お薦め度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
マギー・チャン、ドゥドウ・チェン主演、バリー・ウォン監督による80年代の古き良き香港映画を堪能できる香港映画らしいドタバタコメディ!!
作品紹介
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今回ご紹介するのは、香港映画らしいコメディ作品を常に製作し続けるバリー・ウォン監督によるドタバタコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
看護師として逞しく暮らす梁山泊(ドゥ・ドゥ・チェン)は、ある日、祖母が亡くなり、遺産として高級マンションの一室を相続した事を弁護士より知らされる。
しかし、その相続は、従弟である祝英台(マギー・チャン)と半分ずつの権利で、しかも一年間一緒に暮らす、という条件付きだった。
幼いころの出来事が原因で犬猿の仲となっていた二人だったが、遺産を相続するために、共同生活を開始する。
バリー・ウォン監督による、あまりに香港映画的な雰囲気満載の1989年製作の香港映画です。
(恋する惑星)などのお洒落なウォン・カーワイ作品が流行った時期にも、わき目も触れずにただただ、香港の人たちが実際に見たい内容の娯楽作品だけを常に追求してきた監督の作品です。
今回の主演の一人は、(ポリスストーリー)シリーズでアイドル的な人気を獲得し、その後ウォン・カーワイ監督の(いますぐ抱きしめたい)や、スタンリー・クワン監督の(フルムーン・イン・ニューヨーク)などで、
大人の女性役として羽ばたき始めていた時期のマギー・チャンで、本作では、そんなお洒落な大人っぽい演技はそっちのけで、おバカ要素満載の役柄を元気いっぱいに演じています。
そしてもう一人の主演は、ドゥドゥ・チェンで、同時期にはチョウ・ユンファ主演の(僕たちは天使じゃない)や、(相続ゲーム)など現代劇のコメディエンヌとしての出演が多く、
一番有名な作品では、ジャッキー・チェンの(プロジェクトイーグル)で、セクシーなヒロインを魅力たっぷりに演じていました。
そんな二人の一番乗っている時期に撮影されたのが本作となっています。
内容としては、祖母が他界したことで、あるマンションの一室の権利を半分ずつ相続することになった孫二人が、その条件である1年間一緒に暮らす、という共同生活を開始するが、
二人は、幼いころから犬猿の仲だった、というドタバタ要素を期待させるオープニングで、
いざ共同生活を始めたら、そこには好青年と見せかけた国宝盗賊団員が住んでいて、その国宝の争奪戦に巻き込まれていく、
というなんでもありな香港映画らしい香港映画となっています。
やはり、何といっても本作の魅力は、主演女優二人の元気いっぱいのドタバタぶりで、すでに他の作品でも、そのコメディエンヌぶりを発揮している2人なので、
終始作品の色合いにそったおバカ演技を披露しています。
主演二人のなんでもないドタバタ喜劇を、香港映画風味に味付けして、いつのまにか盗品争奪アクションへと発展させていくのは、流石香港映画と言った感じで、
なんでもないアクション一つとっても、いちいちスタントマンが良い仕事をするようなレベルの高いアクションになっています。
この時期のバリー・ウォン作品は、ストーリーは二の次で、とにかくギャグとアクションを入れれるだけ入れ込む、といった作品が多いですが、本作の場合、女性が主人公となっているためか、
そこまでアクションや、どぎついギャグ、物語の脱線もなく、国宝の争奪戦をメインに、謎の黒幕の正体なども
しっかりと引っ張る、一応ちゃんとしたサスペンス要素も大事にしている物語展開となっています。
要するに、男性主人公の他の作品比べて本作は、おバカながらも下品な要素の少ない、女性も鑑賞できるような、ちょっとかわいい要素のある作品となっています。
それが、バリー・ウォンらしくない、といえばそうなるかもしれませんが、そういった理由で本作はずっと未公開のままだったのかもしれません。
女性主人公二人のドタバタコメディですので、当時の日本で劇場公開やソフト化はなかなか厳しかったのではないでしょうか。
そんな未公開の作品が、何かの拍子に突然インターネット配信される、という今の状況は、やはり素晴らしいですね。
という事で、バリー・ウォン監督らしさがありながらも、有名女優二人の主演という事で、結構カワイイ感じの香港らしさを残した作品となっていますので、
香港映画好きの方や、コメディ作品好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
そういえば、いつものように出たがりのバリー・ウォンがディスコキング役で顔を見せている他、香港の加藤茶こと、ナット・チャンや、当時イケメン役で人気だったウィルソン・ラムなんかも出ていますよ。
作品情報
1989年製作 香港製作 コメディ
監督・脚本 バリー・ウォン
出演 マギー・チャン、ドゥドゥ・チェン、ナット・チャン、ウォルソン・ラム
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