修行度 🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥
豪華クルーザーで浮かれていた男女7人が経験する恐怖を描いた、全く感情移入できない厭な登場人物しか出てこない、忍耐力を試される言い争いムービー!!自業自得が行き過ぎです!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、豪華クルーザーで沖合にでかけた男女7人が戻れなくなる、というシチュエーションサスペンス作品です。
それでは、まずはあらすじから、
豪華クルーザーに乗り込んで週末のクルーズを楽しんでいた男女7人。
沖での泳ぎを楽しむため、一人、また一人と海へと飛び込む、
しかし、その時ミスに気付かず飛び込んでしまったがために、船上に戻ることができずに、海につかり続けることになる。
海岸から9000メートルのその海域で、地獄のサバイバルが始まる、、、
(オープン・ウォーター2)の脚本家アダム・クルートナーが再び脚本を担当した海での遭難サスペンス作品です。
いきなり言葉悪くあえて言い切ってしまいますが、かなりの胸糞映画です。
個人的にはどんなB級、C級、Z級作品でも、その作品を観ること自体が修行ととらえて鑑賞それば、それなりに楽しめる部分がある、と常々思っていますが、
本作の修行度は、限度を越えているというか、面白い面白くない、優れている優れていない、という以前にとにかく観ている間中、不快感が満載すぎて修行にさえならないような作品となっています。
その理由は色々ありますが、まず一番大きいのは登場人物全員がどうしても感情移入できないぐらいに、他人をののしり、最初から最後まで何も成長せずに終わってしまう、というところでしょうか。
とにかく、最初から最後まで、です。
まず主人公夫婦、夫は比較的まともで唯一感情移入できそうなキャラクターですが、終始主役になりそうで、ならないという位置にいます。
で、妻の方が、問題で恐らく主役の位置にいるキャラクターなのですが、おむつをしている子供がいながら、元カレの誕生パーティーに喧嘩中の夫を連れて参加します。
しかも、そのパーティーはその金持ちの元カレ(かなりのプレイボーイで倫理観もどうかしている系)が所有している豪華ヨットで開催され、
そのヨットにも赤子を籠に入れて連れていきます。
しかも、そんなパーティに参加するのはやめるように提案している夫を責め続ける、という何から何まで感情移入できない主人公となっています。
しかも、この妻、過去に何か災難があたようで、水恐怖症のため、泳げません。
そこまでして、このパーティに参加する理由が全く分かませんが、そこが本作の胸糞映画としての真骨頂です。
とにかく登場人物に感情移入できません。
で、昔の仲間が集まって、さらにそこにプレイボーイ元カレの今の彼女(恐らく出会って数時間ぐらい)も登場して7人でグルーズに出かけます。
で、沖合に出ていよいよサバイバルか?と期待するも、全く事件事故らしきことは起きず、する事といえば、プレイボーイが主人公夫婦の妻が赤子をあやしている最中に言い寄ってきたり、
その行為に当然腹を立てている夫に妻が『もっと仲の良い夫婦と思われるように努力して!』と逆ギレする、という倫理観でどんどんと感情移入が削がれていきます。
こんなやり取りをしながら、イライラする事40分、事件は全く起きません。
で、皆騒ぎつかれて、海に飛び込みだします。
沖合ですが、ちょっとだけなら大丈夫という事で、次々に飛び込むメンバー。
で、プレイボーイから誘われてある程度良い雰囲気だった幼い子供を持つ母親主人公も、やっぱり、不倫は嫌だ、という事で甲板に逃げていきます。
で、この二人を残して全員海に入ったところで、このプレイボーイがまたトンデモない行動に出ます。
嫌がる母親主人公を無理やり強引に押し寄せて海に突き落とします!!
水恐怖症で泳げない女性を海に突き落とす!!
プレイボーイ曰く、克服するためには、それぐらいしないとダメ、という全く理解できない言い分です。
で、自らも海に飛び込み、全員海に入った状態になります。
ここまでが40分。
全く事件は起きていません。
サメも来ないし、怪我人もいません。
舟艇に穴が開いているわけでもありませんし、テロリストに攻撃されているわけでもありません。
では、何が起こるのか?
梯子を降ろし忘れている!!!
梯子を海面に降ろしていないので、船上に上がれない!!!
最後に二人が残っていたので、皆安心していて、まさか梯子を降ろさずに、プレイボーイがふざけて自分も海に入るとは思っていなかったんです。
こんなパニック作品みたことありません。
さんざん主人公たちの厭な部分を見せられた上に、梯子を降ろし忘れたので、海から上がれなくなる、というサスペンスです。
途中、サメかも?という出来事もありますが、そちら方面にはまるで掘り下げることなく、この後、このメンバーはお互いを罵り合います。
極限状態なのはわかりますが、感情移入できない人間性のメンバーばかりですので、とにかく他人のせいにし倒して、
最終的に誘ったプレイボーイが全て悪い、という事になります。
それは、そうですが、嫌がっているのに無理やり連れてこられたのではなく、さっきまで乗り気で全員盛り上がっていたので、自業自得です。
登場人物たち全員が、そうは思わないのが本作の胸糞映画たるゆえんで、とにかく全て他人のせいです。
しかも赤子は船上で眠っている状態なので、その事も心配になります。
で、ここからずっと海に浮かんだまま、どんどんと精神的、体力的に追い込まれていって、酷い状態になっていくのですが、
色々ためしてもどうしても上がれません。
船の腹をみていると突起や、凹凸があるので、どう見てもなんとかなりそうですが、どうにもなりません。
だったら、チラチラと見切れている凹凸を映さないで欲しいところですが、それでも映るのが本作の、、
という感じで、時間は過ぎてい行き、後半まさかの船上でなっているスマホをメンバーの一人が何故かゲットする、というウルトラ技が炸裂するシーンがありますが、
どうやってとれたのか、はっきりと映してくれないので、手を伸ばしたら取れたようにしか見えません。
だったら、上にあがれそうですが、でも上がれないのが、本作の、、、。
で、後半ある方法を使って劇的な展開を迎えることになりますが、何故、その方法が通用するのかもはっきりと映してくれないので、良く分かりません。
大事なところは映してくれないのに、映さない方が良い凹凸はずっとしっかり映っているのが、本作の、、、
で、ラストは、自身の目を疑うようなシーンで終幕となります。
とにかく、厭な人物は厭なまま、反省も、見せ場もなく、勝手に脱落してく、という何を目的に製作しようと考えたのかがはっきり分からない作品ではありますが、
もし、とんでもなく厭な気分にさせたい映画を製作する、という意図があるなら大成功としか言いようがありません。
逆にそういう意図なら、かなりのリスキーな題材に挑戦した骨のある製作者といえそうですが、個人的には極限の状態に置かれた人々の心理状態を描く、とかそんなことだろうと思われます。
そんな心理描写以上に、不快感が大きく勝っている事には全く気づいてないとしか思えないです。
個人的に90分の作品でここまで長いと感じたことのない作品でした。
物凄い破壊力ですので、もしご興味のある方はとりあえず、ちょっとだけ観てみてください。
で、大丈夫そうなら続きを観る、という感じでの鑑賞をお勧めします。
途中で厭な気分になってしまったら、勇気を持って鑑賞を止めても良いと思います。
本作は、そういう作品です。
作品情報
2017年製作 ポルトガル製作 サスペンス
監督 セルジオ・グラシアーノ 脚本 アダム・クルートナー
出演 ダニア・ネト、アフォンス・ビメンテウ、ダリラ・カルモ、ディオゴ・アマラル
その他の海が舞台のサスペンス作品
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