おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
新規開店の映画館に集められた若者達が、謎の幽霊、謎の殺人鬼に襲われるJホラーっぽい作品ながらも、全てのシーンに恐怖感よりも、ごっこ感が漂う、ホラーが苦手な方も安心して観れてしまうシリーズ第二弾!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、中国製作のJホラーっぽい心霊ホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
商業施設の最上階に開業予定の映画館で、宣伝効果を得るための試写会が開催された。
招待された8人の男女は、無料で映画が鑑賞でき、さらに高額の報酬が得られる、という事で喜んで参加したが、
その映画館のある土地は、かつて悪霊を封印していた棺が埋められていて、その封印を解いた事で悪霊が解き放たれた、という噂のある、いわくつきの建物だった!?
本作は、一応2014年に製作された(恐怖电影院)のシリーズ第二弾ではありますが、映画館が舞台のホラー作品で、一部同じ出演者がキャスティングされている、
という事以外は特に繋がりのない物語となっていますので、本作から鑑賞しても特に問題のない内容となっています。
監督は、(夜半哭声)や(恐怖理发店)等、ホラー作品を得意とするルー・スーレイで、Jホラーでお馴染みのような物語を、独特の雰囲気で演出しています。
主演の経営者の娘役は、シリーズの一作目や、アーロン・クォック主演の(殺人犯)、(床下有人3)等の
ホラー系の作品への出演の多いイン・グオアルが扮し、前半と後半で立場の違う役柄を演じています。
で、主人公を想うボーイフレンド役で、フランシス・ンとサイモン・ヤム共演のコメディ(爱我就陪我看电影)や(红颜)等の、
ホアン・シンチェンが登場し、こちらも前半と後半で立場の違う役柄を演じています。
で、主人公の友人役で、(罪案心理小组X)や(聊斋新编之画皮新娘)等のリュウ・シアオチーが登場し、事件に巻き込まれていきます。
で、同じく友人役で(火眼貔貅)や(82号古宅)等のヤン・ウィアーが登場し、セクシー方面の役柄を演じつつ、事件に巻き込まれていきます。
で、同じく主人公のプレイボーイな友人役で、(レッドクリフ)や(ロストレジェンド)等のソン・ジアハオが登場し、事件に巻き込まれていきます。
そんなスタッフ・キャストが製作した本作の物語は、新規開業予定の商業施設の最上階にある映画館で、
上映作品のポスター等を貼って作業を進めていた劇場スタッフが、誰もいないはずの客席から聞こえる
『イ~ヒッヒッヒィィィ。』
というお化け屋敷で聞こえてきそうな笑い声や、
麻雀パイをジャラジャラ鳴らす音
等を聞いて錯乱したスタッフが、はっきりと女ゴーストの姿を目視し、派手なBGMが流れた後にこと切れている、というある意味衝撃のシーンから始まります。
本来、冒頭のこのシーンで、急激な恐怖のどん底に落とされて物語はスタートするはずですが、とにかくチープ、というか、
どう表現すれば恐怖を感じるのか?という、根本的な部分が、他の国で製作されたホラー作品とは違うようで、
幽霊(と登場人物達が思っている存在)や、犠牲になった人物(人間)は、根こそぎ目と口から血が垂れている、という独特の表現で、
しかも眼と口自体には一切血がついていないため、垂れている、というより垂れメイクを施しているようにしか見えません。
幽霊の存在を肯定してはいけない、
という中国独特のルールが決まっている、という事を差し引いても、登場人物達は幽霊だと信じているわけですので、
とりあえず一旦は、幽霊として恐怖を感じないといけないわけですが、制約を考えてあえてチープにしている、というよりは、
ただ単に、そういうジャンルに慣れていないために、シンプルにチープな表現になっているだけだと思われます。
このチープな表現が、数々の傑作Jホラーが既に存在している日本人からすると、正体不明の存在に対する恐怖感よりも、
はっきりと女幽霊役の出演料を貰って映画俳優が演じている出演者
にしか見えず、結果的にどうしてもホラーごっこに見えてしまう、というある意味中国独特の雰囲気の漂う作品となっています。
恐らく、ほとんどの方が、この冒頭の掴みの恐怖シーンで、
『ん?これは、登場人物がふざけて脅かし合っているシーンで、安心したと思ったら本物登場のパターン?』
と勘違いしてしまう方も多いのではないでしょうか。
ただ、その後、普通に本編に突入してしまう事で、早速、本作への期待感がうなぎ下がりに下がってしまう方も多いかもしれません。
で、本題に突入すると、その映画館の経営者を父に持つ娘役のイン・グオアルが、知り合いであるホアン・シンチェンの運転で父親の見舞いに行くシーンへと移ります。
自身が経営する映画館のオープン直前という大事な時期に、病に倒れた父親ですが、噂では、その映画館があった土地には、
古くから悪霊が封印されている棺があり、土地を開発するにあたって、その封印を解いてしまったがために、
その呪いによって、病に伏せっているという良くない噂が流れている事も分かります。
で、そんな中、映画館開業前の宣伝効果を狙って、ホラー映画の試写上映会が開催されます。
イン・グオアルは、その導き役として、8名の友人達に招待状を送り、招待客たちは、SNSに高評価を書きこむと多額の報酬まで貰える、
という好待遇に、断るはずもなく、8人の男女の若者達が、映画館に呼び出されます。
で、上映の準備中にも、招待客たちは、はっきりとしたゴーストをしっかり目視し、恐怖におののきますが、
イン・グオアルの態度もなんとなく怪しければ、三悪関係の男女も別室でイチャついたりして不穏な雰囲気も漂い始め、
ついには、トイレに入った女子の背後から、怪しい人影が、、、、
、、、は、映写技師のおっさんで、厨房が断水したので、便所で鶏をさばいていた
という、緊張と緩和というより、誰も突っ込まないのが不思議なぐらいに独特の緊迫感が立ち込めていきます。
映写技師が鶏をさばく?開業直前に断水?便所で?しかも、女子便で?
で、
上映中は、必ずお面をつける
という謎のルールも加わったその上映会が始まると、
やっぱり途中退席して、他の部屋でいちゃつく者、お面なんか速攻で外す者、等、それぞれ自由に行動しますが、
そこへ、さらにゴツイマスクを被った謎のケープ姿の人物が現れ、散らばった招待客を気絶させて、席に戻します。
と同時に、客席に謎のガスが噴出され、参加者は一斉に眠りにつき、、、、目覚めてみると、、、、、
、、、、というのが、中盤までの大体の大筋となっています。
物語展開はさておき、作品の至る所にチープ感、ごっこ感、コント感が、常に漂う作品ではありますが、
気持ちを切り替えれば、逆に他の作品では味わえないような味とも捉えることもできますので、
作品本来の見所とはズレてはいますが、恐怖を感じないなりにもそれでも感じる恐怖ポイントを探してみたり、
制約に縛られながらも、なんとか怪奇譚に仕上げようとするスタッフの気苦労を感じてみたり、
恐らくそういうシーンをほとんど演じた事もないようなキャストの緊迫感を、観る側が歩み寄って感じて見たり、
ずっと存在するツッコミ所を、あえて自身の想像力で補填してみたり、
という感じで、本作独特の世界観を、楽しむ余地は十分残っている作品となっています。
幽霊が存在するように描いてはいけない、という制約があるがゆえに、オチはある程度予測できてしまいますが、本作独自の魅力としては、
映画館の土地開発前のエピソードと現在のエピソードを交互に描く事で、混乱はしますが、少しずつ事情が分かっていって、二つの時代の物語が重なった時のカタルシス等も感じるようになっていて、
ラストでは、二つの物語の隙間を埋めて、事件の発端となるちょっとしたエピソード等も挿入されますので、
一応は、ちょっとしたミステリー要素、謎解き要素も含んだ物語となっています。
という事で、はっきり言って恐怖感を感じる方は、ほとんどいないと思われますが、それでも独特の楽しみ方はできる作品となっていますので、
中国映画好き、ホラー映画好きの方等、ご鑑賞されてみては、いかがでしょうか。
作品情報
2017年製作 中国製作 ホラー
監督 ルー・スーレイ
出演 イン・グオアル、ホアン・シンチェン、リウ・シアオチー、ヤン・ウィアー、ソン・ジアハオ
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