【推薦!香港映画】邪 ゴースト・オーメン (邪HEX)90分

投稿者: | 2024年9月12日

おすすめ度 ★★★★★★★★★☆

カルトなホラー作品で有名な、カイ・チーホン監督による、オカルト、犯罪サスペンス、サイコホラー等色んな要素を上手く融合しながら、後半登場する前衛的なセクシーダンス除霊に目を奪われつつ、最終的には捻りの効いたオチに唸らせられる、観終わった後にもう一度観返したくなる秀作ホラー!!面白いです!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、カイ・チーホン監督によるサスペンスホラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

資産家の娘で病弱なサウインはヨンという男と結婚したが、財産目当てだったヨンは、結婚後に家が没落していく事にいらだち、暴力を振るい始める。

使用人も次々と辞めて行く中、ある日、リョンという、かつて屋敷で使用人として働いていた女性の娘が訪ねてくる。

母が受けた恩を返す為、サウインの世話を始めるリョンだったが、そんなリョンにもヨンは暴力を振るい始める。

しかし、生来勝気な性格のリョンは、黙って暴力に耐える事はなく、ある雨の降りしきる夜、ふとした瞬間にヨンを雨水の溜まった大きな壺に沈めてしまうが、、、。

監督は、(蛇姦)や(魔デビルズオーメン)(詳しくはこちら)等のホラー系作品で知られる、カイ・チーホンで、

ドラマチックな怪談ホラーを、雰囲気たっぷりに演出しています。

女主人役は、(霊幻追鬼)(詳しくはこちら)や(ゴールデントライアングル)等のタニー・ティエンが登場し、幸薄な女主人を演じています。

タニー・ティエン

で、問題児の婿養子役で、(ジョイ・ウォンの霊界伝説)や(書剣恩仇録)等のワン・ロンが登場し、非道の限りを尽くします。

ワン・ロン

で、使用人役で、(続・少林寺三十六房)や(少林皇帝拳)等のチェン・スーチァが登場し、物語を展開させていきます。

チェン・スーチァ

で、薬売り役で、(醉馬拳クレージーホース)(詳しくはこちら)や(ドラゴンズクロウ)(詳しくはこちら)等の

ハン・クォチョイが登場し、コミカルなキャラクターを演じています。

ハン・クォチョイ

そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、1929年、かつては名家として有名だったチャン家の娘サウイン(タニー・ティエン)は、

婿として選ばれたヨン(ワン・ロン)を迎えたが、やがてチャン家は、さらに没落していき、病弱だったサウインの病状もさらに悪化、

資産目的で婿養子となったヨンは、毎日いらだちを隠せず、妻や使用人に当たり散らし、毎日のようにDVが繰り替えされている修羅場な状況から始まります。

そんな中、かつてチャン家に遣えていた使用人の娘であるリョン(チェン・スーチァ)が、母親が世話になったお礼に顔を見せた事で、物語は急展開していきます。

リョンは、母が受けた恩を返す為、病気がちのサウインのために、身の回りの世話を申し出ますが、そんなリョンさえも気に入らないヨンは、その日からリョンにもDVを加えていきます。

しかし、リョンは、意外に芯の強い勝気な面もあり、最初はDVを受けていますが、やがて少しづつ抵抗するようになり、

ついには、完全に反旗を翻すぐらいに意見するようになっていきます。

ただ、そんな事でヨンのDVが治まるはずもなく、ヨンの暴力はさらにエスカレートし、リョンに完全な暴力で襲い掛かります。

※↓ここからは、物語展開に触れていますのでご注意ください↓※

で、激しい雨が降りしきるある日、ヨンの暴力に耐えかねたリョンは、抵抗しもみ合いとなります。

で、サウインが大事にしていた腕輪を取って金に換えようとしていたヨンの手から腕輪が落ち、大雨によって雨水が溜まって溢れている庭の大きな壺へと落ちてしまいます。

で、ヨンが腕輪を取るために大壺に頭から上半身を突っ込んだ、その隙に、、、、、、、!!

、、、、チャンスとばかりにリョンが、ヨンの両足を抱え上げ、大壺の中に逆さまに入れてしまいます。

さらに、その上から、横にあった大壺の蓋をかぶせて、自分の体重を乗せてヨンが出てこれない様に塞ぎます。

なんとか外に出ようともがくヨンですが、その時リョンがサウインに向かって叫びます。

リョン『奥様も手を貸して下さい!!』

パニック状態になり追い込まれたサウインは、その申し出を断れるはずもなく、リョンと一緒に蓋を抑えてしまいます。

こうして、DVに悩まされ続けた二人の女性によって行われた殺人事件は、その遺体を近所の大きな池に沈める、

という形で完全犯罪がなされた、、、、、はず、、、、でしたが、、、、

※↓ここからは、さらに物語展開に触れていますのでご注意ください↓※

この犯行直後から、2人の身の回りで奇妙な出来事が頻繁に発生し始めます。

ある時は、観にくい姿となったヨンの霊が、サウインの前に現れて襲い掛かってきたり、ある夜は、枕元で唸り声を上げられたり、

精神的にも身体的にも不安定なサウインを、亡き夫の亡霊が、どんどんと追い込んでいきます。

その取り乱し様は、リョンでもサポートしきれないぐらいにまでエスカレートしていきますが、ある日、寝込みを亡霊に襲われたサウインは、、、、、

、、、ついに、全てにおいて限界を越えてしまい、ショックのあまり命を失ってしまいます。

こうして、自らの手で命を奪った夫の亡霊によって、その妻も命を失ってしまう、という悲惨な事件は幕を閉じた、、、、はず、、、、、、でしたが、、、

※↓ここからは、さらにさらに物語展開に触れていますのでご注意ください↓※

その数日後にサウインのお葬式が執り行われます。

喪主は、、、、、、、

、、、ヨン!!!

実は、ヨンは生きていて、チャン家に残っている資産を横取りするために、リョンと共謀して、殺人事件をでっちあげて、

その後、亡霊のふりを繰り返してサウインを精神的に追い詰めていき、ショック死に追い込む、という凄まじい財産乗っ取り計画を実行していたのでした。

サウインの死によって、財産はヨンが一人で継ぐことになり、恋人のリョンと共に何不自由ない生活を送っていく事になる、、、はず、、、、、でしたが、、、、

※↓ここからは、さらにX3 物語展開に触れていますのでご注意ください↓※

財産も乗っ取り、チャン家の香りのする家財道具を業者を呼んで処分させている時に、不可解な出来事が頻発し始めます。

家具を運んでいる作業員に、突然サウインが現れて、家具を運ばないように指示したり、寝ている二人の枕元に現れたり、

と、今度はサウインの亡霊によって、リョンとヨンが精神的に追い込まれ始めます。

リョンは、道士を呼んで祈祷してもらい、ヨンの方は、精神的に追い込まれながら、だんだんと狂暴化していき、

寝る時も大きなナタを持って床に着くぐらいにまで追い込まれていきます。

しかし、サウインの亡霊の恨みは凄まじく、さらに二人をどんどんと追い詰めていき、ついには狂暴化したヨンの命を奪います。

まずは、恨んでも恨みきれないにっくきヨンを抹殺したサウインですが、まだリョンへの恨みは晴らしていませんので、さらに精神的に追い詰めていきます。

で、精神的に限界ギリギリにまで来てしまっているリョンは、高名なお婆さん除霊師(というより、スリッパでバンバン叩いていますので除霊というよりは打小人っぽいです)によって、

サウインの除霊を試みます。

この打小人(ダーシウヤン)によって、サウインの霊は地獄へと落ちて行った、、はず、、、ですが、、、、

実は、、、、、、というのが、大体の大筋となっています。

本作、非常に物語展開が上手く捻られていて、オカルトホラーと思って鑑賞していると、捻りの効いた犯罪サスペンスへと展開していき、

さらに、捻られる度に、登場人物の立場も変わり、さらにそこからも捻られて行く、という予想の着かない先の展開が気になる秀逸なサスペンスホラー作品となっています。

恐らく、ほとんどの方が、本作をオカルト怪談ホラーと思って鑑賞し始めると思われますが、メインキャスト三人の名演も伴って、

オカルトではない、犯罪サスペンスの醍醐味も十分味わえ、さらに後半では、全ての秀逸な物語展開を完全に喰ってしまう、、、、

素っ裸の美女による、前衛的なコンテンポラリーダンス除霊

シーンによって、カイ・チーホン監督のぶっとびセンスを嫌という程味わされます。

さらに、その除霊のクライマックスでは、精神的に追い込まれたリョンの、

丸坊主の素っ裸の全身に写経

という凄まじいビジュアルセンスも炸裂し、その後は耳なし芳一でシメる、という唯一無二の強烈なシーンの連続で、

その後の秀逸な大どんでん返しも、危うく霞んでしまうぐらいのインパクトで終幕へと突き進んでいきます。

一度鑑賞後に、もう一度鑑賞し直すと、実は冒頭からしっかりと落ちに通じる伏線もはられていて、さらに各キャラクターの思惑を知ってから鑑賞してみると、

それぞれの台詞や行動が違った意味で見える、という二回、三回と繰り返して鑑賞できる秀逸な作品となっています。

という事で、後半には物凄いシーンがありますが、そのシーンをスルーしても、十分魅力に満ちた秀作となっていますので、

香港映画好き、サスペンス映画好き、ホラー映画好き、変わった映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

面白いですよ。今の技術でリメイクして欲しいですね。

作品情報

1980年製作 香港製作 サスペンスホラー

監督・脚本 カイ・チーホン

出演 タニー・ティエン、ワン・ロン、チェン・スーチァ、ハン・クォチョイ、チャン・ラッバン

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