おすすめ度 ★★★★★★★★★☆
NASAのスペースキャンプに参加した少年少女達が、本物のシャトルでの訓練中に、ふとした事がきっかけで誤って宇宙へと発射されてしまう、緊迫感と冒険心満載の80年代を代表するスペースアドベンチャー!!



作品紹介
1986年7月19日公開
今回ご紹介する作品は、宇宙を舞台にしたスペースアドベンチャー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
NASAの基地に隣接されているスペースキャンプの教官アンディのもとに、今年もキャサリン、ケヴィン、マックス、ティッシュ、ルデイ等、個性的な少年少女たちが集まった。
課題は順調に進められていったが、ある出来事がきっかけで、本物のスペースシャトルでの噴射装置確認作業中に、誤って宇宙へと発射させられてしまうのだった。
そして、突然宇宙空間へと放り出されたアンディと少年少女たちは、地球へ帰還するため、様々な困難に対処していく。

監督は、ローラ・ダーン主演の(殺人保険)や、北村龍平監督作品(ドアマン)(詳しくはこちら)の製作者として知られるハリー・ウィナーで、
ドラマ要素とSFアドベンチャー要素をバランス良く融合した、多くの世代で感情移入しやすい作品世界を演出しています。


大人側の主人公とも言える立ち位置で、子供達を指導する宇宙飛行士アンディ役で、(ブラックレイン)や(インディジョーンズ魔宮の伝説)等の
ケイト・キャプショーが登場し、子供達を率いて行きます。



で、子供達側の主人公とも言える操縦士を目指す少女キャサリン役で、(バック・トゥ・ザ・フューチャー)や(ハワード・ザ・ダック)等の
リー・トンプソンが登場し、危機的な状況で精神的に成長していきます。



で、天才的な記憶力を持つ派手目の少女ティッシュ役で、(ツインズ)や(フロム・ダスク・ティル・ドーン)等のケリー・プレストンが登場し、可憐な魅力を発揮していきます。



で、訓練に潜り込む天才少年マックス役で、本作がデビュー作となった(ジョーカー)や(グラディエーター)等の
ホアキン・フェニックス(当時はリーフ・フェニックス)が登場し、意外に大活躍していきます。




で、アンディの夫でスペースキャンプの責任者ザック役で、(エイリアン)や(トップガン)等のトム・スケリットが登場し、地球側で子供達の問題に対処していきます。



で、親から褒美を貰うためにキャンプに参加したナンパ男な少年ケビン役で、(メンフィス・ベル)や(モンスターフェスティバル)(詳しくはもちら)等の
テイト・ドノバンが登場し、土壇場での決断力を発揮していきます。



で、ミスが多いながらも、土壇場で成長を遂げる少年ルディ役で、(アイアンイーグル)や(BAD 傷だらけの疾走)等の
ラリー・B・スコットが登場し、危機に対処していきます。



そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、かつて宇宙飛行士の夢を叶えるために訓練を重ねながらも、
その夢がかなう直前にメンバーから外れてしまい、挫折を味わった元宇宙飛行士アンディ(ケイト・キャプショー)が、
NASAが実施している、少年少女向けのサマーキャンプであるスペースキャンプの教官として赴任して来るシーンから始まります。

子供相手のインストラクターという事で、宇宙飛行士の夢からは遠ざかってしまった新しい赴任先に、気落ちするアンディですが、
そんなアンディの所に、自身満々の優等生女子キャサリン(リー・トンプソン)や、キャンプに参加すれば、親から車を与えられる、
という条件目的で、全く宇宙に興味がないのに参加したナンパ男ケビン(テイト・ドノバン)、


派手な恰好をして軽そうに見えるけれども、見かけに反して実は、天才的な頭脳を持ち、けた外れな記憶力を持つティッシュ(ケリー・プレストン)、
夢は宇宙で自身の店を開く事という黒人少年ルディ(ラリー・B・スコット)、


そして、毎回のようにスペースキャンプに参加し、ジュニア向けのキャンプは、もう卒業したと勝手に年長者向けのクラスに参加してきた10歳の少年マックス(リーフ・フェニック後のホアキンフェニックス)、
という感じで、個性的な少年少女たちが、アンディが指導するクラスへと集まってきます。


そして、訓練を開始する5人のクラスメイトは、楽しく毎日の課題をクリアして行きますが、ケビンはふざけ半分なためにミッションに失敗し、
キャサリンは無重力での機体の制御が上手くいかず、ルディはミスが多い等、様々な理由で、チームはイマイチかみ合わずことごとく課題に失敗していきます。


そんな中、実は機械オタクで天才的な頭脳を持つマックスは、調子の悪かったお手伝いロボットを修理し、
AI搭載の人間のサポートロボット、ジンクスとして新たな命を吹き込みます。


しかし、ある出来事がきっかけで、いじめられ、自暴自棄になったマックスは、
マックス『もう、こんなところにはいたくない!!、ここではない、もっと遠く離れたところへ行きたいよ!!』と涙を流してしまいます。

その様子を影から見ていたジンクスは、
ジンクス『マックス、フレンド、フォーエバー、、、、、。』
と、自らAIを作動させていきます。

そんな出来事があった数日後、運良く、本物のシャトルのエンジン噴射確認作業の機会を得た5人とアンディは、
ワクワクする期待感を胸に、本物のシャトルへと搭乗し、意気揚々と実際の確認作業を進めていきます。


しかし、それと同時に、本部のコンピュータールームでは、ジンクスが動き始めます。
ジンクス『マックス、フレンド、フォーエバー、、、、、、。』

そして、本人たちを含めた全員が、全く予想していなかった出来事が重なり、少年少女達とアンディだけを乗せたシャトルは、宇宙へと発射される、、、、、!!
という流れが、大体の大筋となっています。



(スターウォーズ)や(スタートレック)、(未知との遭遇)、(E.T.)等、宇宙に関する冒険アドベンチャーが大人気のジャンルとして定着し始めた1980年代、
個性的な少年少女たちを主人公に、青春ドラマ的な要素と、宇宙を舞台としたスリルと冒険要素、さらには過去に挫折を味わった宇宙飛行士に突然訪れる夢の実現等、
色んな要素が上手く溶け込んだスペースアドベンチャーの決定版とも言える作品です。

若干前半の青春ドラマ要素が長めに感じたりもするかもしれませんが、前半でしっかりと描かれた登場人物達の人となりが、
その後の宇宙での出来事にしっかりと活かされていて、問題解決の決め手になったりしますので、実は、何気にそうとは分からないように伏線がちりばめられている上手い演出の作品となっています。

しかも、大人を含めたそれぞれのキャラクターが、ドラマを経ていくうちに、人間としても成長して行く過程もしっかりと描かれていきます。

さらに、80年代という希望に満ちた時代に製作されたため、いきなり少年少女5人と宇宙飛行士予備軍的な大人一人だけで宇宙に打ち上げられてしまう、
という、本来絶望的な状況の中でも、緊迫感よりもまずは、『夢見ていた宇宙に来ることができた。』という喜びが第一に描かれる、
という夢と希望を前面に推し出した演出となっています。

子供達の名演もありますが、大人目線で観ると、宇宙飛行士の夢を実現する直前まで行っていながら、メンバーから外される事になってしまったアンディの、
ついに、夢に見続けた宇宙空間を目にした時の感慨深い表情に、グッときてしまいます。

このケイト・キャプショーの説得力に加えて、当時アイドル的な人気を博していたリー・トンプソンや、
本作以降ブレイクしていくケリー・プレストン、名バイプレイヤーとして大活躍していくテイト・ドノバン、
そして本作でリーフ・フェニックス名義で映画ビューを飾り、その後歌手活動などを経て、ついにアカデミー賞俳優にまで上り詰めることになるホアキン・フェニックスも愛らしい名演技を披露し、
それぞれがドラマを盛り上げる重要な役割を果たして行きます。

緊迫感や悲壮感が薄めなため、ある程度鑑賞すると、ラストの展開までも予測できてしまいますが、それでも、そこに至るまでのドラマがしっかりと積み重ねられているために、
予定調和的なラストにはならずに、ジーンと温かい感動が染み入る気持ちの良い後味が残る作品となっています。


という事で、どの年代でもしっかりと楽しめる娯楽映画の王道的な作品となっていますので、ご家族揃ってご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
残念ながらDVDが廃盤になって久しく、鑑賞のハードルが若干高めですが、、、、。






作品情報
1986年製作 アメリカ製作 SFアドベンチャー
監督 ハリー・ウィナー
出演 ケイト・キャプショー、リー・トンプソン、ケリー・プレストン、トム・スケリット、リーフ・フェニックス(ホアキン・フェニックス)、ラリー・B・スコット、テイト・ドノバン、テリー・オークィン


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