カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
カンフー映画の巨匠チャン・チェ監督が、アレクサンダー・フーシェン、チェン・カンタイを主演に迎えて描く、男泣き少林英雄物語!!
作品紹介
1974年4月13日公開
今回ご紹介する作品は、チャン・チェ監督による少林寺の英雄を題材にしたカンフーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
清朝の兵士による少林寺焼き討ち事件の二日後、兵に追われながら広東を目指す少林寺門弟ホン・シークワンは、その道中、一人の武芸者に犯罪者として捕らわれてしまう。
その若者は、ホンと同じ少林寺派のファン・スーイーで、ファンは、清朝の兵士に騙されて、ホンを捕らえる手助けをしてしまうのだった。
その後、真実に気付いたファンは、自身の過ちを償うため、決死の覚悟でホン救出計画を実行に移す!?
監督は、(少林寺列伝)や(片腕必殺剣)等のカンフー映画の巨匠チャン・チェで、本作でもお得意の男泣きの英雄物語をロマンたっぷりに演出しています。
で、主人公の一人ファン・スーイー(フォン・サイヨ)を演じているのは、(カンフートレジャー龍虎少林拳)(詳しくはこちら)や、
(冷血十三鷹)等のアレクサンダー・フーシェンで、清潔感のある容姿で、主人公の一人を演じています。
で、もう一人の主役、ホン・シークワン(ハン・カーロ)役は、(上海ドラゴン英雄拳)や(燃えよじじいドラゴン)等の
チェン・カンタイが扮し、ダイナミックなアクションを披露して行きます。
で、そんな二人の宿敵となるのはジャッキー出演の(ファイティングモンキー昇龍拳)や(ミスターブー)(詳しくはこちら)等の
チュー・ムーで、2人を相手に強敵ぶりを発揮していきます。
で、その腹心の部下役で、(マネーチェイス)(詳しくはこちら)や(魔界天使)(詳しくはこちら)等の、
ウォン・チンが登場し、悪の限りを尽くしていきます。
で、さらにその部下役で、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)や(剣聖たちの挽歌)(詳しくはこちら)等の
悪役で有名になって行くフォン・ハックオンが、本作でも悪の限りを尽くします。
そんな主要キャストに、ラストバトルのみで登場するラウ・カーウィンや、リー・ホイサンや、端役で登場する
ユエン・シンイーやケント・チェン、ウォン・ハー、チョイ・ハー等、後の香港映画界で大活躍するスター達が大勢参加した作品となっています。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、清朝の兵士による少林寺焼き討ち事件が発生してから二日後、
多くの犠牲者を出しながらも、なんとか逃げ延びた少林英雄ホン・シークワンが、清朝兵士の追手と戦いながら広東を目指す中、
清朝の兵士に騙された同じく少林寺派の英雄ファン・スーイーに、単なる暴れ者の犯罪者として捕らえられてしまうシーンから始まります。
いきなり少林寺焼き討ちシーンを描かずに、その二日後から始まるという大胆な物語構成ですが、その事件の詳細は、
同じくチャン・チェ監督の(少林寺列伝)や、他の少林寺系の作品で描かれていますので、本作は、その後を描く事で、
焼き討ちで生き残ったファン・スーイーとホン・シークワンにスポットを当てて、2人の友情物語を軸として、熱いドラマが描かれていきます。
で、捕らえられたホン・シークワンは、ある屋敷の地下室に鉄製の金具で壁に直接打ち付けられて動けない状態にされてしまいます。
兵士によって、逃げた仲間の居所を聞き出そうとされますが、勿論英雄が簡単に口を割るはずもないので、
それでは、処刑してしまおう、という事で処刑される事が決定してしまいます。
一方、自分の勘違いのせいで、反旗を翻す皆のリーダーを敵に差し出してしまった事に気付いていないファンは、
街に戻ってみると、その事実を知った仲間達に、物凄く白い目で見られてしまいます。
で、鈍感なファンも流石に全員の視線を感じて、自分が犯罪者だと思っていた男が、尊敬するホン・シークワンだという事を知り絶望の淵に落ちてしまいます。
で、皆に蔑まれながらも、休む間も無くホンが囚われている地下室までの穴を掘り始め、そのひた向きさに打たれた仲間達も立ち上がり、
皆でホン救出大作戦を決行する、、、、、、というのが大体の大筋となっています。
非常にシンプルな物語展開に、英雄二人の対決と熱い友情を描き、そこにラウ・カーリョン武術指導による確かな武術アクションがふんだんに挿入される、
という少林寺カンフー映画の王道とも言える作品となっています。
後の有名スターが多数端役として出演しているのもカンフー映画ファンにとっては魅力の一つですが、なんと言っても
チェン・カンタイの型を決める立ち姿がバシッと決まるワイルドな魅力と、薄命の貴公子アレクサンダー・フーシェンの、
清潔感漂う凛々しいアクションが、トレードマークとも言える白で統一した衣装(逆にチェン・カンタイの衣装は黒)と扇子と相まって、
動と静のイメージの二人が、クライマックスにかけて名コンビぶりを発揮していく展開が見所となっています。
クライマックスでは、ラウ・カーウィンやリー・ホイサンも参加し、大乱闘へと発展して行きますが、ここではチャン・チェ作品の一つの見せ場である、
滅びの美学を追求したような英雄の散り際が、独特の表現で描かれていきます。
ただ、本作では続編等の後日譚を描く事を考慮していたためか、そこまで全滅にはならずに、しっかりとまだまだ希望を残した終幕となっているのも特徴となっています。
逆に言うと、まだまだ戦いの最中、という所で終わってしまいますので、若干の消化不良感も残ってしまいますが、、、。
という事で、カンフー映画の巨匠が手掛けた熱い男たちの戦いが描かれた傑作となっていますので、カンフー映画好き、香港映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1974年製作 香港製作 カンフーアクション
監督・脚本 チャン・チェ 武術指導 ラウ・カーリョン
出演 チェン・カンタイ、アレクサンダー・フーシェン、ウォン・チン、フォン・ハックオン、ラウ・カーウィン、リー・ホイサン、フォン・サム、チュー・ムー、ユエン・シンイー、チョイ・ハー、ウォン・ハー、ケント・チェン
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