おすすめ度 ★★★★★★★☆☆☆
無骨なロン・パールマンが、初対面の孫の危機を救うため、ハーベイ・カイテル率いるマフィア組織相手に戦いを挑む、舐めてた相手が実は強かった系の、テンポの良いサスペンスアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ロン・パールマンが、無敵のパン職人を演じたサスペンスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
孤独なパン職人パピは、疎遠だった息子が突然姿を現し、用事を済ます間の一日だけ娘を預かって欲しいという事で、初対面の孫を預かるが、
その後、息子は何かのトラブルに巻き込まれ行方不明となってしまう。
孫と共に息子の捜索を開始するが、そのトラブルには、地元を牛耳るマフィア組織が絡んでいて、パピと孫娘にも危険が迫るのだった!?
監督は(リベンジチェイス)(詳しくはこちら)や(エージェントスティール)等、名優をキャスティングした、
テンポの良いアクション作品を製作しているジョナサン・ソボルで、本作でも見やすいアクションドラマを演出しています。
主人公となるベーカー役には、(ヘルボーイ)シリーズや、(エイリアン4)等のロン・パールマンが扮し、
アクションとドラマ面両方で魅せていきます。
で、ロン・パールマンの孫役で、ドラマシリーズ(スタートレック ストレンジニューワールド)や(タイタンズ)等の
エマ・ホーが登場し、物語を引っ張って行く名演を披露しています。
で、その父親でトラブルの火種を作る役柄で、(アバター)シリーズや(シャークナイト)等のジョエル・デビッド・ムーアが登場し、
情けないながらも、娘をしっかりと愛している父親を演じています。
で、その父親を追うマフィアのリーダー役で、(シャッターアイランド)や(ベンジャミン・バトン)等の
イライアス・コティーズが登場し、追い詰めながらも哀愁を漂わせます。
で、追う側のマフィアのボス役で、(レザボアドッグス)や(テルマ&ルイーズ)等の名優、ハーベイ・カイテルが登場し、
圧倒的な存在感で、登場するなり見せ場を攫っていきます。
そんなスタッフ・キャストで製作された本作の物語は、古びたリムジンで、運転手として生計を立てているジョエル・デビッド・ムーアが、
空港に乗客を迎えに行くものの、時間が空いてしまったので駐車場で休憩していると、目の前でギャング団らしき強面達の銃撃戦が始まり、
お互い全滅してしまって、争いの原因になったと思われる【ある物】が入ったカバンを、ジョエルが、まんまとネコババするシーンから始まります。
で、その物によって、大金持ちに成れると浮足立ったジョエルは、母親が病気で亡くなって以来、精神的な影響で口がきけなくなっている娘デルファイを学校に迎えに行き、
そのまま逃避行生活に入るための準備をし、疎遠になっていた父親でパン職人、ロン・パールマンのもとを訪れます。
ロンの方は、息子を心地よく思っていないようで、数年ぶりの再会に笑顔も見せず、初対面の孫も毛嫌いするぐらいの関係ですが、
ジョエルは、どうしても済ませないといけない仕事があるために、1日限定で預かる事になります。
で、微妙な空気が流れる中、暫くお互いを良く知らない祖父と孫の二人だけの生活が始まりまり、ジョエルは一旦自宅に戻ります。
が、ここで、その物の持ち主であるマフィアのボス、ハーベイ・カイテルの部下であるイライアス・コティーズが、
怖そうな部下と共に姿を現し物の返却を迫ります。
で、命の危険を感じたジョエルは、隠れて携帯を操作し、その現場のやり取りを父親に知らせます。
で、息子からかかってきた電話で、トラブルの様子と銃撃音を聞いたロンは、孫を連れて息子の自宅へと行ってみると争った形跡はあるもののジョエルの姿が見えない、
という事で、警察に知らせに行きますが、なにぶん、息子とはかなり疎遠だったので、息子の事を何も知らず、警察にも何も情報提供ができない、
という状況で、警察にもそれでは捜査を進められない、と言われてしまいます。
で、誰にも頼る事が出来なくなったロンは、自らの手で息子を探し出すために、孫を連れながら捜査を開始する、というのが大筋となっています。
物語の流れとしては、(96時間)以降多数製作されるようになった、舐めてた相手が実は強かった系の流れを汲む作品ではあるのですが、
そこに(レオン)や(おじいちゃんはデブゴン)や(マイスパイ)(詳しくはこちら)等の無骨系の強い男と、
可憐でお転婆系少女の、心の交流を描いた作品の要素も取り入れつつ、テンポの良いアクションも描いて行く、という物語を、
ロン・パールマンやハーベイ・カイテル等の多くの作品で活躍している味のある名優が演じる、という部分が見所の作品となっています。
さらに子役のエマ・ホーも口のきけない役柄ながらも、表情で心の移り変わりをしっかりと表現する、という名演を見せていますので、
出会いの遅かった祖父と孫の、気まずい状況から、しっかりと愛情を感じ合う関係になるまでの感情の変化が表現され、
それが物語展開にもしっかりと活かされているために、低予算系規模の作品ながらも、しっかりとドラマとサスペンス、アクションがかみ合った内容となっています。
アクションシーンも、流石に年齢的に超絶アクションという感じではありませんが、上手くカットを割りながら表現したり、
中盤ではリアル系のワンカット(カメラマンがGOPROっぽいカメラでキャストに寄り添って撮影したような珍しい映像)アクション等も登場したりで、
飽きさせない工夫が凝らされていますので、ドラマもアクションもしっかりと楽しむ事ができるようになっています。
お待ちかねのハーベイ・カイテルとの対面シーンは、少々消化不良感がありますが、どちらかというと、物語上は、その部下であるイライアス・コティーズがラスボスに近い役割ですので、
息子の行方が分かり、孫とのしっかりとした絆が描かれるクライマックスシーンに、イライアスとの決着のドラマが重なり、胸にグッとくる終幕となっています。
その後に続くエンディングシーンも、これからの祖父と孫の関係を予感させる非常に良い余韻を残す終わり方となっていますので、
舐めてた相手が実は強かった系の作品好きの方等、ご鑑賞されてみては、いかがでしょうか。
それにしても、(西遊記2 妖怪の逆襲)並みにペラい邦題サブタイトルはイマイチですね、、、。
作品情報
2023年製作 カナダ製作 アクション
監督 ジョナサン・ソボル
出演 ロン・パールマン、エマ・ホー、イライアス・コティーズ、ジョエル・デビッド・ムーア、ハーべイ・カイテル
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