【推薦!中国映画】盲剣楼(目中无人EYE FOR AN EYE)77分

投稿者: | 2023年8月4日

おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆

座頭市のリメイク、、、ではないですが、短い作品ながらも、しっかりとした人物描写と物語展開、シェー・ミャオの素晴らしいアクション、そして監督の素晴らしいビジュアルセンスで他の似た様な内容の武侠作品とは比べ物にならない完成度の武侠アクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、シェー・ミャオが盲目の賞金稼ぎに扮した武侠作品です。

賞金稼ぎのイーは、たまたま通りかかった家屋での婚礼に迎え入れられるが、その花嫁の兄を追ってきた悪党達によって花婿も兄も惨殺されてしまう。

偶然生き残った花嫁に復讐の手助けを頼まれたイーは、花嫁イェンと共に洛陽へと向かう。

まず、日本ではトップセールスポイントのように謳われていますが、日本の(座頭市)のリメイクではありません。

勿論、中華圏でも(座頭市)自体は人気があったはずですので、少なからず影響は受けている作品ではあると思われますが、

そもそも監督が、現代劇を想定して執筆した脚本を時代劇に変更して書き直した物語ですので、日本の(座頭市)を中国版にリメイクした作品ではありません。

ただ、当初の設定をどこまで残しているのかは分かりませんが、シェー・ミャオ自身が役作りにおいて(座頭市)等も参考にしたそうなので、

特にアクションシーン等で、(座頭市)っぽい雰囲気も持った主人公となっています。

というより、リメイクではない作品に、リメイクと宣伝しても大丈夫でしょうか、、。

リメイクと書かずに中国版(座頭市)ぐらいの表現なら、ちょっと怒られるぐらいで済みそうですが、、流石にリメイクと書いてしまうと色々問題がありそうですが、、。

それとも、全くどこにも表記はないけれども、どこかで密かに了承を得ている、という事もあったりするのでしょうか、、、。

ちょっと、その辺りのルールが良く分かりませんが、とにかく(座頭市)っぽい作品を監督しているのは、

武侠アクション(狂虎危城)や現代ポリスアクション(东北警察故事)と連続でシェー・ミャオ主演作品を監督しているヤン・ビンジア監督で、

コラボレーションも三作目という事で、いよいよシェー・ミャオの魅力を存分に引き出した本作を監督しています。

ヤン・ビンジア

で、そんな監督とコンビを組んで主演しているのは、(D&D完全黙秘)でジェット・リーの息子役を演じ、

その後大人になってからは(少林寺 十八の羅漢)(詳しくはこちら)や、

少林寺復讐の飛龍拳)(詳しくはこちら)、(武神)(詳しくはこちら)等の近年の中国作品で活躍し続けているシェー・ミャオで、

本作では、しっかりとしたアクションを披露し、作品を盛り上げています。

シェー・ミャオ
シェー・ミャオ

で、悲劇のヒロイン役には、ルイス・ファン主演のカンフーアクション(少林寺 怒りの金剛拳)(詳しくはこちら)や、

モンスターアクション(秘境古兽)等のガオ・ウェイワンで、可憐な魅力で作品を盛り上げています。

ガオ・ウェイワン
ガオ・ウェイワン

で、もう一人のヒロインとして、武侠ファンタジー(小龙女)やレディースアクション(新精武门:武魂)等に出演しているチャン・ディで、

主人公をサポートする仲介人として中盤以降活躍していきます。

チャン・ディ
チャン・ディ

で、ヒロインを窮地に追い込む大悪党役で、テレビドラマ(上海女子图鉴)等に出演しているシャン・ハオが登場し、

イケメンを逆手に取った大悪党ぶりで、シェー・ミャオを追い詰めます。

シャン・ハオ
シャン・ハオ

そんなスタッフ・キャストが集結した本作の物語は、ある動乱が起こった後の混乱が残る中国で、その街にふらっと現れた盲目の賞金稼ぎイーが、

たまたま通りかかった村はずれの婚礼の場で、花嫁の家族が原因で惨殺事件となり、偶然生き残った花嫁の復讐の手助けを懇願され、

その悪党が住む洛陽まで、花嫁を送り届けるものの、そのまま放ってはおけず、外道相手の戦いに身を投じていく、という大筋となっています。

例によって77分という非常に短い作品ですので、端折りぎみではありますが、これが他の多くの70分台作品とは比べ物にならないぐらいに、

しっかりとした人物描写や、格闘アクション、物語展開など、適度に配置されていて、短いながらもちゃんと感情移入できる工夫が凝らされています。

予算の都合で2シーン程予定していたアクションシーンを撮影できなかったそうで、確かに重要なシーンで展開が飛んでしまう箇所はありますが、

その部分を捨ててでも、感情移入できる描写がしっかりと挿入されていますので、77分の作品とは思えないぐらいに映画作品として完成された作品となっています。

70分台作品も数多くありますが、ここまでしっかりした作品も、なかなかないのではないでしょうか。

しかも、監督のセンスか、撮影監督のセンスかは本作だけでは分かりませんが、画面に映るキャラクターの配置や、

照明の当て方、クライマックスのまるで舞台劇のラストシーンを見ているような独特の表現等、ビジュアルイメージが素晴らしく、

他の作品のようにイケメンキャストが、ワイヤーでぶらぶら揺られてくるくる回転しているだけのシーンとはまるで違う、

他の作品では、観れないようなシーンが続出します。

アクションシーンも他の作品で頻繁に見かける、雨が降った中でスローでバシャバシャと水しぶきを上げるカッコ良い風のアクション等ではなく、

大粒の雪が降る中で、お酒を刀に欠けて着火して炎を巻き上げながら、敵にも炎を移していく、というまさに燃えるシーンの登場等、

他の監督には無いセンスがいたるところに見え隠れする独特な世界観となっています。

シェー・ミャオのアクションも素晴らしく、他の多くの作品では激しすぎるカット割りや、淡白なアクション演出等で、

正直シェー・ミャオの持ち味を十分に発揮できていない作品も少なくないですが、本作のシェー・ミャオは、

存分にそのアクションのキレの良さを発揮し、そこに(座頭市)っぽいアクションを融合する、という何度も切り返して観たくなるアクションの連続となっています。

また、その盲目でありながら、剣豪の賞金稼ぎ、しかも無骨そうなわりには正義感が強い、というキャラクターがかなりのはまり役で、

他の作品では、その劇画チックで、常に眉間にしわが寄っている表情が、軽い作品では合っているとは言い難かったりしますが、

本作は、その眉間の皺こそが、盲目の剣豪というキャラクターと一致し、周りの様子を伺う表情として非常に効果的に作用しています。

個人的には、青年期のシェー・ミャオ作品の一番のはまり役で、一番の傑作ではないかと思います。

ついでに言うと、他の作品では着用している鬘が浮いているような感じが多かったですが、本作では鬘を含めたゴワゴワした衣装も、

小柄な体型をカバーして、迫力のあるキャラクターへと押し上げる大きな役目を果たしていると思われます。

そうなってくると、やはり77分という短さが、非常に残念で、もっとアクションやドラマ部分を掘り下げた100分ほどのバージョンが見て見たくなりますが、

その辺は続編が新作として存在していますので、是非ともそちらのリリースにも期待したいですね。

というより、この完成度なら、ヤン・ビンジア監督とシェー・ミャオコンビの他の2作もリリースして欲しいですね。

少なくとも、このヤン・ビンジア監督の名前は、記憶しておいた方が良いと思いますので、今後の中国作品リリース時の期待度の目安になるかもしれません。

という事で、77分と短い作品ではありますが、しっかりとした内容にはなっていますので、(座頭市)の事は一旦忘れて、

武侠作品好きの方や、香港映画好きの方等、是非ご鑑賞してみてください。

作品情報

2022年製作 中国製作 武侠アクション

監督・脚本 ヤン・ビンジア

出演 シェー・ミャオ、ガオ・ウェイワン、シャン・ハオ、チャン・ディ

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