お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆
設定を生かした物語の面白さが光る、20世紀フォックス製作のロシア産心霊ミステリー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、20世紀フォックスがロシアで製作した心霊ミステリー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
幼いころに両親を亡くしたカティア(アレクサンドラ・ボルティチ)は霊が見える体質でいつも数人の霊とともに暮らしていた。
そんなある日、姉であるラリッサが訪ねてくる。
霊能力を信じていないラリッサはカティアがおかしくなったと思い訪ねてきたのだった。
しかし、ある事で口論となり、ラリッサは出て行ってしまう。
と、突然家の中から出て行ったはずのラリッサの悲鳴が聞こえ、突然姿が消えてしまう。
果たして、ラリッサはどうなったのか?
頭の中でフラッシュバックを繰り返す怪しい屋敷とラリッサはどんな関係があるのか?
謎の答えを求めてカティアはラリッサの捜索を開始する、、。
これは、期待せずに鑑賞してみたら、予想外に面白かったロシア産のホラーミステリーです。
例えて言うなら、香港映画でハリウッドリメイクもされた、オキサイド・パン、ダニー・パンの兄弟監督による傑作ホラー(THE EYES)や名作(シックスセンス)の雰囲気に近いと思います。
その他ではアイアンマン以前のロバート・ダウニーJR.の秀作コメディ(愛が微笑むとき)などがジャンルは違いますが霊とコンタクトができる設定が割と似た感じだったと思います。
それらの作品がお気に入りでしたら、本作も割と楽しめると思います。
まず設定が良くできていて、主人公は霊とコンタクトをとる事ができますが、周りにいる霊は基本的にはお化け的な表現ではなく、普通の人間と同じような外見として画面に現れます。
ですので、観ている観客側は画面に写っている登場人物が死んでいる霊なのか、生きている人間なのか、区別がつきません。
で、主人公がアルコールを摂取すると感覚が鈍るのか、霊は見えなくなります。
映像的にはすぅっと消えていきます。
この時点で初めて、今まで映っていたキャラクターが実は死んでいる霊だったと観客側は気づくわけです。
それを理由に主人公の少女はいつも酒を煽っています。
霊を見たくて見ているわけではなく、勝手に見えてしまうので、見ないようにするには酒を常備しておくしかないわけです。
酒を飲んでいなければ、主人公でさえ、突然現れて見えている人物が、生きているのか死んでいるのかもわからないという事になります。
もう少し踏み込んで考えてみると、今、主人公が見えている人物が、その場にいる生きている他人に見えているかどうかも、分からないわけです。
この簡単そうで、ちょっと混乱するような設定が非常に面白く、後半の物語にしっかり生かされていきます。
姉のラリッサは生きているのか?死んでいるのか?
フラッシュバックで登場する屋敷はどんな謎があるのか?
色々引っ張りながら、後半の謎解きになっていくのですが、後半は割と悲壮感が漂っていて切ない展開となっています。
楽しみ半減しますので詳しくは書きませんが、鑑賞後の感想としては、(バタフライエフェクト)や(マローボーン家の掟)、(シックスセンス)などのちょっと切ない系のホラーミステリーと同様の感触がありました。
主演のアレクサンドラ・ボルティチも非常に容姿端麗で演技力もあり、体当たりで好演していました。
まさにダイヤの原石発見といったところで、今後大活躍が期待できそうです。
そういう事で、少し設定のややこしい部分がありますが、物語展開は非常によくできた秀作心霊ミステリーとなっていますので、機会がありましたらご鑑賞ください。
作品情報
2018年製作 ロシア製作 心霊ホラー
監督 イリヤ・マキモフ
出演 アレクサンドラ・ボルティチ、エフゲニー・ツィガノフ、ウラジミール・ヤグリッチ、アレクサンドル・ロバク
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