おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が存在するように描いてはいけない、という中国独特の決まりがありながらも、幽霊に呪われる若者達を描いた、どんでん返しの連続に呆気にとられる茶番ホラー・オブ・ザ・ベスト!!





作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、幽霊に襲われる(と思い込んでいる)、若者達のドタバタを描いた茶番ホラー作品です。
因みに本作、シリーズ第二弾で、同じキャストによる前編が存在していて、物語りの発端が描かれていますが、
特に鑑賞していなくても、物語の流れは大体分かるようになっています。

それでは、まずはあらすじから、
仲良し学生グループの男女が、亡くなったメンバーのピャオピャオを呼び出すため、山奥の寺院でこっくりさんを行った。
しかし、それ以来不可解な現象が次々と起こり始め、ついには、メンバーの命にも危険が迫った事で、再びこっくりさんを行い霊を送り返そうとするが、、、!?

監督は、(绝命藏宝图)や(奇屏迷案)等のルー・スーユーで、Jホラーから影響を受けたような物語を演出しています。



主人公の女子大生役には、本シリーズの一作目や、(桃花源战纪)(怨灵2)等のチェン・ユアンが扮し、友人の幽霊と対峙していきます。



で、主人公の友人で亡くなった女性の元恋人役で、こちらも本シリーズ一作目にも出演しているテレビドラマ(克拉恋人)等の
キム・クワンミンが登場し、ゴーストに追い詰められていきます。


で、同じく友人役で、テレビドラマシリーズ(说好不流泪)等のソン・ウェイが登場し、ただのお調子者かと思いきや、後半大活躍していきます。


そんな・スタッフ・キャストが製作した本作の物語は、いきなり寺院のような場所で降霊会を開き、昨年(?)の夏休みの事故で亡くなった友人の霊を呼び出して、
霊がやってきた証拠に、(霊幻道士)等で頻繁に使用される黄色いお札が、20枚ぐらい、空中からヒラヒラを振って来て、
その亡くなった友人の霊がペラペラと饒舌に話しだすシーンから始まります。

で、キム・クワンミンは、どうもその亡くなった女子ピャオピャオの元カレだったようで、未だに想いが募っているという感じですが、
他のメンバーは、恐怖に慄いてしまいます。自分達が呼んだはずですが、、。

で、メンバーは、ピャオピャオを呼び出すために降霊会を行ったわけですが、特に呼び出しに成功した後の事は考えていなかったようで、
ペラペラしゃべる霊ピャオピャオは、友人達が自分に会いに来たのなら、じゃあ、3日間ここに残って、という良く分からない要望で、
寺院は戸締りされ(誰かが外側から釘で扉を固定しているシーンあり)、その場から逃げられなくなります。
で、そんな若者達を、柱の後ろから覗く赤い服を着てロングヘアーをなびかせ、緑色の証明に照らされたお喋りピャオX2の姿、、、。

という、ところで時間が遡っているのか、どうか良く分からない感じで、若者達がチェン・ユアンの別荘でパーティーを行うシーンへと突然変わります。

で、そこから冒頭に登場したメンバーが全員集合し、楽しげに過ごす中で、そのパーティーメンバーの背後に、あの赤い服のお喋りピャオX2がスッと近づいたり、
メンバーがその気配にちょっと怯えたり、幽霊が出たと叫んだり、他のメンバーが幽霊なんていない、と諭したり、

という、
『志村後ろ!』的なシチュエーションが、永遠のように続きます。

で、そろそろ寝るか、という感じで、キム・クワンミンが眠りにつくと、お喋りピャオX2との楽しい思い出の日々と、
メンバーが赤い帽子をかぶって、赤い旗を振りながら、大はしゃぎで近くの山に遠足に行く、というティーンエイジャーとは思えない娯楽の満喫の仕方

で、楽しいはずの遠足が、まさかのお喋りピャオX2が、裏山の鋭い傾斜の斜面から転げ落ちる、という悲惨な事故によって命を落としてしまう、
という事の発端が夢のビジョンによって再現されます。

で、冒頭のシーンに戻ります。しかも、戻って続きが描かれる、というより、冒頭と同じシーンと全く同じシーンが数分間流れます。
で、いよいよ閉じ込められてからの続きが始まる、、、、、
、、、、のではなく、キム・クワンミンは、別荘で眼を覚まします。
冒頭のシーンは夢?、、、

、、、、かどうかもはっきりと説明が無いままに、パーティを楽しんだメンバーは、それぞれの部屋で眠りにつく準備をしています。

コイバナに華を咲かせるもの、部外者のオッサンを連れ込む者、元カノの夢を見る者、という感じでそれぞれ個人の時間を過ごしますが、
お喋りピャオX2も、気づいて欲しくて、屋敷中を歩き回っているので、いよいよメンバーの一人の命を奪いにかかります。

で、勿論幽霊で、凄い力を持っていますので、手をかざすと対象人物は息ができなくなり、、、、、、
、、、、例によって、絶命するときは目と口から血を垂らしてこと切れてしまいます。

この表現は決まり事(なのかどうか分かりませんが、同系列のホラー作品では決まり事)のようで、
要するに、
いまから絶命するというフラグがたった人は、眼、口、鼻から血が垂れる、
という、恐怖感はゼロながらも、コント感はマックスな表現方法で、呪いによって無邪気な若者達の命が奪われていきます。

で、メンバーの前にお喋りピャオX2が実際に現れて、現実的な方法で、命を奪っていく、、、、、
、、、、というのが大体の本筋となっています。

幽霊が存在するかのような表現をしてはいけない
というわけの分からないルールのために、本作に登場するお喋りピャオX2が、幽霊ではない、という事は初めから分かっていますので、
いくら、幽霊だ、幽霊だと騒いでも、その時点で恐怖を感じようがないのですが、
本作はさらに、一作目で描かれているであろう、ゴースト版のお喋りピャオX2の誕生に纏わるエピソードが駆け足的でしか見れないために、
時間軸が入れ替わっているのか、夢の中なのか、判断しにくいシーンも多くなっているのかと思われます。

ただ、後編である本作だけを鑑賞して判断すると、恐らく、その良く分からない構成は、ルー・スーユー監督の特徴のようで、
個人的な予測ですが、多分前編を鑑賞したところで、ややこしさは何一つ変わらないかと思われます。


それは、この世界に自分達しか存在しないかのような主要メンバーの描かれ方や、クライマックス近辺の
壮絶な茶番どんでん返しの連続
にはっきりと出ているのではないでしょうか。

そんな理由で、人の命が関わるような騒動を起こすか?
というような理由で、無理矢理にひねり出したオチだとしても、そんな理由では色んな事、というよりほとんどの出来事の説明がつかないような突飛なオチとなっています。
個人的に色んな映画作品を鑑賞してきましたが、あきれ度で言えばトップレベルのオチとなっています。
茶番ホラー・オブ・ザ・ベスト
という感じです。


ただ、逆に気持ちを切り替えると、こんなオチでも、心霊ホラージャンルの作品を製作したかった製作者達の想いが、、、、、
、、、、詰まっているのかどうか分かりませんが、とりあえず、他の国には無い、世にも奇妙なルールがあるがために製作された、
良く言えば貴重な作品とも言えなくも無い(百歩譲って)作品ではありますので、ホラー映画好きの方等、あえてご鑑賞されてみるのはいかがでしょうか。

因みに、本編終了後は、メンバーが卒業写真を撮影する時におどけながら撮影しているシーンが、その写真のタイトル付きで、紹介される、
という
茶番エンディング・オブ・ザ・ベスト
な蛇足シーンが暫く流れますので、そこまで我慢してご鑑賞された方は、どうせなら、そのサムい時間も、あえて楽しみましょう、、、。
というより、作中で、そこが一番背筋がゾクゾクしますよ。勿論、違う意味で、、、。さむ、、。



作品情報
2017年製作 中国製作 ホラー
監督 ルー・スーユー
出演 チェン・ユアン、キム・クワンミン、ルウ・リーアル、ソン・ウェイ

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