修行度 🔥●●●●●●●●●
突然すぎる台風にバスの乗客たちが絶えず、いがみ合い、罵しり合う、極端な上映時間の短さのため、人間ドラマの厭な部分のみが強調されたコンパクトディザスターパニック作品!!
作品紹介
インターネット配信専用作品
今回ご紹介するのは、中国製作のディザスターパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
中国南東部に過去最大級の巨大台風が上陸した。
田舎町を出発していたバスは台風に巻き込まれ吹き飛ばされてしまう。
しかし、奇跡的に崖の中腹に引っかかったため、なんとか転落は逃れていた。
元救助隊員だったバスの運転手は、乗客を助けるために早速行動を開始する!?
中国製ぼディザスターパニック作品です。
邦題は(ハリケーンマックス超破壊)、原題は(終極台風)という事で微妙にニュアンスが違いますが、
ハリケーンやサイクロンと台風の違いは、基本的には発生する場所による違いのようで、アジア圏で発生した場合は基本的には原題にあるように台風と表現するようです。
本作は中国が舞台ですので、当然原題のように台風という表現が正しいのですが、そこをハリケーン、しかもマックスと付けるところに配信元のハッタリ感があって良いのではないでしょうか。
個人的には原題の(終極台風)そのままの方が、逆に迫力が伝わって良いような気がしますが、、。
で、内容ですが、例によって75分と短い作品ですので、至ってシンプル、開始早々にバスに様々な個性的すぎる登場人物が乗り込んできて、
正義感の強い主人公バス運運転手とヒロインの乗客を乗せて目的地に出発します。
で、濃すぎるキャラクターをアピールしつつ、さっさと台風に襲われて速攻で吹き飛ばされます。
英雄運転手はまるでカンフー映画の主人公のように、『いやぁぁぁぁー----っ!』(嫌、ではなく、カンフー映画の気合の一発を入れる時のような掛け声です)
と気合を入れてアクセルを踏み込みますが、当然そんな事で台風にかなうはずがないので、バスは蛇行しながら崖の方へと飛ばされていきます。
で、もう駄目かと思ったら、崖の中腹あたりで、バスが奇跡的に引っかかってなんとか助かっている、という阿保みたい、奇蹟的な状況でなんとか助かります。
で、ここからメインの展開へと突入していくのですが、このぐらぐら揺れるバスの中で、早速乗客たちのいがみ合いが始まります。
成金太め、ピエロ、ガリ勉小学生とその母親、太めのyoutuber、自分最優先のカップル、漁師、ヒロイン、
という感じで短い上映時間に見合っていない数の個性的なキャラクターが登場し、とにかくいがみ合いを始めます。
で、突然(本来は突然ではないはずですが)の自然災害にも関わらず、災害に恐れ慄くというよりも、怒りの矛先を運転手へと向けて、
全員でよってたかって主人公を責め立てます。
とにかく、子供とヒロイン以外は全員厭な性格なので、一方的に無茶苦茶な責め方をします。
この厭なキャラクター、勿論ハリウッド作品などでも登場しますし、その存在によってドラマのサスペンスが盛り上がりますので、
必要悪ではあるのですが、最近の中国作品の場合、その加減がどうもやり過ぎのパターンが多く、観るに堪えないというか、
鑑賞するのが嫌になってしまうレベルの厭なキャラクター付けがされている事が多く、しかも、大概そういうキャラクターは反省して改心する、
という事もありませんので、本当に厭な気分だけを残すような物語に負の要素しか残さないようなパターンが多かったります。
本作に登場する個性的すぎる登場人物たちも、かなり自分勝手で、他人を責める事しかしないので、後半盛り返そうとしているような描写もありますが、
前半のマイナスを取り戻すには遠く及びませんので、やっぱり厭な気分だけが残る展開となっています。
で、そんないつ退場してもおかしくないような行動を取る乗客たちですが、ヒロインが、主人公の彼は先日まで救助隊員として勤務していたけれども、
負傷して、そのまま勤務できなくなってしまったので、今は運転手をしている。
なので、彼は他人を優先的に救出する英雄的で立派な人間だ、という個人情報を大公開します。
ただ、突然の激白に通常ならびっくりしますが、全員自分が助かることしか考えていない乗客たちなので、そういう情報を聞いた途端に主人公に頼りだし、
今度は、早く救出してくれ、と言いだします。
ずっとそんな調子で、主人公が道を切り開き、いがみ合いながらその後に乗客が続く、というパターンになっていくのですが、
まずは、このバスから脱出するのに、ロープを持って屋根に上り、崖の上まで行って、そこからロープを垂らして乗客を一人づつ引っ張り上げる、
というかなり緊迫した状況での微妙な行動に移っていきます。
勿論、この場合も主人公が崖にへばり付いて、類まれな身体能力で崖の上へと昇っていきます。
ただ、、、
この崖を単独で登る重要なシーン、、、
作品の見せ場となるぐらいのシーンで緊迫感も高まりますが、、、
これが、まさかの武侠映画のようなワイヤーでぶらんぶらんに吊られまくるワイヤーアクションとなっていて、
重力無視のジャンプなども平気で挿入してきます。
リアルな命のやり取りのある災害映画と吊られワイヤーアクションは全くかみ合いませんので、一挙に非現実感(ずっとですが)が高まり、
『あ、この映画は主人公は絶対死なないんだな』
という事が分かってしまいます。
で、その後しっかり他の乗客も崖の上まで到達する事ができ、崖の奥へと非難していきます。
ここまでで、上映時間45分、全体で75分の作品で、です。
その後は、どうなるのかと思っていると、台風の風圧が上がってきているので、どこかに避難しないといけない、ということで
たまたま見つけた地下豪のようなところに潜り込みます。
で、なんとか事なきを得たと思たら、地震による落石で、入り口が塞がれてしまい、万事休すというところで、
死を覚悟した嫌みメンバーの大反省会が始まります。
前半の厭な展開を取り戻す、という意味合いなのだとは思われますが、やはり挽回できるほどではない、というより前半の酷さに、
既に抱いてしまっている、観ているこちら側の嫌悪感を帳消しにできるほどの反省ではありませんので、
全然心に響きません。
で、その後、もうだめかと思っていた生き埋め状態もあっさり解消され(75分なので)、別の建物に避難すると、その建物の屋根がはがれて、
いよいよ本格的なハリケーンがマックスになり、超破壊が始まる!
という展開になっていきます。
ラストはとってつけたようなエンディングと何故か仲良くなっているメンバー(何をきっかけに仲良くなったのかわかりません。途中、殺し合いをしていたので。)が、
楽しそうにしているシーンで終幕、、、、、と思いきや、
まさかの後日譚として、その後のメンバーがカメラに向かって、
『俺たちはその後楽しくやっている、あの時は大変だった。』
のようなインタビュー(?)映像がおまけ的に流れますが、誰一人感情移入できないキャラクターのその後のエピローグほど、おまけ要素の薄い映像はありません、、。
蛇足!
という事で、ハリウッド製ディザスター作品には遠く及びませんが、75分と短い作品ですので、何かの合間の隙間時間にでもサクッとご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
個人的には結構楽しめた(ライズ・オブ・レジェンド)(詳しくはこちら)のドン・ウェイ監督作品なのですが、、、
次回作に期待です。
作品情報
2020年製作 中国製作 ディザスターパニック
監督 ドン・ウェイ
出演 リー・グオ、チェン・イェリン
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まぁくさん、こんにちは。「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原です。
今回の映画「ハリケーン・マックス 超破壊(終極颱風)」の紹介文を読んで、大笑いしました!漁師が網を持っているとか、崖を登る場面でワイヤーアクション風とか、最高ですねえ!(いろんな意味で・笑)
いつもまぁくさんの文章は読みやすくて上手いなあと思うのですが、今回は特に筆も冴えていてノリノリですねえ。
たしかに中国のパニック映画は、どこか泥臭いというかあか抜けないんですよね。そこが魅力でもあるんですが、今回の映画のように後日談を付け加えてしまうのはハリウッドでは考えられない阿保らしさ…じゃなかった丁寧さですね。
【 追伸1 】
最近、買ったまま放置していた「サボテンブラザーズ」と「裸の銃を持つ男」と「フェリスはある朝突然に」を、何十年ぶりかに見直したんですよ。これって、世代的にまぁくさんもたぶん観ていますよね?
で、「サボテンブラザーズ」と「裸の銃を持つ男」は初見と同じように楽しめたんですが、「フェリスはある朝突然に」は……今観たらメチャクチャな映画ですよね?そんなに面白くないし・・・(苦笑)
【 追伸2 】
以前に観る予定リストで紹介されていた「炎の少女チャーリー」は観られましたか?もしも観たのならぜひ感想を教えてください。気になってるんです。
じつは僕は前作(ドリュー・バリモアのやつ)も見逃しているんですよ~。(DVDなんか高価でビックリしますよ) よかったら、オリジナル版の感想も教えてくださーい。
S原さん、こんにちは!いつもコメントありがとうございます!今回ご紹介させて頂いた(ハリケーンマックス超破壊)は、それは、それは、なかなかの作品でした!かなり短い作品なのにキャラクターの個性が大渋滞していて、矛先が全部主人公に向かう、というトンデモぶりで、最初から最後まで作品自体がハリケーンマックスな内容となっていました(笑)。私の文章は拙いですが、ハリケーンマックスな内容の作品に限って、逆にノリノリになってしまう、ような気がしています(笑)。そういう作品をわざわざ狙って鑑賞している、という事はないのですが、中国系の作品を鑑賞していると、正直遭遇する事は多いですね(笑)80年代90年代作品、良いですよね!特に(裸の銃を持つ男)は大好きなシリーズでした!レスリー・ニールセンのあのとぼけたお笑いが良いですよね!(炎の少女チャーリー)は、一応前作をおさらい鑑賞はした(以前からBDを所有していました。いつのまにか廃盤になっているようですね)のですが、まだ新作の方が鑑賞できていませんので、もし鑑賞できればまた、ブログの記事でご紹介させていただきます!