修行度 🔥🔥🔥●●●●●●●
(少林寺三十六房)のリュー・チャー・フィー、(秘法睡拳)のリョン・カーヤン、(ヤングマスター師弟出馬)のリリー・リー出演という燃える出演陣ながらも、期待のスター達はほとんど活躍せず、刑事アクションとも言い難い犯罪者たちメインのアクションドラマ!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、リュー・チャーフィーが刑事役で登場する、(一応)ポリスアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
暗黒街のボスによって父親を殺された3人の若者が、18年後に復讐のために結集した。
着々と復讐計画を進めていく3人だったが、同時に組織では内部抗争が勃発していて、多くの刺客がボスの命を狙う事となるのだった。
そんな混沌とした暗黒組織に、今度は、警察の特殊部隊の捜索の手が延びるのだった!?
リュー・チャーフィー、リョン・カーヤンという二大カンフースターが共演した刑事アクション作品です。
さらにリリー・リーも加わって時代劇ではない現代で火花を散らします、、、が、、、
しかし、英語タイトルにもなっている(VENGING TRIO)はこの動けるレジェンド三人の事では無く、他の若手(当時)三人組の事を指しています。
その若手三人組を演じるのは、ジャッキー・チェン主演の(新宿インシデント)や、ジョニー・トー監督の(フルタイムキラー)等でも活躍するテディ・リン、
ショーブラザース製作(書剣恩給録)等の出演や、製作者側でも活躍しているラウ・シウクワン、
唯一、警察職員でありながらも、二人と復讐を進めるチョウ・ユンファ主演の(地下情)や、サモ・ハンキンポー監督のオールスター映画(上海エクスプレス)等に出演しているエレイン・チョウ
そして、ゲスト出演ながらも、印象を残す役柄にリリア・チョウ、
という、当時売り出し中の若手メンバーがメインで活躍する物語となっています。
で、そんな本作ですが、日本版のVHSでは(少林寺への道)のジョセフ・クー製作となっていて本編でもジョセフ・クー製作と表記されるのですが、
本国のベータベースではリュー・チェンクー製作となっていますので、恐らく実際の製作者はリュー・チェンクーだと思われます。
はっきりとは分かりませんが、ジョセフ・クー自体は、後ほど本作の権利を獲得した、等ではないでしょうか。
さらに日本VHS版では、表記がありませんが、その本国のデータベースによると、実際の監督は(カンフーハッスル)(詳しくはこちら)等のユン・チウと表記されています。
で、そのデータベースを見てみると同年に(天使行動)のムーン・リー主演で製作された(キラーエンジェル殺戮の天使たち)(詳しくはこちら)も製作していて、
そちらもリュー・チェンクー製作で、出演者も、リュー・チャーフィー、リョン・カーヤン、ラウ・シウクワン、ユン・キンタンと同メンバーで、
さらにそちらの日本盤VHSも、本国データベースには表記されないジョセフ・クオが製作となっていますので、恐らく海外向けにジョセフ・クーによって手を加えられたバージョンを、
ジョセフ・クオ製作と表記を変えて、日本にセールスされたのではないでしょうか。
日本版のVHSは2作品同時期に同じバンダイからリリースされていますので、この2作品は、恐らくセットで権利を購入した作品だと思われます。
ただ、本作の本国データベースでの監督表記が、ユン・チウとなっているのだけは良く分かりませんが、、、。
本当にユン・チウが監督したのでしょうか、、、。
という事で、扱いが雑な本作の物語は、これが作品の扱い同様に、雑な展開の作品となっています。
まず、さえないおじさん三人が金品欲しさに香港マフィアの裏金を強奪し、あっという間に捕まって捧腹を受けて殺害され、その妊婦の妻たちが、何故か『18年後に復讐してやる!』
という言葉と共にその成長した子供達が生きる現代(当時)の物語が始まる、という事で、暗黒街の世界のリベンジストーリーとして始まります。
で、その子供達が、律儀にリベンジをこなすうちに、その事件を捜査する刑事役でやっとリュー・チャーフィーが登場します。
登場するなり主人公のような活躍を見せますが、決して物語を引っ張っていくような役割ではなく、完全に一人の登場人物としての活躍です。
で、三人が復讐を狙うボスも、18年が経過していますので、勿論高齢化が進み、息子が成人していて、悪事を含めて組織の事は全て息子に任せていますので、
結局冒頭の因縁に直接絡む登場人物は、ほとんど画面には登場せず、今初登場の若手ばかりが、自身が生まれる前の血縁者の因縁を背負って火花を散らす、
という、まるで乗り切れない状況で、メインの展開へとシフトしていきます。
しかも、冒頭の冴えないおじさんパートは、意外に10分以上もありますので、冴えない映像をいきなり10分間見せられた後にリセットしてのリスタート、という感じですので、
多くの人が、鑑賞し始め冒頭から出足払いを喰らわされる構成となっています。
で、さらにメインに突入後も、大ボスっぽく登場するリョン・カーヤンは、三人が狙うボスではなく、三人が狙うボスのライバルボスの一人、
というなんともハズした設定で、暗黒街のボスの内部抗争に割り込む形で争いに参入していきます。
で、そのボスも結局は息子に囲われて、隠れ家のようなところに引き籠り、ボスの息子と復讐者三人が争っている所に刑事リュー・チャーフィーとリリー・リーが割って入る、
という感じで、常に主役がコロコロ変わって、最終的に誰が何のために、何をしているのか?さえ、見失うような作品となっています。
なんとなく、この辺のややこしさも、取り直し等を加えた結果ではのではないでしょうか。
少なくとも冒頭のシーンは完全に本編とは違う時間枠で、そのシーンの終わりが18年後の復讐を予言して終える、
という物凄く無理矢理感漂う切り替わりとなっていますので、全体的な継ぎはぎ感をさらに高めています。
この辺の雑な感じも(キラーエンジェル殺戮の天使たち)と二本撮りで、撮影したような製作体制が伺えます。
後半へと物語が進むにつれてリュー・チャーフィーの存在感は無くなり、完全に若者3人の物語となってしまいますが、
途中一応リュー・チャーフィーとリョン・カーヤンの対決や、リリー・リーのちょっとしたアクション等もありますので、
現代劇アクションで、この3人のアクションを見れるという非常にレアな作品とはなっています。
という事で、VHSジャケットのイメージと実際の内容の違う作品ではありますが、それでも当時の香港映画の勢いを感じる事ができる作品となっていますので、
香港映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに、VHS背表紙には、
とありますが、リュー・チャーフィーが主演しているのは(少林寺三十六房)です。
作品情報
1989年製作 香港製作 ポリスアクション
監督 ユン・チウ/リュー・チェンクー 製作 リュー・チェンクー
出演 リュー・チャーフィー、リョン・カーヤン、リリー・リー、リリア・チョウ、エレイン・チョウ、ラウ・シュウクワン、テディ・リン、キングダム・ユン
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