おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(水滸伝)の人気キャラクター林冲を中心に添えて、宮廷内の権力闘争に巻き込まれ、全てを失って梁山泊に向かうまでを描いたアクション少な目のスピンオフ歴史ドラマ!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、(水滸伝)の物語に登場する林冲を中心に添えたスピンオフ的歴史ドラマです。
それでは、まずはあらすじから、
北宋時代、数々の功績をあげてきた禁軍の教頭であり、槍の名手で武芸の達人・林冲は、宮廷内で権力を握ろうとする高俅の謀略によって、
妻を妖婦とされ、濡れ衣を着せられて自身も罪人として裁かれてしまう。
義兄弟の契りを交わした山賊、魯達の助けを借り、なんとか逃げ出した林冲は、裁かれる妻を救うために、再び宮廷へと向かうのだった!?
【三国志演義】【西遊記】【金餅梅】と並ぶ【四大奇書】のうちの一つ、【水滸伝】の100話以上ある物語の中に登場する、
人気キャラクター林冲にスポットを当てたスピンオフ的な作品です。
【水滸伝】自体が、通して一つの物語なっているわけではなく、オムニバス形式で構成されている物語ですので、
無数にある物語の中の一人の登場人物を、さらに自由な発想で描き直した物語となっています。
主人公の林冲は、槍の名人、レオパルドとして有名な登場人物なので、これまでにも何度となく映像化されていますが、
日本で紹介された作品の中では、ジョイ・ウォンの人気絶頂期にVHSで数々リリースされ、その後DVD化もさた、
(水滸伝 男たちの挽歌)が一番有名ではないでしょうか。
主役の林冲を(プリズン・オン・ファイヤー)等で人気上昇中のレオン・カーフェイが演じ、相棒的な弟分魯達を(愛と復讐の挽歌)等の豪快なイメージで人気のあったチョイ・ガムコンが演じていました。
(スウォーズマン剣士列伝)から始まる古装片の流れをくむ作品で、ダイナミックなアクションが非常にカッコ良く、
また主演二人の英雄快男児ぶりが爽やかな男泣き武侠アクションとなっていました。
水滸伝の正編としては、108人集まる英雄たちを、主要メンバーに絞って、さらに宗軍との武術大会シーンに凝縮して描かれた中国作品(水滸伝)は、
ジェット・リーの(少林寺)ブームに乗って日本でも劇場公開されました。
その後も割と近年になってDVD化されたショウブラザース社製作チャン・チェ監督、デビッド・チャン主演で、日本から黒沢俊雄と丹波哲郎が招かれて製作された大作(水滸伝)や、
その続編となる(水滸伝 倭寇城決戦)等、が製作され大ヒット、
また、近年でも108人の登場人物の中の一人武松を主人公にした(タイガーハンター水滸外伝)(詳しくはこちら)等、
映像化されるたびに大ヒットするぐらいの人気の物語となっています。
本作はそんな人気の絶えない物語に登場するキャラクターの一人、レオパルドこと林冲を主人公としたスピンオフとなっています。
ですので、本編のような宗軍と戦いを繰り広げるような英雄譚といった物語ではなく、あくまで林冲をとりまく周辺の物語をメインに描かれた作品となっています。
で、その物語というのが、宮廷内の権力争いに巻き込まれて、妻に宮廷内で謀反を企む反逆者という濡れ衣を着せられて、救いに行った林冲が逆に犯罪者とされ、
捉えられて罪人として処刑されそうになる、というドロドロ物語をほとんどアクションを交えずにドラマメインで描いていく、
という宣伝ポスターや邦題からの想像とはまるで違った爽快感のない物語となっています。
同じ主人公を描いた香港映画(水滸伝 男たちの挽歌)とは真逆の内容、といった感じでしょうか。
一応、その後全てを失った林冲が、(水滸伝)で描かれるような戦いに参加するために梁山泊に向かうまで、を描いた作品という事で、
(水滸伝)の108人の英雄の中の一人に的を絞った前日譚、といった感じではありますが、
要するに(水滸伝)の痛快なストーリーとはとりあえず関係のない物語ですので、そういう要素を期待して鑑賞するとかなり期待とは違った内容となっています。
途中2~3回アクションシーンが入るものの、非常に淡白に終結してしまいますので、残念ながら見所にはなっていません。
かつて義兄弟の契りを交わした弟分魯達というまさに武人そのものの豪快なキャラクターも登場しますが、
ちょっと活躍したら、あっという間に決着がついてしまう、といった感じで、見せ場がありそうでない、という流れが続きます。
散々のドラマ推しの後には取ってつけたようなラストバトル(ここは一応スタントマンだけが映るシーンはそれなりに武術アクションになっています)がありますが、
やっぱりあっさり目に終了してしまいます。
一応、槍の名人というキャラクター付けがあるので、そちらをもっと活かしてもらえたら、もっと盛り上がりそうですが、
そういうアクション性を追求した作品ではないようなので、あくまで(水滸伝)の人気キャラクターのちょっとした番外編ストーリー、という意図で製作されたのではないでしょうか。
という事で、これまでの(水滸伝)に共通している痛快なキャラクターや痛快なアクションといった感じからは、かなりかけ離れた作品内容ですが、
一応、知られざる物語、という感じで他の(水滸伝)ものが楽しめた方など、書籍の注釈を読むような感覚でご鑑賞されましたら、結構と楽しめるかもしれません。
それにしても、もっと弟分の魯達の活躍が観たかったです、、。
作品情報
2018年製作 中国製作 歴史アクション
監督 チャオ・ツォン
出演 ユー・ジェン、ヤン・チーファン、ジン・ソン、デュ・ユミン
その他の歴史アクション作品
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