おすすめ度 ★★★★★☆☆☆☆☆
大人気のシュー・トントン主演のスナイパーアクション、、、、ではなく、人身売買組織に戦いを挑む元スナイパーの孤独な戦いを描いた格闘もあるヒロイック系ガンアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、シュー・トントンが出演しているガンアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
特殊部隊の腕利きスナイパー・ジンは、任務中に臓器密売組織に捕まっていた子供二人を助けたために、ボスを取り逃がしてしまう。
10年後、その時救った子供達が成長し、特殊部隊に入隊、あの時取り逃がした臓器密売組織のボスを捕らえるために作戦行動を開始する!?
大人気シュー・トントン主演のレディースアクション、、、ではなく元スナイパーの特殊部隊員がヒロイックに活躍するガンアクション作品です。
監督は武侠活劇(アイアンブレイド)(詳しくはこちら)シリーズや、(マーシャルユニバース)(詳しくはこちら)シリーズ、
そして現代劇ではアンディ・オン主演の(ブラインドウォー)(詳しくはこちら)等の、今の中国映画界では、かなりの娯楽派である、フォ・スイチアン監督で、
今回も娯楽映画のツボを心得たアクション演出で、テンポ良くアクションを見せていきます。
主演のスナイパー役は、ドニー・イェン主演の(レイジングファイア)(詳しくはこちら)や、ダンテ・ラム監督の(オペレーションレッドシー)等のマック・ヘンリーが演じ、
前半と中盤で雰囲気の変わる主人公を好演しています。
主人公と同じ出自ながらも、命の恩人マイケル・トンに着いて敵対する事になるライバルスナイパー役で、
本作と同じフォ・スイチアン監督の(ブラインドウォー)や、アンディ・オンも出演している(エンジェルウォリアーズ)、
そして本作のシュー・トントンと少しだけ対決している(Missリベンジ)(詳しくはこちら)等、に出演しているジェーン・ウーで、
主人公のライバルとして女ドラゴンぶりを発揮しています。
そして、スナイパーでも殺し屋でもなく、中盤以降登場する子供の叔母、という本筋からかなり遠い役柄で、
DVDジャケットでは主役扱いの(missリベンジ)(詳しくはこちら)や、(missアサシン)(詳しくはこちら)(missデンジャラス)(詳しくはこちら)等のシュー・トントンが登場します。
で、前半は心優しきスナイパーとして登場し、中盤からは全く違うキャラクターで登場するのは、
何故?というぐらいに近年の中国作品に登場する香港出身の(イップマン九龍)(詳しくはこちら)や、(スパイ デンジャラス&ビューティー)(詳しくはこちら)等のマイケル・トンで、
本作でも大御所的な位置で、前半と後半で別人物のような同一人物を演じています。
で、個人的に一番注目しているのは、本作と同じフォ・スイチアン監督の(オーディン斬鉄剣)(詳しくはこちら)でも、
坊主頭の拳士を演じていたチェン・タオで、善人でも、悪人でも、どちらもハマる雰囲気で、容姿も整って、しかも武術アクションもしっかりできる、
という貴重な存在で、外見ばかりで非アクション派のキャストが多い今の中国映画界では、今後の活躍を期待したい存在となっています。
本作では、それほど大きい存在ではありませんが、中盤主人公と激闘を繰り広げしっかりとアクションの見せ場を作っています。
という、娯楽派のスタッフ・キャストが結集した本作の始まり、というか前半の構成は非常に独特になっています。
まず、臓器密売組織のボスを仕留めるため、狙撃の名手、マイケル・トンが、ターゲットに的を絞っていたら、
被害者の少年と目があってしまい、そこから急激に情に絆されて、少年を助けてしまったがために、ボスを取り逃がしてしまう、
という心優しきスナイパー、マイケル・トンの英雄エピソードが描かれます。
で、ここまでが約9分間で、マイケル・トン物語が続くのかと思いきや、そこから、いきなり10年後に物語が飛びます。
で、冒頭で救われた少年は青年となり、その時ついでに救われた少女も、大人の女性となり、ついでに女ドラゴンとなって、
2人とも特殊部隊隊員となって、10年前に逃がしたあの、ボスを未だに追いかけています。
要するに被害者だった少年少女が、大人になって、今度は負う側に回っている、という世代交代が進むほどにその悪党を追いかけています。
中国語で会話している中国人の特殊部隊組織ですが、例によっていまいちどういう組織か分からない上に、
いつも通りにタイっぽいどこかの某国、を舞台にしていますので、全体的にふわっとした感じなのですが、
とりあえず悪党を倒すための正義の特殊部隊、という事は分かりますので、今度は若手の世代が中心となって、
英雄マイケル・トンは、指示を出す側としてチームを率いていきます。
で、それでもまだ捕まえきれない悪党ボスを、いよいよその被害者だったマック・ヘンリーが中心となって捕獲作戦を実行に移す、
という10年以上に渡る戦いに終止符が打たれるその時、どこかから妨害電波が発生して、作戦が継続できなくなってしまいます。
でも、もうマック・ヘンリーは、もうこの機会を逃せば、また多くの犠牲者がでてしまうので、命令を無視してそのまま作戦を続けます。
で、じつは、この妨害電波を出している主は、作戦室の若手の一人が分かり易い手のひらサイズの機器で、スイッチを入れて妨害しているのですが、
その時情報が入り、組織内の裏切り者の情報が映し出されます。
で、その情報による裏切り者が、、、、
まさかのマイケル・トンで、一斉に周りの正義の組織員から銃を向けられます。
勿論、身の覚えのないマイケルは、身の潔白を証明するために、やむを得ず味方に銃を向け、ついでに、
命を救われて以来、マイケルのことしか考えられない女性になってしまったジェーン・ウーも、マイケルに着き、
二人で、さっきまで見方だった組織員達に銃を向けて、、、、、、
結構撃ちまくります。
で、とんでもない情報を作戦中の出先で受け取ったマックは、急遽戻ってきますが、とんでもない状況に、
とりあえず、疑われている二人に銃を剥けます。
マイケル『違う!!俺は、裏切ってない!!!俺を疑うのか!?』
マック『、、、、、、、』
で、ふとしたタイミングでマックが銃弾を発射してしまいます。
その弾丸が、マイケルの胸部に命中、、、、、、。
そして、激しい銃撃戦で引火した基地は大爆発!!なんとかマックは逃げ延びたが、、、、
、、、、、、、、、、
、、、、、、、、、、
で、8年後に話が飛びます、、。
ここまでで約20分。冒頭から9分で10年後に飛び、20分でさらに8年後に飛びます、、、。
で、その時代では既に正義の特殊部隊は解散してしまっているようで、
鬘と付け髭で、おっさん化に失敗しているマックが、
世捨て人のような雰囲気で、機会の修理屋(多分)を営んでいます。
で、街でこましゃくれた子供と知り合う事になりますが、子供が商売に損害を出したので、弁償させるために親が働いている風俗店のような店に請求に行きます。
で、そこにシュー・トントンがいて、おが金ないので、子供を連れて行っても良いと言われたのでそのまま連れ帰って仕事を手伝わせる、
という流れで、こましゃくれ子供と生活する事になっていきます。
という感じで、サラっとシュー・トントンが登場しますが、要するにシュー・トントンはスナイパーでも無ければ、エージェントでも、スパイでも、女ドラゴンでもありません。
もっと言うと、そのこましゃくれ子供の母親でさえない(叔母)ので、かなり物語からは遠い存在となっています。
ただ、本作の物語は、ここからが、恐らく本題で、このこましゃくれ子供とマックは、喧嘩しながらも、少しづつ絆が生まれて行って、
いよいよ親子ドラマ的な展開になるのか?という所で、ある闇組織に、こましゃくれ子供が攫われてしまいます。
で、既に絆の生まれていたマックは、息子のように思っていたこましゃくれ子供を取り戻すために、鬘を脱いで、付け髭を外して、
8年前と全く変わらない外見に戻って、組織に戦いを挑む、という、要するにウォン・ビンの(アジョシ)、サモ・ハンの(おじいちゃんはデブゴン)と同じ、
舐めていた相手が実は強かった+子供救出もの、展開となっていきます。
前振りが凄まじく長く、しかも回りくどく、時代やジャンルごと飛んでしまい、その度にリセットされてしまうので、
なかなか3回目の世界観にスッと入って行きにくいのですが、
本作の魅力は、開始から1時間経過し、こましゃくれが誘拐されてから、急激にテンポアップしていきます。
ただ、説明不足、というか説明されても納得いかないような展開もあるのですが、、、。
※↓ここからは物語展開に触れていますのでご注意ください↓※
で、この、こましゃくれを攫った組織、というのが、あの臓器密売組織、というのは薄々分かるとは思うのですが、
そのボス、というのが、、、、、、
、、、、、、、、、
まさかのマイケル・トンで、あの裏切り発覚騒動の時にマックに撃たれた傷が原因で、5年ごとに他人の心臓を移植しないと生きていけない、
という状況になって、しかも血液型が特殊なので、合う人が少なく、いろんな所を探した結果、こましゃくれが調度同じ血液型で、そのために誘拐した、という事が分かります。
というわけで、作戦よりも子供の命を優先させ、指令室でも、裏切っていない、と言っていた、
あの英雄マイケルはどこに行ったんだ?というぐらいに変貌を遂げた(外見もばっちり白髪)悪党マイケルが降臨します。
最初は裏切っていなかったけれど、傷を負ってから悪党とを組んだ、とかではなく、初めから悪党だった、というどうしようもない設定に、
だったら、前半の行動や、表情や、物語展開、全てに不具合が出てきそうですが、その辺の納得のいく説明は全て飛ばしてしまって、
物語は、とりあえず子供を助けたいマックの救出劇に集中していきます。
で、このマック物語の方の展開が凄く秀逸で、前半の特殊部隊とか、そういうリアルな設定は既にどこかに行ってしまっていますので、
完全にジョン・ウィックのような、無双を前提としたアクションに様変わりし、どんな事が起こっても、100%完璧に対処していくタイプのヒロイック系のアクションが連発されていきます。
アクション自体も今までの世界観と違うので違和感はありますが、このアクション演出自体が凄くテンポが良く、
ビシッビシッとキマリ、途中チェン・タオとのアクションも結構長めに入り、しかも、要所でしっかりとスナイパーアクションも挿入されていますので、
長距離戦も接近戦も描かれてバラエティに飛んでいて、観ていて飽きることのないアクションが続きます。
主人公も優しい雰囲気の割には、悪党はしっかりとトドメをさしていくタイプで、容赦なく追い詰めていく、というキャラクターも、
怒りを直接的に表しているようで、しっかりと感情移入できるようになっています。
ただ、やっぱりせっかくシュー・トントンが登場して、後半活躍しそうになるのに、結局そうでもなかったり、
マイケルも、大きくブレブレにブレたキャラクターを演じた割には、あっけなかったり、という感じで残念な点もありますが、
楽しめるアクション演出と、一応同じ境遇の出ながらも、立場を違えて、銃を向け合う男女(多分邦題はこの二人をキング&クィーンと表現したかっと思われます。シュー・トントンは無関係ですね、、)、
という部分の設定の面白さが、マイナス部分を十分補う程に楽しめますので、アクション映画好きの方や、
香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに、本作の演技で、シュー・トントンが、北京国際オンライン映画祭で主演女優賞を2度目の受賞を果たしたそうです、、、、、。
あと、本作本国でヒットしたのか、主演のマック・ヘンリーと、一部同じキャストで、シリーズ第二弾となる(狙击之王暗杀)が2023年の初めに製作されているようですので、
近日中に日本でもDVDリリースされるかもしれません。
邦題予想は、(スナイパークィーン)ぐらいでしょうか、、。
作品情報
2021年製作 中国製作 アクション
監督 フォ・スイチアン
出演 マック・へンリー、ジェーン・ウー、フォ・スイチアン、シュー・トントン、マイケル・トン、チェン・タオ
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