【修行!カンフー映画】仁義なき遊戯~十人の刺客~(十大殺手/殺手剋星10 MAGNIFICENT KILLERS)89分

投稿者: | 2025年9月30日

修行度 🔥🔥●●●●●●●●

状況説明は台詞だけでササっと済ませ、ほとんどのシーンを、ゆるめのカンフーアクションで埋め尽くされた、卑怯な殺し屋という感情移入しにくい主人公が活躍する、物語の停滞感がもの凄いカンフーアクション!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、ただただ殺し屋と殺し屋の戦いが描き続けられるネバーエンディングカンフーアクションです。

それでは、まずはあらすじから、

武術の達人リーは、養子のジャンを鍛え巡査頭に着任させようとしていたが、同じ頃ライバルの殺し屋組織が動き始めていた。

因縁のある殺し屋レンとトーは、お互いの命を狙っていたが、トーは弟子のシャオリーを一人前の殺し屋として育て、襲い来る刺客と戦わせるのだった!!

監督・脚本、そして警察官役で出演もしているのは、(嬌妻四艷鬼)や(艷降勾魂)等の三級片を監督しているフォン・ヤウで、行き当たりバッタリな物語を演出しています。

フォン・ヤウ

主人公となる青年殺し屋役で、(迷拳三十六招)(詳しくはこちら)や、(非情のハイキック)(詳しくはこちら)等の

チャン・リーが登場し、主人公なのに悪人、という珍しい役柄を演じています。

チャン・リー

で、その育ての親兼師匠役で、本作の武術指導も担当している(女カンフー魔柳拳)(詳しくはこちら)や

ドランクモンキー酔拳)等のサン・カイが登場し、珍しくカンフーを指導する役柄を演じています。

サン・カイ

で、主人公達師弟の宿敵となる殺し屋組織のボス役で、(燃えよドラゴン)や(蛇形醉歩)(詳しくはこちら)等の

ヤン・スエが登場し、ラスボスとして激闘を展開します。

ヤン・スエ

で、新任の警察官役で、(黃飛鴻四大弟子)や(廣東十虎)等のチュー・チーミンが登場し、後半にはチャン・リーと激突します。

チュー・チーミン

で、ヤン・スエの右腕役で、(死霊のニンジャ)(詳しくはこちら)や(クローン人間ブルース・リー)(詳しくはこちら)等の

チャン・タオが登場し、主人公達に襲い掛かります。

チャン・タオ

そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、警察官の二人が、殺し屋組織を壊滅させる作戦を練っているシーンから始まります。

で、まずは【誘い込み作戦】という作戦を実行しているようですが、実際にはどういう作戦なのか説明もなければ、

それを匂わせる描写もありませんので、何か良く分からないうちに、【誘い込み作戦】は終了し、今度は【共食い作戦】を実行して行く事になります。

これは、ライバル関係にある殺し屋組織を同士討ちさせる、というシンプルな作戦ですので、それなりに分かり易く、

ここからメイン展開である新米殺し屋チャン・リーとその師匠サン・カイの師弟コンビVSヤン・スエと10人の部下の殺し屋たちの戦いが、延々と描かれていく事になります。

因みに、ボスのヤン・スエ自体は、後半まで姿を現しません。

もう、この冒頭いきなりの物語設定や人物を説明するシーンを全て台詞だけで済ませる、という描き方で嫌な予感がぷんぷんしますが、

案の定本作、全編に渡って非常に説明不足が過ぎる作品で、いきなり誰が誰かも分からない状態での会話内の固有名詞連発で、名前を覚えておくのも難しいですが、

この台詞内で登場した人物も、そこから暫く登場しませんので、誰と誰がどういう関係なのかさっぱり理解できません。

で、さらにややこしいのは、サン・カイ師匠と弟子のチャン・リーの修行シーンの合間に、突然チャン・リー達と同じように

警察側の新任巡査役のチュー・チーミンが、先輩警察官(師匠)にカンフーを指導してもらっている訓練シーンが挿入されますので非常にややこしく、

名前も覚えきれていない中で、二つの殺し屋組織の戦いと警察チームの訓練がブツ切りで交互に挿入され、

さらにその合間に、チャン・リーが警察チームの師匠を襲うというシーンも唐突に挿入されますので、誰が主人公で、どこの組織と戦っているのか?

等、物語を楽しむ上で必要な要素がイマイチ把握できないままに物語は強引に進んで行きます。

しかも、チャン・リーチームは正義の味方ではなく、殺し屋という悪人組織の人間なので、殺し屋同士の戦いには、刃物に毒を塗るのは当たり前、

敵の殺し屋一人に対して二人がかりで、サン・カイが敵を羽交い絞めにして、動けないところをチャン・リーが刃物で貫いたり、

サン・カイと敵が戦っている所を、後ろからチャン・リーが毒塗りナイフを投げて背後を狙ったり、という感じで、

非常に薄汚いアクションが目白押し

となっています。

一方、警察側のチュー・チーミンは、非常に清潔感はあるのですが、風貌やアクション等、非常に薄味でパッとせず、

身長が高いという事も伴って、もっさりとしたイメージの一応ヒーローとなっています。

そんな調子で、非常にパッとしない流れの中、物語展開自体は特に意外な展開があるわけでもなく、終幕直前まで、

とにかく10人の殺し屋と主人公達殺し屋師弟コンビの戦いが延々と描かれていきます。

で、最後の最後に、それまでの流れ(といっても大した流れではありませんが、、、)をぶち壊すような大どんでん返しがあり、

どう受け止めて良いのか分からないうちに、やっぱりブツ切りのようなエンディングを迎える事になります。

ヤン・スエ登場で、急遽考えたような大どんでん返しあり

という感じで、始まりから終わりまで、強引な物語展開の作品ですが、これでカンフーアクションに見所があれば、カンフー映画の場合、それなにり楽しめたりするのですが、

サン・カイ、チャン・リー、フォン・ヤウが武術指導(要するにそのシーンの出演者がそのまま思うままに、その場でササっとアクションを考えたのだと思われます)の本作のアクションは、

他の有名カンフー作品のように武術家同士の命の削り合いのような熱いアクションシーンとは一味違い、

全てのアクションが、なんとなく消化試合のようなパッとしないアクションで統一されてしまっています。

という事で、誰が誰と戦って、誰が善人で誰が悪人かも理解しにくく、さらに殴る蹴るの単純な繰り返しアクションを10回分観る事になる、

という観ても観ても物語が先に進まない、負のスパイラル感の強い作品ではありますが、カンフーアクションシーンの多さに関しては盛沢山な作品となっていますので、

香港映画好き、カンフー映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

1977年製作 香港製作 カンフーアクション

監督・製作・脚本 フォン・ヤウ 製作 アレックス・ゴウ 武術指導 サン・カイ、フォン・ヤウ、チャン・リー

出演 チャン・リー、ボロ・ヤン、サン・カイ、チュー・チーミン、チャン・タオ、ソン・ガムロイ

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