【中国映画】レジェンド・オブ・ドラゴンテイマー 降龍十八掌(射鵰英雄伝之降龍十八掌THE LEGEND OF THE CONDOR HEROES:THE DRAGON TAMER)95分

投稿者: | 2022年10月9日

おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆

人気の(射鵰英雄伝)の映像化最新作は、香港から実力派キャストが5人も参加する娯楽志向の後味の良い武侠アクション作!!(バトル・オブ・ダンジア)のリン・イェンジョウも出てます!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、金庸の人気小説(射鵰英雄伝)の映像化作品です。

それでは、まずはあらすじから、

宋の時代、モンゴルで育った郭靖(ガン・イェンティン)は、中原で、黄蓉(リン・イェンジョウ)という女性に出会い、命を救われ、やがて二人は想いを寄せ合うようになる。

しかし、黄蓉は、世話になった7人の師匠たちのライバル門派の党首の娘で、それを知った師匠たちは逆上し、事態は思わぬ方向へと進むのだった!?

金庸原作の人気小説、(射鵰英雄伝)の映像化作品です。

古くから人気の原作ですので、これまでにも何度も繰り返し映像化され続けている物語になっています。

日本では、恐らくウォン・カーワイ監督の(楽園の瑕)と、同キャストで製作された(大英雄)が一番有名かと思われます。

最近では(レジェンド・オブ・クロー九陰白骨爪)(詳しくはこちら)が、同じ原作を基にしていて、物語上重要な同じ技も登場しますので、

合わせて鑑賞すると世界観が広がって面白いのではないでしょうか。

で、そんな本作ですが、大筋は原作通りにモンゴル出身の主人公が、師匠のライバル門派の娘と恋に落ち、

やがて師匠世代の戦いに巻き込まれていく、という感じで、アクションあり、ラブロマンスあり、そして中国映画界が大好きな陰謀ドロドロ展開もあり、

と人気の要素を盛り込んだ内容となっています。

一応、冒頭の一緒だけ鳥を射るシーンあります

本国では配信のみで終了してしまう他の作品とは違い、しっかりとDVDソフトまでリリースされていますので、

それぐらいの予算を見越したいつもの中国武侠作品よりは、しっかりした作品となっています。

その予算の多さが一番でているのは、キャステインングで、まずは主人公に(鳳凰の飛翔)や(鳳囚凰~陰謀と裏切りの後宮~)等の中国ドラマで大人気のガン・イェンティン

ガン・イェンティン(頬紅の理由は分かりません)
ガン・イェンティン

そして主人公を健気に支えるライバル門派の娘役に(バトル・オブ・ダンジア魔獣大戦)(詳しくはこちら)の健気な妹役が忘れられないリン・イェンジョウが扮し、

本作でも明るい魅力で主人公を支えています。

リン・イェンジョウ
リン・イェンジョウ
(バトル・オブ・ダンジア)

因みに、本作の日本リリース元メーカーや某ネット販売サイトでは(人魚姫)に出演と記載されていますが、

リン・イェンジョウが出演しているのはチャウ・シンチー版の(人魚姫)ではなく、同じ(美人魚)という原題の2021年に製作された別作品です。

2021年製作(美人魚)
2016年製作チャウ・シンチー監督の人魚姫、原題は(美人魚)

日本の販売元が、文字情報だけで仕入れて間違えたのだと思われますが、流石に主演級で出演しているキャストの出演作品ぐらいは、間違えずに表記してもらいたいものですね。

で、そんな不遇な扱いのリン・イェンジョウ演じるヒロインの父親役を演じるのは、香港出身で、(サンダーストーム)や、同シリーズの4作目と5作目にも出演しているテディ・クワン

テディ・クワン
エディ・クワン

その父親と一線交える事になるライバル門派の師匠役を演じているのは、香港出身で、トニー・レオン主演の(裏町の聖者)や、ダニエル・ウー主演の(重装警察)等に出演しているアレックス・トー

アレックス・トー
アレックス・トー

で、そのライバル門派の方の息子を演じているのは、こちらも香港出身で、エディ・ポン主演、ダンテ・ラム監督の(疾風スプリンター)に出演しているケヴィン・チュウ

ケヴィン・チュウ
ケヴィン・チュウ

さらに、後半、主人公に本作のタイトルにもなっている(降龍十八掌)を伝授する事になる老人を演じているのは、

少林サッカー)や(カンフーハッスル)等のチャウ・シンチー作品でお馴染みのラム・ジーチョン

ラム・ジーチョン
ラム・ジーチョン

さらに脇役でアンディ・ラウ主演の(ショックウェーブ)等多くの香港映画に出演しているフェリックス・ロク

フェリックス・ロク
フェリックス・ロク

そこに、(リベンジクィーン:妲己)(詳しくはこちら)等にも出演し、有名作品の助監督等もこなす才人リウ・デイと、

リウ・デイ
リウ・デイ

中国作品の名バイプレイヤーとして様々な作品に引っ張りだこのフー・トンフェンが安定の師匠役で登場する、という豪華なキャスティングとなっています。

フー・トンフェン
フー・トンフェン

正直、作品内容は、他の武侠作品とそんなに変わりませんし、物語も総集編のようなに端折っていますので盛り上がりには欠けますが、

キャスティング面で、香港出身キャストが、5人も登場する中国作品は、最近では非常に珍しい作品となっていますので、

それだけでも、それなりにしっかりとした予算が用意られた作品と言えるかと思われます。

アクション的にもいつものカット割り過多、スロー過多、ワイヤー過多気味のアクションですが、一応、操られ放題というわけでもなく、

それなりにはキャストも動いて達人的な動きを加えていますので、そこまで違和感を感じることなく楽しむ事ができるようになっています。

アクションが、そんなに多くは無いので、荒も目立たないだけかもしれませんが、、。

しかし、後半になってくると、中国映画界が大好きな、いつものドロドロ陰謀展開が全開になり、悪役は不快なぐらいに外道街道をまっしぐらに進んでいきます。

外道ライジング
外道Jr.

ただ、本作クライマックス近辺まではいつものような厭な雰囲気が立ち込めているのですが、終了直前に意外に光が刺していき、

本当のラストシーンでは、まさかまさかのハッピーエンドで終了して、まさかまさかの、心地よい余韻を残して終了する、

という最近の中国武侠作品の常識をぶち壊すような幸福感に包まれた終わり方となっています。

でも、エンドロール後に、、、、

というのも、本作ではありません!

本当にハッピーエンドで終わります。

そういう部分も、恐らく後のソフト化を前提に多くの人に受け入れられるような娯楽作品としての内容を意識して製作されているのではないでしょうか。

原作の流れを無視してでも絶対にお涙頂戴の悲劇でなんとか終わらせようとするのが当然の中国武侠作品の中では、異色の展開といえるかと思われます。

という事で、いつもと同じ原作で、似たような内容ながらも、香港出身キャストも多数参加し、後味の良い武侠作品となっていますので、

香港映画好きの方や、武侠作品好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

なかなか楽しめますよ。

それにしても、こういう武侠作品に複数で登場する個性的なキャラクター、絶対に見かけの派手さ程には活躍しないですね、、、。

師匠たちのビジュアル、、。

見掛け倒しの師匠たち
どんなに興味を引いても活躍はしません

作品情報

2021年製作 中国製作 武侠アクション

監督 ジュ・リンフォン ディヤオ・ユー

出演 ガン・イエティン、リン・イェンジョウ、アレックス・トー、ラム・ジーチョン、エディ・クワン、ケヴィン・チュウ、フー・トンフェン

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