お薦め度 ★★★★★★★☆☆☆
隣の奥さんは魔女!!それに気づいた少年と記憶を消して子供をさらう魔女の戦いを軸に、両親の離婚などのドラマも盛り込みつつ、後半判明する事実に驚愕する!!少年のひと夏の恐怖体験ホラー!!
作品紹介
2021年3月19日公開
今回ご紹介するのは、1000年以上生き続ける魔女と、17歳の多感な少年の戦いを描いたホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
良心が離婚した高校生のベンは、ある夏を父親の元で過ごすために、父の住む町へとやって来た。
ある日、4人の家族が住む隣家の少年、ディロンから、母親の様子がおかしいと相談される。
その日から、夜な夜な隣家を監視するベンだったが、数日後、ディロンは忽然と姿を消してしまう。
不審に思ったベンは隣家を訪ね、父親にディロンの事を尋ねると、『私に息子はいない』と言われてしまう。
しかし、その出来事は、これから始まる悪夢の始まりに過ぎなかった、、。
ひと夏の少年の恐怖を描いたジュブナイル系のティーンホラー作品です。
作品の雰囲気としては、スティーヴン・キング原作の(ITそれが見えたら終わり)や(IT THE ENDそれが見えたら終わり)(詳しくはこちら)や、(ゼイリーチ)(詳しくはこちら)などのような
懐かしい、淡い少年少女時代を描いたような作品に近い内容となっています。
多感な時期に両親の離婚によって人一倍傷ついている少年の繊細な心と、お馴染みのいじめっ子グループとの衝突、
さらに、淡い恋と、新しい親友との出会い、などのティーン特有の題材を上手く物語に溶け込ませながら、少しずづ魔女物語へと無理なくシフトしていく展開となっています。
ティーン向けの青春ドラマとして始まりますが、物語の核心に迫るミステリーの部分は、主人公宅で起こる事件ではなく、隣家の家族に起こった出来事として描かれ、
その出来事を隣の家から双眼鏡で覗きながら、だんだんと事件に関わっていくという流れですので、ヒッチコック作品の(裏窓)のように、
部外者の立場から、少しづつ、事件の中心人物になっていく、という巻き込まれ型のサスペンスものへと展開していきます。
で、本作のメインの部分は、タイトルでもはっきりしているように魔女伝説に関するホラー作品ですので、
隣の家族の奥さんが怪しく、魔女ではないか?とミステリーが深まっていくのがメインの物語です。
その地域では、魔女の伝説があり、その魔女には伝えられている3つの特徴があります。
其の一、彼女は、人間の体を乗っ取り、操ることができる。
其の二、彼女は、記憶を消すことができる。
其の三、彼女は、子供を食い殺す。
この、ルールが、後半の物語に大いに関係してきます。
まず、主人公のベンが隣家の家族を怪しむきっかけとして、幼い少年ディロンが、ある日突然ベンの自宅まで入ってきて、お母さんの様子がおかしい、と訴えてきます。
ベンも怪しみますが、良いタイミングで隣家の父親も帰宅してきたので、少年はそのまま害は無さそうな父親と帰宅していきますが、不審に思ったベンは、その日から隣家を監視していきます。
見れば見るほど怪しい母親なのですが、ある日ついにディロンが失踪してしまいます。
怪しみがMAXに募ったベンは、ディロンの身を案じて隣家の父親を訪ねますが、父親の返答は『私に息子はいない』という信じられない返答です。
記憶が消されている!
という事で、そこから、ベンと隣家の奥さんとの戦いが始まります。
親友となったガールフレンドの協力も得ながら、魔女討伐大作戦へとなだれ込んでいきます。
さらに、この後、この魔女の能力設定を活かした、とんでもない展開へと発展していきます。
サム・ライミが、【最高に面白い!近年で最も怖いホラー】とコメントを寄せているようですが、恐らく、この通常のジュブナイルホラーとして十分魅力的な展開を見せつつ、
特殊効果でおどろおどろしいシーンも見せながら、巧妙に散りばめられた伏線を後半で一挙に回収してく、という物語展開自体に絶賛の声を寄せたのではないでしょうか。
それぐらいに、後半『そうくるか!』という展開が待っています。
あまりに巧妙すぎて、初見では全ての意味が理解できずに、巻き戻して見たら、しっかりと理解できるぐらいに、予想外の展開となっています。
という事で、内容についてあまり多くは書けませんが、ジュブナイルティーンホラーとしてしっかりと楽しめながらも、
後半は意外性に満ちている魅力的な作品ですので、ホラー好きの方や、サスペンス好きの方など機会がありましたら、是非ご鑑賞ください。
最後まで観ると、何故、この物語が自分の家の出来事ではなく、隣の家の出来事なのか?という理由も分かるようになっていて面白いですよ。
作品情報
2020年製作 アメリカ製作 ホラー
監督・脚本 ブレット・ピアース、ドルー・T・ピアース
出演 ジョン・ポール・ハワード、パイパー・カーダ、ジェイミソン・ジョーンズ、アジー・テスファイ、ツァラ・マーラー
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