おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人気のWEB小説の映画化ながらも、完全にゾンビ+クワイエットプレイス+ミストの設定そのままな武侠アクションホラー作品!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、人気のWEB小説を映画化した武侠ゾンビアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
明朝、天啓6年、巨大隕石が落下し、謎の有毒物質を含んだ気体が発生し、その気体を浴びた生物がモンスター化してしまう。
人間は突然変異した寄生虫に操られてゾンビ化してしまい、あっという間に街は地獄と化していた。
そんな街に帰って来た左連山と鉄帰藏は、生き残った人々を救うために、ゾンビ相手に立ち向かうのだった!?
WEB小説で人気の中国武侠作品です。
主人公を演じているのは、(王朝の陰謀 謎の壁画と舞姫殺人事件)(詳しくはこちら)や、(超西遊記)(詳しくはこちら)等のドゥー・イーフン、
今回も少しだけアンディ・ラウ似の男らしい父親像キャラクターを演じています。
で、途中行動を共にする傀儡姫という、一応ヒロインっぽいキャラクターを演じているのが、歌手、テレビドラマ、映画と活躍の場を広げているパン・シーチーと、話題のキャストはそろった作品となっています。
鑑賞している時は、本作に原作があるような内容とは思わずに鑑賞していましたので、個人的にはまさかの原作あり作品、という感じです。
何故、そう思ったか?という事ですが、これが普通の武侠版のモンスターホラー、と思いきや、
まさかのゾンビ+クワイエットプレイス+ミストの美味しい部分だけをそのまま頂く、という最初から最後まであやかり通しの内容だったからです。
本作独自の創造性等はほとんどゼロに近い物語が、まさかの人気小説の映画化だという事時代が一番の衝撃、ぐらいに既視感満載の内容となっています。
多くの人が知っている内容を武侠の世界で再現し直した作品、という感じでしょうか。
その内容ですが、まずは、謎の巨大隕石が地球に落ちてくるところから始まり、その隕石から謎の霧状の気体が発生し、
そのまま気体はその土地一体を覆っていきます。
この気体が謎の有毒物質を含んでいるようで、気体に包まれた生物はモンスター化していきます。
で、説明がないので良く分かりませんが、凍ってしまう生物や、モンスター化する生物、そして人間は変異した寄生虫に操れて何故かゾンビ化してしまいます。
で、たまたま遠出して帰宅途中だった主人公とその弟分の二人が、街に戻ってみるとゾンビまみれだった、
という事で、武侠世界版(ゾンビ)が始まります。
しかも、ゾンビに噛まれると噛まれた人もゾンビになる、という共通ルールはそのまま採用されていますが、ゾンビという存在が市民権を得ている現代ならゾンビに噛まれてはいけない、
という共通ルールは、最早説明されなくても特に問題はありませんが、本作のような武侠の時代設定で、
ゾンビという言葉もない中で、説明もせずに全員がその共通ルールを知っていたりします。
で、頭を破壊しないと倒せない、というルールはなんとなく廃止しているので、割とそれなりの攻撃を加えると何とかなったりもします。
上っ面だけを頂いている感じが満載ですが、そこに音を立てると向かってくる、という(クワイエットプレイス)の設定の上っ面だけを頂いて付け加えています。
ただ、物凄く聴力の優れた耳が変化したようなモンスターを相手に、会話もできない、という設定が秀逸だったオリジナルに対し、
本作に登場するのは、ただのゾンビで、ちょっと聴力が良い、というぐらいですので、人間側は小声でバンバン話せてしまいます。
話せてしまっては、何の面白みもありませんが、話さないと(クワイエットプレイス)のように良く練られた設定や物語展開でないと、物語自体が進みませんので、
結果的に、音に敏感、という上っ面だけを頂いて、なんとなく緊迫感を煽ります。
ただ、ゾンビから隠れている状態で『音を立てるな!』は、当たり前なんですが、、。
で、そのままゾンビ映画らしく籠城展開へと突入して、籠城場所で子供の泣き声を理由にピンチになる、という(クワイエットプレイス)の盛り上がる部分は、やっぱり頂きますが、
そんなピンチをオリジナル以上の緊迫感と脱出劇で演出できるはずもなく、
まさかの命乞いをする母親と赤子をそのまま外に追い出すという、設定は頂いたけれども、結局上手く活かし切れずに放り投げる、という行き当たりバッタリな展開になっていきます。
しかも主人公は、その時、命乞いをされて困ったので、斜め下を見て、見て見ぬフリをする、というまるでヒーローらしからぬ行動で、やり過ごします。
さらに行き当たりバッタリは続き、村がゾンビまみれで危機に陥っている旨を記した手紙(というかメモ)を村の外の人に知らせる事が皆を救う事に繋がるので、手紙を持って村の外に出る事が作品の最大の目的になっていきます。
で、何故か全員で主人公に続いてメモを届けるためだけにゾンビ村を横断していく、という展開になっていきます。
どう考えても、他に生存の方法が色々ありそうですが、本作では、このペラいちのメモが、何故か全てを解決する希望の光のようになっていきます。
で、道中ゾンビと戦いつつ、モンスター化した巨大な何かの生物とも戦いつつ(モンスターと戦っている時は声を出してはいけない、という設定は綺麗に忘れて大声を出しながら走り廻ります)、
その物凄く巨大な生物に対して、小さな火薬(というか花火)を打ち上げて、小さな反撃をする、という有効なのかどうなのかも判断できないような戦いがクライマックスとなっていきます。
ですので、全てが???という感じで、最初から最後まで何一つ納得いく事がない作品ですが、
本作が人気のWEB小説の映像化だという事実自体が一番納得がいかない、というなかなかの作品となっています。
まさに、事実は小説より奇なり!!
作品情報
2021年製作 中国製作 武侠ゾンビアクション
監督 チャン・ポーウェイ 原作 アー・ミー
出演 ドゥー・イーフン、チャン・イーロン、チュー・シーユエ、パン・シーチー
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