【推薦!未公開カンフー映画】南拳北腿(THE SECRET RIVALS/ENTER THE SILVER FOX)84分

投稿者: | 2023年5月27日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★★☆☆

南拳の達人に扮したウォン・タオと北拳の達人に扮したジョン・リュウが、ウォン・チェンリー演じる強敵、銀狐と激突する傑作カンフーアクション!!

作品紹介

今回ご紹介する作品は、ハイキッカー、ジョン・リュウウォン・タオが協力し、ウォン・チェンリーに立ち向かうカンフーアクション作品です。

それでは、まずはあらすじから、

16年前に中国の宝を強奪し、部下を引き連れて韓国まで逃げて来ていたフオ皇子は、事件を調べるため中国からスン将軍と、

その一番の部下がやって来るという情報を、事前に仕入れていた。

身の危険を感じたフォは、自身の警護を強化するため、武術大会を開き、屈強なボディガードを募集する。

そこに現れたカンフーの達人の青年二人が、火花を散らす中、かつて一番の警護者だったフオの右腕、銀狐が数年ぶりに姿を現すのだった!?

ブルース・リャン主演の(無敵のゴッドファーザー ドラゴン世界を征く)(詳しくはこちら)や、(帰って来たドラゴン)、

ジャッキー・チェン主演の(スネーキーモンキー蛇拳)や(ドランクモンキー酔拳)、ジェット・リー主演の(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)シリーズ等、

古くから多くのカンフーアクション作品の監督、製作、脚本家として活躍し、近年(カンフースタントマン)(詳しくはこちら)にも出演している、

カンフー映画界のレジェンド、ウー・スーユエン(ン・シーエン、ゴ・シエン)が監督・製作・脚本とマルチに活躍したカンフーアクション作品です。

ウー・スーユエン

主演は、(少林の鉄爪 鷹拳)(詳しくはこちら)や、(セイントスティック 怒りの聖拳!)(詳しくはこちら)、

猫拳カンフー無宿)(詳しくはこちら)等、いつも清潔感の漂うヒーローを演じているウォン・タオで、

本作でも同じようなイメージの正義のヒーローを演じ、本作が出世作となっています。

ウォン・タオ

で、もう一人の主演として、トン・ワイと共演した(神腿)(詳しくはこちら)や、ワンマン映画(燃えよ!C.I.A危機100発)(詳しくはこちら)、

メン・フェイと共演したフォン・サイヨ映画(少林ブラザース)等、華麗なハイキックで、見栄えの良いアクションを繰り広げるジョン・リュウが登場し、

ウォン・タオと火花を散らしながら、強敵に立ち向かっていきます。

ジョン・リュウ

で、そんな二人の前に立ちはだかるのは、本作でのブレイク以降、(蛇拳)(醉拳)、そして(南北醉拳)(詳しくはこちら)や本作と同じジョン・リュウ主演の(神腿鐵扇功)等、

多くのウー・スーユエン作品で悪役として大活躍していく事になる韓国人テコンドーファイター、ウォン・チェンリーで、

電光石火の足技を始めとして、多様なアクションを披露し、その独特の扮装で、強敵、銀狐役を演じています。

ただ、出演シーンは、思いのほか少な目ですが、、、。

ウォン・チェンリー

で、ウォン・タオジョン・リュウ二人同時に想いを寄せられるヒロイン役で、チェン・シン主演チャン・イータオ共演の(三人豪客)等に出演しているイオ・シュージン

イオ・シュージン

事件の黒幕的な役柄の皇子役で、サモ・ハンも出演している(タイガー・オブ・ノース北少林)や、

レディニンジャ セクシー武芸帳)(詳しくはこちら)等に出演しているリー・イーミンが登場し、計略を巡らしていきます。

リー・イーミン

さらにその部下に、ブルース・リ主演の(十字手拳)や、(拳形五摩達)等のB級カンフー作品に多く出演しているジェームズ・ナム

ジェームズ・ナム

そして、同じく部下役で、ドラゴン・リー主演の(一笑一拳)や、カサノバ・ウォン主演の(少林寺武侠門)等に出演しているナム・チュンイーが要所で登場し、

アクションとドラマを盛り上げています。

ナム・チュンイー

そんな素晴らしいカンフーファイターが結集した本作の物語は、16年前に中国に伝わる宝を盗み出し、

部下を率いてそのまま韓国へと逃れてきた皇子(結構な建物で、多くの人を召使うような生活を送っているので、

恐らく逃亡生活を送っているのではなく、なんらかの公職にはついているのだと思われます)が、

中国から権威のある将軍と、その右腕であるやり手の忠臣が、数週間後にやってくる、という情報を仕入れる、という切羽詰まった状態から始まります。

『やべぇ、、、』

で、捜査の手が及び、自身への身の危険を感じた皇子は、右腕のボディガードであるウォン・チェンリー演じる銀狐が不在の中、あるアイデアを思いつきます。

外部から腕自慢を募集し、武術大会を開き、そこで実力を見極めて、自身のボディガードのリーダーに選ぼうというのです。

で、そんな武術大会に集まった猛者の中に、主人公であるウォン・タオジョン・リュウが混じっています。

しかし、二人はお互いの素性を知らず、ライバルとして火花は散らします。

で、武術大会が開催され、、、、、、

ますが、残念ながら期待のトーナメントは行われず、飛び入り的に乱入してきたロシア人の調子乗りぶりにあきれたウォン・タオが、

軽くやっつけた事で、なんとなく決着がついてしまい、結構な人数がいましたが、あっという間にウォン・タオが新リーダーに選ばれてしまいます。

結構な人数が集まっていたのですが、、、。

『どけどけどけぃ!』
『あらよっと!』
『おぬしに決まりじゃ!ワッハッハッハッ!!』
『ありがとうございます!』

その様子を『フッ』と笑いながら見つめるジョン・リュウ、、、

『フッ、、、、』

という感じで、本作は、ウォン・タオジョン・リュウを中心に描かれますが、割と丁寧に物語が展開していきますので、

2人は、少しずつ距離を狭めていく感じで、なかなか激突する展開まで辿り着きません。

そこに行くまでに、2人が泊まった旅館の経営者の娘であるティンティンに、2人同時に恋に落ちてしまい、

恋の、、、
恋の、、、
予感💛

ジョン・リュウがヘアピンをその辺にいる子供をだしに使ってプレゼントし、喜んで使ってくれていると思ったら、

娘の方は、実はウォン・タオがくれた物だと勘違いして使用していたり、という感じで、どんどんウォン・タオと旅館娘が急接近していっている間、ジョン・リュウは切ない表情を浮かべていたり、

『おのれ、、、』

ジョン・リュウがキューピッドを頼んだ子供にカンフーを教えてとせがまれて、面倒臭いのか、なんとなく誤魔化してみたり、

という感じで、なんだかんだと脇道をそれながら、ついに二人が激突する瞬間が訪れます。

ついに、南北激突!!

ただ、ここでも旅館娘の邪魔が入ったり、という感じで、なかなか対決を引っ張ります。

この辺の展開もカンフー映画としては非常に珍しく丁寧で、一番の見所に成りそうな所をあえて前面に出し切ってしまうのではなく、

大激突の予感をさせつつもお預けを繰り返していきます。

そうこうしている内に、だんだんとお互いの素性も明らかになっていきます。

さらに、散々名前だけで登場しなかった(こちらもお預けです)銀狐、ウォン・チェンリーが引っ張った割にはサクッと登場し、

二人が戦う本当の相手は、実は銀狐だという事が分かっていきます。

ひょっこり帰ってくる銀狐

ただ、2人の拳士は、お互い南拳、北拳の達人としての一流のプライドもありますので、激突は必至、しかし、そこに銀狐の魔の手も伸びる、

という事で、クライマックスは、散々引っ張りに引っ張った、大激突が展開される事になります。

ラストバトルは、凄まじい技の応酬で、手技(といっても結構足技も使っていますが)中心のウォン・タオは、

他の作品以上にキレがあり、引き締まった筋肉美も披露しつつ、身軽で力強いアクションを披露し、

足技中心のジョン・リュウは、得意の右足の連続ハイキックを繰り出し、ウォン・チェンリーを追い詰めます。

さらに凄いのは、そんな強敵二人を、上回るキレの良い連続攻撃で、完璧に対応している銀狐、ウォン・チェンリーで、

本作の成功によって、他のウー・ユーユエン作品、特にジャッキー作品での強敵として大抜擢されていき、

(ドランンクモンキー醉拳)より

その後のアクションスター街道を進むことになりますので、その後のウォン・チェンリーが強敵として登場する傑作群を考えると、

本作が後のカンフー映画に残した功績は、かなり大きいと思われます。

という事で、色んな意味で、カンフー映画史に残る名作カンフー映画となっていますので、カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

因みに、本作は好評につき、同じくジョン・リュウ主演、ウォン・チェンリー共演で続編(南拳北腿鬥金狐)も製作されています。

二作目

あと、端役で、ユン・ワー、ユン・ピョウ、エルトン・チョン等、後の主演級スターが多数参加しているのも、見逃せません、、、、

が、多分見逃してしまいます、、、。

左端にユン・ピョウ発見
ジャンプしてやっつけられます

作品情報

1976年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・製作・脚本 ウー・スーユエン

出演 ウォン・タオ、ジョン・リュウ、ウォン・チェンリー、イオ・シュージン、ジェームズ・ナム、リー・イーミン、ナム・チュンイー、ユン・ワー、ユン・ピョウ、エルトン・チョン

ウォン・タオはヌンチャクも披露

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