【推薦レア作品!カンフー映画】嵩山少林寺(少林俗家弟子DISCIPLES OF SHAOLIN TEMPLE)92分

投稿者: | 2022年10月20日

カンフー映画としてのおすすめ度 ★★★★★★★★☆☆

全寮制の少林寺在家弟子たちが、厳しい訓練と戦いの中で、友情を育み、己と向き合い、人として成長していく過程を描いた傑作少林寺アクション!!

作品紹介

1985年8月10日公開

今回ご紹介するのは、全寮制の少林寺在家弟子の成長を描いたカンフーアクションです。

それでは、まずはあらすじから、

家出同然で在家弟子になるためにやってきたチェンを始めとして、中国各地から様々な理由を背負って若者たちが少林寺に集まった。

厳しい修行を重ねる門弟たちだったが、ある日、武術界の頂点を目指す元少林寺の門弟が少林寺に決闘を申し込んだことで、

門弟たちは戦いに巻き込まれていくのだった!?

天山回廊ザ・シルクロード)(詳しくはこちら)等でお馴染みのファン・タンユー主演による青春少林寺作品です。

日本で劇場公開時にはジャッキー・チェン、サモ・ハンキンポー、ユン・ピョウ主演の(大福星)と併映にて上映されました。

前売り拳発売当初は(少林寺物語)という邦題でしたが、公開直前になって(嵩山少林寺)というタイトルに改題された作品です。

理由については謎ですが、(嵩山少林寺)というタイトルを直前に(少林寺物語)に変更したのなら、【嵩山少林寺】自体が実際に存在しますので、

どこかからのクレーム等で名称を急遽使用できなくなった、というなら分かりますが、(少林寺物語)というありふれた問題の無さそうなタイトルで、

しかも既にポスターや前売り券では大きく宣伝もしてしまっている作品名を、直前にわざわざ変更する理由が謎過ぎますが、

今となっては、(嵩山少林寺)の方がしっくるような気もしますので、それはそれで良かったかと思われます。

少林寺物語
嵩山少林寺
劇場パンフレット

そんな、なんとなくゴタゴタしてしまった(大福星)のオマケ扱いの作品ではありますが、これがオマケにしてはあまりにも完成度の高いカンフー作品となっています。

当時、映画館で鑑賞しましたが、正直目玉だった(大福星)よりも感情移入して鑑賞してしまった記憶があるぐらいに熱い作品となっています。

では、何がそんなに熱いのかと言うと、原題タイトルにもなっているように、

本作に登場する若者たちは、他の少林寺作品のような出家して僧侶になっている若者達ではなく、あくまで在家の弟子として、俗世に身をおきながら武術の修練に集まっている、という点です。

修行はし、頭を丸めて同じ格好はしていても、僧侶ではなく、俗世の人間ですので、恋人との一時が描かれたり、

食堂で絡まれると、キレて喧嘩もしてしまいます。

そんな普通の若者たちが集まって、共同で生活し、厳しい訓練や挫折等も経験しながら、人間として一人前になっていく姿が詳細に描かれていきます。

そこへある日、少林寺の元門弟であり、武術界の頂点を目指す孤高の武芸者が少林寺に挑戦しに戻ってきます。

この武芸者が登場する事で、成長過程の門弟たちに、越えなければならない高い壁が出現する事になります。

ですが、少林寺は、いかなる場合も私闘を禁じられているために決して、決闘の申し込みを受け入れる事はありません。

そこで、しびれを切らした武芸者は、若い門弟たちを、一人ずつ襲って痛めつけていきます。

一人また一人と傷つき、倒れていく友たちの姿を見て、ついに主人公のファン・タンユーは全てに決着をつけるために破門覚悟で戦いに挑む、

というのが大筋となっています。

本作が一貫しているのは、主人公達も敵役も、他のカンフー作品のように金銭目的であったり、殺し合いが目的ではなく、

あくまで強くなりたい、相手に勝ちたい、という純粋な思いが根底にありますので、敵役に襲われる門弟も酷い仕打ちを受けますが、

殺される、という描写はなく、相手の闘争心を煽るためにダメージを加えます。

この姿勢が一番現れているのが、クライマックスのラストバトルで、ファン・タンユーと敵役ウォン・チェックの超絶バトルの先には、

武芸を学ぶことの本当の意味がしっかりと描かれています。

なかなかカンフー映画で、このような余韻を残して終幕を迎える作品も少ないのではないでしょうか。

鑑賞後に振り返ってみると、アクションシーンが豊富なカンフー映画にしっかりとなっているものの、どことなく青春映画を鑑賞したような爽やかな気分になれる作品となっています。

そんな傑作青春少林寺映画を監督したのは、まさかの、あの(インフラマン)や、ムーン・リー主演の(野獣神風)、レスリー・チャン主演の(神鳥英雄伝)等を監督したホア・サン

そして、香港映画らしい明るい主人公、チェンを演じるのは(天山回廊ザ・シルクロード)や、出演とアクション監督を兼任した(神龍特技隊)や(杀手情)等、

俳優とアクション監督、そして監督としても活躍しているファン・タンユー

ファン・タンユー

そして、ライバルとなる武芸者を演じるのは、上記(神龍特技隊)や(杀手情)、そして(福尔摩斯与中国女侠)等に俳優として出演し、

原北京体育学院の教師の顔も持つ、ウォン・チェック

ウォン・チェック
福尔摩斯与中国女侠

そして、厳しいながらも心根は人一倍優しい師匠役で、ユン・ピョウ、ジミー・リン、リョン・カーヤン、シェー・ミャオと豪華なキャストが話題になったテレビシリーズ(少林寺传奇2)等で、

現在でも現役で活躍しているチュー・スーユイ

チュー・スーユイ
チュー・スーユイ
少林寺传奇2

そして、主人公の可憐な彼女役を演じるのは、日本でも放映された大人気テレビシリーズ(女医·明妃伝)に出演し、今現在も活躍しているホー・チン

ホー・チン
ホー・チン
女医·明妃伝

そして、一度は少林寺を破門されるも、心を入れ替え、再び修行に明け暮れ、しかし結局、宿敵の武芸者に酷い目に合わされる門弟役で、ハン・ハイフア

痛そうなハン・ハイフア

というように、娯楽要素の高い作品を多く製作している監督の元に、実力と人気を兼ね備えたキャストが集結した作品となっています。

因みに劇中で、ハン・ハイフアが、牛を素手でねじ伏せるシーンがありますが、ハン・ハイフアは実際には中国式の闘牛士が本業ですので、

作中で、本業の技を一部披露した、という貴重なシーンとなっています。

劇中で牛をねじ伏せるシーン
実際に牛をねじ伏せるハン・ハイフア

という事で、少林寺映画、というカンフー映画の王道の題材を扱いながらも、他の作品とは違った爽やかな青春映画の趣もある見やすい作品となっていますので、

カンフー映画好きの方や、香港映画好きの方など、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

面白いですよ。

因みに、本作、日本の映画データベースサイトですと1974年製作となっていますが、本国のデータベースサイトでは1985年製作となっていますので、

完全な間違いだと思われます。

カンフー映画好きの方が観れば分かると思いますが、このアクションで1974年製作というのは、まずありえないと思います。

それと本作の香港公開日が1985年の8月8日で、日本の劇場公開日が1985年8月10日、、、。

ほぼ香港・日本同時公開!!

そういうのも、邦題の突然の変更に関係あるのでしょうか、、、。

作品情報

1985年製作 香港・中国製作 カンフーアクション

監督 ホア・サン 武術指導 ウォン・チェック

出演 ファン・タンユー、ホー・チン、チュー・スーユイ、ウォン・チェック、ハン・ハイフア

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