなしている、という貴重な作品となっています。
というより、翌年以降、チャウ・シンチーがビッグになり過ぎてしまったので、本作のような軽めの作品は極端に少なくなっていってしまいますので、
そういう意味でも貴重な作品ではないでしょうか。
という事で、少し古めの作品ですが、まだまだ初々しいチャウ・シンチーの笑いと、ベテランのコメディキャストが集結した香港映画らしいコメディ作品となっていますので、
香港映画好き、コメディ映画好きの方などご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
あと、ヒロイン役のヴィヴィアン・チャンと、大柄なバリー・ウォンのお父さん、ウォン・ティン・ラムも出演していますので、そちらも見どころですよ。
作品情報
1990年製作 香港製作 アクションコメディ
監督 ラウ・シーユー
出演 チャウ・シンチー、フォン・ツイフォン、トン・ピョウ、ヴィヴィアン・チャン
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