おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
ベニー・チャン監督の集大成的遺作は、警察官ドニー・イェンと元警察官ニコラス・ツェーが火花を散らす今では貴重な香港を舞台にしたポリスアクション!!
作品紹介
2021年12月24日公開
今回ご紹介するのは、(香港国際警察NEW POLICE STORY)や、(ジェネックスコップ)など香港を舞台にした警察アクションの名手で、2020年に惜しまれつつも亡くなったベニー・チャン監督の遺作アクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
東九龍警察署のボン警部(ドニー・イェン)は、長年大物犯罪者ウォンを捜査してきたが、ついに現場に踏み込む、という時に上司からの圧力により、
出動の権限をはく奪される。
しかし、代わりに出動したチームは、何者かの待ち伏せにより、圧倒的な火力で返り討ちにされ、その部隊は全滅してしまう。
新たに捜査が再開されたが、その捜査線上には、かつての部下であり、ある事件で服役後、行方をくらましていたンゴウ(ニコラス・ツェー)とその元部下たちだった!?
2020年8月23日に惜しまれつつもこの世を去ったベニー・チャン監督の遺作となるポリスアクション作品です。
ベニー・チャン監督といえば、日本では恐らくジャッキー・チェン主演の(WHO AM I ?)で本格的に紹介され、その次のニコラス・ツェー主演の(ジェネックスコップ)で盛り上がり、
その後も(ジェネックスコップ2)、レオン・ライとイーキン・チェンが共演した(ヒロイックデュオ)等順調に活動の幅を広げ、
そしてジャッキー・チェン主演の大傑作(香港国際警察NEW POLICE STORY)を監督し、大成功を収めている香港を代表する監督の一人です。
その後もジャッキー・チェン主演の(プロジェクトBB)や、ルイス・クー主演(コネクテッド)、アンディ・ラウ主演の(新少林寺)等、
日本でも劇場公開されているような有名香港作品を多く監督してきた警察アクションの名手でした。
リンゴ・ラム監督もそうですが、まだまだ若い年齢で、香港映画界を代表するような名監督が亡くなってしまい、ただでさえ勢いの落ちている香港映画界にとってはとてつもない損失が続いてしまいました。
本作は、そんなベニー・チャン監督の入魂の作品で、もはや世界的な大スターとなったドニー・イェンとの初コラボ作品であり、
(ジェネックスコップ)以降(香港国際警察)や(インビジブルターゲット)、(新少林寺)などずっとコンビを組んできたニコラス・ツェーとのコラボ作品で、
しかも得意の大掛かりな警察組織アクション、というこれまでの監督の集大成のような作品となっています。
で、物語ですが、東九龍警察所のドニーと元部下で現在は犯罪者の道に入ってしまっているニコラスが、火花を散らすアクションで、
冒頭で、まずは二人の激突が描かれ、同時進行で、過去の仲間だったころの物語も描かれつつ、何故二人が敵対するようになっていったか?
が少しづつ明らかになっていく、という構成になっています。
ドニーは(導火線フラッシュポイント)などのように、ひたすら悪を憎む、熱血刑事で、その熱い正義感があるがために、ある理由からニコラスは狂気に走っていく、といった感じになっています。
ですので、役柄的にはニコラスの方が善人時代と悪人時代、しかも悪人になってからは、どんどんとサイコっぷりも加わっていきますので、
非常に難しい役柄になっています。
これも、長年コンビを組んできたベニー・チャン監督とのコラボ作品だからこそ、の役柄といえそうです。
ドニーとニコラスは香港コミックの映画化(かちこみ!ドラゴンタイガーゲート)でもアクションで激突していますので、
その頃以来の大激突で、ラストの大決戦は手に汗握る名勝負となっています。
前回の対決のときは、兄弟という設定でしたので、遠慮しながらの戦い、といった感じでしたが、今回はドニーの事を心底恨んでいる宿敵としての登場ですので、
ガチンコ感がなかり強く、バトルの後半には非常に痛々しい展開もあり、兄のように慕っていたがために、逆説的に憎むようになっていった悲しい男の悲哀のような表情も浮かべ、
香港アカデミー賞受賞者の実力がいかんなく発揮されていました。
というように、本作は警察の組織アクションがメインの作品ですので、ドニーの肉弾アクションはそれほど多くはありませんが、
その分ガンアクションや、緊迫した男の名勝負、という香港映画が一番元気だったころのあの雰囲気を味わう事のできる作品となっています。
これも、香港映画の一時代を担った映画監督ベニー・チャン監督だからこそなしえた一つの到達点なのではないでしょうか。
という事で、ドニー・イェン、ニコラス・ツェーダブル主演でベニー・チャンの最後の集大成アクションと見所いっぱいの作品ですので、是非ご鑑賞をお勧めします。
あと、ジャッキー・チェンの(ポリスストーリー)シリーズやドニー・イェンの(ドラゴン危機一髪97)で激闘を演じたベン・ラムと、
ジャッキー・チェンの(酔拳2)のラスボス役や、ドニー・イェンの(スペシャルID特殊身分)で激闘を演じたロー・ワイコンというジャッキーが率いていた成家班(ジャッキーアクションチーム)出身者が
二人も登場しますので、ジャッキーファン、ドニーファンの方はそちらも見逃せないポイントとなっています。
作品情報
2021年製作 香港・中国製作 ポリスアクション
監督・製作 ベニー・チャン アクション監督・製作・製作総指揮 ドニー・イェン アクション指導 谷垣健治
出演 ドニー・イェン、ニコラス・ツェー、チン・ラン、レイ・ロイ、サイモン・ヤム、ベン・ユエン、ベン・ラム、ロー・ワイコン、カルロス・チェン
その他のドニー・イェン出演作品
アンディ・ラウが再びリー・ロックを演じた本格共演作(追龍)はこちら
↓ランキングに参加しています。宜しければ下記をクリックお願い致します↓