おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
小さな町を舞台に、妻を事故で失った過去を持つ旅館経営者が、謎の旅行ツアー客の行動を辿るうちに、驚愕の事実を知る、もう一つのバック・トゥ・ザ・フューチャー!!
作品紹介
1992年5月23日公開
今回ご紹介する作品は、【もう一つのバック・トゥ・ザ・フューチャー】とも言えるSFサスペンスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
妻を自動車事故で亡くしたベンは、再出発を図るため娘のヒラリーと共に、旅館をオープンさせようとしていた。
そんなある日、オープン前の旅館に、突然ツアー客がやってくる。
その謎の旅行団は、どこか現実味が無く、行動等もどこか怪しさの漂う人々だった。
その後、街に出かけたベンは、旅行客の一人が軽度の接触事故を起こし、それに付き添った事で、驚愕の事実を知ることになるのだった!?
【もう一つのバック・トゥ・ザ・フューチャー】とVHSの裏ジャケットの謳い文句が凛々しいSF時空アドベンチャー作品です。
VHSジャケット等には一切記載されていませんが、本作、日本の山形テレビが出資して製作された作品で、
同時期に(死霊のしたたり2)にも出資しているようですので、積極的にハリウッドの(しかも娯楽系)映像作品製作に乗り出していた時期の作品となっています。
ただ、両作品ともに、製作費を回収できなかったようで、放送局にとっては、ちょっとした黒歴史のような作品となっているようです。
本作のVHSや(死霊のしたたり2)のDVD、ブルーレイのパッケージを見ても、そんな事一言も書いていないところを見ると、
ソフト化の権利から一番遠い所にいた、か、一部製作を出資していたので、それほどの権利を所有していなかった、
等色々ありそうですが、一応、エンドロールの合間に、
と山形テレビの当時の社長の名前も出てきましたので、どこまで関わっているのかは分かりませんが、ちゃんと関りはありそうです。
ただ、それ以外で、日本人の名前が全く登場しない、というのもなんとなく怪しいのですが、、。
こんなに痕跡を残さずに『ありがとう』とだけ記載される、ってどうなのでしょうか、、、。
で、今に至ってもDVD化もされていない不遇な作品なのですが、監督が、その後ヴィン・ディーゼル主演で大ヒットした(リディック)シリーズや、
ミラ・ジョボビッチ主演のイカレタ登場人物たちのバトルロワイヤル(パーフェクトゲッタウェイ)、
潜水艦ものの、隠れた傑作(ビロウ)、そしてチャーリー・シーン主演の変化球なエイリアンもの(アライバル)等、
調度良い規模のB級娯楽作品で有名になるデビッド・トゥーヒー監督で、デビュー作の本作で、既にテンポの良いSFサスペンス演出で、観客側の興味をどんどん引っ張っていきます。
そんな秀作SF物語の主演の旅館経営者役は、(スピード)のキアヌ・リーブスの相棒役や、(Mr.ダマー)シリーズのジム・キャリーの相棒役等、
主人公の引き立て役の多いジェフ・ダニエルズで、過去にトラウマを抱える父親役を好演しています。
で、その父親の娘役を演じているのは、(ジュラシックパーク)や、(どんな時も)、(トレマーズ3)等のアリアナ・リチャーズで、活発で、父親想いの娘役を好演しています。
そんなスタッフ・キャストが揃った本作の物語は、雪道で車を走らせる主人公のジェフ・ダニエルズと奥さんが、
不注意と急な馬車の飛び出しで、正面衝突し、そのまま馬が暴れて奥さんを蹴ってしまい、奥さんのみが帰らぬ人となってしまう、
という過去の出来事の夢からジェフが目覚めるシーンから始まります。
で、その事がその後も、ずっとトラウマとなっているようで、お酒に逃げてしまう毎日ながらも、娘と再出発を目指して、
今まさに古びれた旅館を改装している真っ最中、という状況から始まります。
そんな悲しい過去がありながらも、父子の中は良好ですが、亡くなった母親の父親で、街の権力者でもある祖父は、
ジェフの事を憎んでいて、事故の際も事故に合っている瀕死の娘を放っぽり出して逃げた卑怯者呼ばわりで責め続けています。
そんな、微妙な関係の中、物語の重要人物である、謎のツアー客が到着します。
数名のグループですが、リーダーの女性以外はほとんど口を利かず、どこか現実離れしたような、生活感の薄さを感じさせる人々で、
行動の一つ一つに、なんとなく違和感を感じるような人々となっています。
人一倍好奇心旺盛なジェフは、気になってしょうがない、という感じですが、ある時、ツアー客の会話を小耳にはさむと、
客『せっかく大災害を見物しにきたのに、遅れてしまって、、、、』
等、気になるワードが聞こえてきます。
で、ジェフは気になってしょうがないので、街中で旅行客の一人を見かけると、なんとなく後を付けてしまいます。
で、やたらと挙動不審で、空を何度も見上げながら、何かゴソゴソしているその旅行客を見ていると、その旅行客が、
道行く車とちょっとした接触事故を起こしてしまいます。
で、助け起こして病院に連れて行こうとすると、パスポートが落ちていたので、一緒に拾い、診察を受けると、、、、
驚愕の診断結果で、さらにパスポートをめくってみると、、、、、、
という感じで、現在と未来を繋ぐ壮大な物語へと展開していく事になります。
鳴らない時計塔の鐘や、意地悪な義理の父、娘の歴史的な事件の暗記メモ、そして、母親が好きだったピアノ曲【エリーゼのために】等、
物語を面白くするためのエピソードが、非常に自然にさらりと説明され、それらが、しっかりと物語に作用して、
進めば進むほど、どんどん物語が展開していきます。
ここから先の物語の詳細を書いてしまうと、そのまま楽しみが減ってしまうような内容ですので、割愛させて頂きますが、
多くの人々や、親しい大切な人の死を、時空を越えて回避しようと奮闘する、という物語は、
確かに(もう一つのバック・トゥ・ザ・フューチャー)と言っても言い過ぎではないような秀作となっていますので、
タイムスリップものがお好きな方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
色んな騒動の最後に、胸に染みるラストシーンが待っていますよ。
ベタですけど、、。それが、また良い感じです。
作品情報
1991年製作 アメリカ SFサスペンス
監督・脚本 デビッド・トゥーヒー
出演 ジェフ・ダニエルズ、アリアナ・リチャーズ、エミリア・クロウ、ジム・へイニー
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