【修行映画!】ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ(BODIES BODIES BODIES)94分

投稿者: | 2023年4月5日

修行度 🔥🔥●●●●●●●● 

無軌道系の若者達が、人狼ゲーム的なゲームの果てに辿り着く地獄のような惨劇を描いたA24印全開のサスペンスホラー!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介する作品は、A24が製作したサスペンスホラー作品です。

それでは、まずはあらすじから、

ハリケーンが迫りくる山奥の邸宅に、富裕層の7人の若者が、パーティをするために集まった。

やがて夜が訪れ、嵐が目前に迫る中、雰囲気を盛り上げるため、(ボディーズボディーズボディーズ)という殺人犯探しゲームが開始される。

各々がゲームを楽しむ中、メンバーの一人が実際に命を落としてしまった事で、本当の犯人探しが始まる!?

アメリカの批評家から絶賛を受けたスラッシャーホラー作品です。

いわゆるZ世代を描いた新時代のスラッシャーホラーという事が売りのようで、さらにそれを話題のA24が製作している、

という事で、独特の雰囲気の作品となっています。

基本的には、【ボディーズボディーズボディーズ】という人狼ゲームのような殺人ごっこゲームを描いた作品で、

予想通りに、ゲーム中にメンバーの一人が本当に殺されてしまい、【殺した犯人は誰だ?】という展開になっていく、

という本筋はオーソドックスなスラッシャー系のサスペンスなのですが、その王道展開をA24が独特の感覚で、

Z世代をメインキャストに迎えて描く、という部分で非常に特徴的な作品になっています。

冒頭の富裕層のティーンエイジャーが、再会を祝いながらパーティを楽しむ、という段階では、全員が仲良しというわけではないが、表面上はそれを出さないようにしている微妙な人間関係や、

断続的に激しくなったり、治まったりする本格的な嵐の予感、それに伴う停電など、ちょっとした不安感の煽り方や、

それぞれのキャラクター紹介等のテンポも良く、そこから本題のゲームに入っていくまでで、なかなかのサスペンスを予感させる、期待感の高まる出だしとなっています。

パーティなピープルながらも、少しだけ微妙な関係

ただ、ここから、いざ、メンバーの一人が命を落として(犯人は誰だ?)という展開に入ってしまうと、本作独特の世界観が全開になっていきます。

要するに、本作はスラッシャー展開そのものを描く、というよりも、嵐の影響で、電波が届かなくなってしまった山奥の別荘、という閉ざされた空間で、

Z世代がパニックを起こして、いがみ合い、さらに直前に犯人探しのゲームを行っていたために、疑心暗鬼が広がって、

地獄のような惨劇に発展していく、というスラッシャーというより(遊星かの物体X)のような疑心暗鬼サスペンスに近い内容となっていきます。

スラッシャーホラーを期待(している人がほとんどだと思われますが)すると、とんだ予想外の展開ですが、

個人的には、その部分よりも、そのZ世代キャラクターの描き方が、なかなかの曲者で、そのクセが凄すぎる人物描写が原因で、中盤以降はなかなか修行覚悟のいる内容と感じてしまいました。

一人、完全な大人世代が混ざっています。

これもA24ならでは、という感じではありますが、まずはアカデミー賞を獲得した(えぶえぶ💛)でも言えることですが、

必要以上にジェンダー要素が入っています。

もう、開始早々からのアピールが凄く、とにかく主人公クラスの二人の女子のラブラブぶりアピールぶりが物凄いです。

えぶえぶ💛)では人種問題ジェンダー要素を含めながらマルチバースでまとめて多様化を描く、みたいな事が評価されたようですが、

本作でも、たった数名のパーティ参加者の中にしっかりとジェンダーカップルが入っていて、めちゃくちゃ目立ちます。

そういう要素を描くのも必要だとは思いますが、とにかくA24作品は、そういう部分を必要以上に推していきます。

さらに、本作に登場するZ世代は、とにかく協調性が無く、定期的にパーティを開くぐらいの仲なら結構親しい友達のハズなのに、まるで相手を信用せず、

相手の意見を絶対に聞きません。

前半のパーティ部分でもそんな一面が垣間見れますが、パニック展開になってくるとその暗部が加速しまくって暴走してしまい、

全員とにかく大声で、相手を責めてばかりで、人の意見を受け入れたり、何かを反省したり、学んだりという事が一切ありません。

犯人は誰だ?

全員、無理問答!!

で、散々いがみ合っている間に次ぎから次へと犠牲者が続出する、という展開になっていきます。

中盤以降はずっと、全員がいがみあっていて、感情移入できるキャラクターが一人もいなくなっていってしまいます。

登場人物に感情移入ができなくなってしまうと、『危ないっ!』とか、『逃げろっ!』とか、『そっちに行ったら、殺人鬼がいるかもっ!』というような感情は鳴りを潜め、

犠牲者が増えても、嫌みなキャラクターが一人減った、ぐらいにしか感じることができなくなってしまって、

結果的にサスペンス映画に一番必要なドキドキ感やハラハラ感は、ほとんど感じられなくなってしまうという負の連鎖に陥ってしまいます。

要するにサスペンス映画を観て怖がる、というより厭なキャラクターが犠牲になるシーンをただたた見ている、という感じでしょうか。

一応、その後に、捻りの効いた、ちょっとユニークなオチがあったりするのですが、そこに辿り着くまでのいがみ合いが不快すぎて、

そのぐらいのオチでは挽回できない、程度のオチですので、劇場公開やDVDソフトリリースも見送られて配信のみでお披露目となったのも、うなずける内容となっています。

アメリカでは評価されているようですので、理解できない=古い人間、もしくは、感情移入できない若い世代が、命を落としていくサスペンス映画、

と開き直って言われればそれまでですが、多くの人が楽しめるような内容、というわけではないのではないでしょうか。

という事で、なかなかの個性的な内容ですが、話題のA24製作の作品ですので、そういった作品がお好きな方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

作品情報

2022年製作 アメリカ製作 サスペンスホラー

監督 ハリナ・ライン

出演 アマンドラ・ステンバーグ、マリア・ハカローヴァ、ピート・デヴィッドソン、リー・ペイス

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