【推薦!】EXIT イグジット103分

投稿者: | 2020年9月2日

お薦め度 ★★★★★★★★★★

元学生山岳サークルのエース、現在就活中のニートが、迫る有毒ガスの中を命がけで駆け回る、設定が秀逸な脱出アクション!!

作品紹介

2019年11月22日公開

今回ご紹介するのは、挫折を経験しているニートが、テロリストによって蔓延した毒ガスから逃れるために街を駆け回る脱出アクションです。

それでは、まずはあらすじから、

かつて山岳サークルのエースだったヨンナム(チョ・ジョンソク)は、現在では就職に失敗し、実家で家事手伝いとして暮らしていた。

そんな日々だったが、山岳部時代の慣習から公園でのトレーニングだけは続けていた。

ある日、親族一同が集まる母の祝賀パーティの会場で、そこで働く山岳部の後輩ウィジュ(イム・ユナ)と再会するのだった。

実はウィジュには学生時代に一度、思いを告白してフラれていた。

その頃、町ではテロリストによる毒ガス散布事件が発生、そのガスは徐々に広がっていき、ヨンナムたちのいるビルにも迫ってきていた、、。

逃げ場を失うヨンナム親族一同と会場スタッフたち、果たして毒ガスから全員脱出する事はできるのか!?

迫る毒ガスに八方塞がりとなるヨンナム一族と従業員

かつて将来有望なはずだったニートが突然命の危険にさらされて、しかもかつて片思いでフラれた後輩もいる状況で、

己の山岳スキルを使って、死の物狂いで前に進んでいく、という物語展開が非常に熱くなる、お薦め作品です。

挫折した人間が、復活していく、というシンプルな設定の熱さもさる事ながら、色々な細かい設定がその物語展開をさらに熱くさせています。

まず、主人公は学生時代に、今現在この会場で働くイム・ユナに告白してフラれていて、実はその会場を母のパーティ会場に選んだのもイム・ユナが務めている事を知っていたから、

という下心的な事情があり、しかも、そういう理由でこの会場を選んだという事さえも、イム・ユナ自身にバレバレというぐらいに、不器用過ぎる主人公設定となっています。

学生時代には、ボルダリング大会で優勝候補でありながら、もう少しのところで失敗してしまい、イム・ユナに負けてしまう、というトラウマ過去まであります。

さらにヨンナム一族は、よく韓国映画で見かけるかなり庶民的な性格の人たちで、会場で大騒ぎした挙句に、残り物の食事を袋に詰めだす、

という正直片思いの人に見られると恥ずかしくなってしまうような行動を周りの目を気にせずにできる人たちです。

毒ガス事件が起こる前に、もう、すでに主人公のカッコ良さは少しもありません。

でも、このカッコ悪さを前半で見せられれば、見せられるほど後半の展開が滅茶苦茶燃える展開となっていきます

ちゃんと、前半に近所の子供にバカにされながら公園の鉄棒で懸垂を日課にしていて、職はないけど、実は筋肉はある、というシーンもさりげなく挿入されていたりします。

ビルの外壁らか屋上を目指すヨンナム

そして、事件は起こり、毒ガスが蔓延する中、ヨンナム一族はビルから出る事ができなくなり、ガスは下から徐々に上へと上がっていくため、皆で屋上へと昇っていくことになります。

この辺りの展開も非常に自然で、屋上の扉を開けるために途中の窓から壁を伝っていくしかない、という展開で、いよいよボルダリングの腕を発揮する場面となっていきます。

このあたりからは、怒涛のような展開で、次々と困難な出来事が起きますが、その出来事がしっかり後の展開に繋がっていきますので、

観ているうちに自然と感情移入してしまい、いつの間にか、主人公が危機を乗り越えるたびに、嬉しくなってしまったりします。

いつのまにか、あれだけ駄目に見えた主人公が紛れもないヒーローにしか見えなくなっています。

そこへ至る、それまでの描き方の積み重ねが秀逸すぎて自然とそう思えるようになっているんですね。

監督の手腕が光ります。

そしてあれだけ、庶民的すぎて恥ずかしく思えた家族は、実は困難な状況において非常に家族思いで、愛情に溢れた人たちだという事もしっかり後半で描かれていきます。

後半はドローンスマホなどを上手くフルに使って困難をクリアしていく設定が非常に現代的で、ある意味、一人称のリアルなゲームに慣れた世代でも違和感なく楽しめるような展開になっています。

主演二人も非常に好演していて、挫折を経験しているけれども、危機的な状況でヒーローとして覚醒してく主人公と、

後輩だけどもボルダリング大会では勝利し、しかも告白されてフッていて、そんな先輩の事をちょっと上から見ていたけれども、

頼りない駄目な男と思っていた先輩が実は、思っていた以上にハイスキルな出来る男であると思い直しつつあるヒロイン、という役どころを見事に演じていました。

というような感じで、本作は非常に良くできた秀作アクションとなっていますので、機会がありましたら、是非一度ご鑑賞頂きたいと思います。

毒ガスが迫る中、別のビルを目指す二人

作品情報

2019年製作 韓国製作 アクション

監督・脚本 イ・サングン

出演 チョ・ジョンソク、イム・ユナ

時間切れギリギリで激走する二人

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