【中国映画】ダイナスティ 王宮の秘剣(封神:画圣归来FENGSHEN PAINTING SAINT`S BACK)76分

投稿者: | 2022年7月13日

おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

王宮内の争いをメインにファンタジックな世界観を加え、主人公候補も3人登場する、という壮大そうな物語を物凄くコンパクトに凝縮し、その分必要な説明も端折ってしまった総集編のような王宮ドラマ!!

作品紹介

日本劇場未公開

今回ご紹介するのは、王宮ドラマにファンタジックな要素を融合した武侠作品です。

それでは。まずはあらすじから、

中国、唐の時代、画家の呉道士は、姜子牙が残したとされる伝説の書【千里不周山】の解読を命じられる。

その解読には、書を書くのに使用された【封神筆】の行方を追う必要があり、その場所はある山奥にある洞窟内に存在していた。

【封神筆】を追い求める呉道士だったが、その過程で、本人も気づかないうちに、王宮内のある陰謀に巻き込まれようとしていたのだった!?

封神演義)っぽいタイトルですが、そうではなく、(封神演義)の主人公である姜子牙が遺したとされる神の武器【封神筆】にまつわる物語となっています。

ですので、姜子牙が登場してストーリーを盛り上げるような展開ではなく、その神器(実際は剣です)の争奪戦を描いた作品となっています。

ただ、一応そういう流れで物語は進んで行こうとはしますが、実際には【封神筆】の争奪はオマケのような感じで、

王宮内でのわがまま息子のやりたい放題と、その放蕩ぶりに自身の愛する女性まで差し出してしまった将軍の、その後の破天荒ぶりがメインで描かれ、

そこに微妙に部外者な主人公の青年、呉道士(ずっとややこしかったのですが、道士はただの名前なので、特にキョンシー退治をするわけではありません)の活躍が挿入され、

さらにヒロインチックに登場する洛陽一の美女・公孫媚の活躍が、なんとなく描かれる、という正直、誰が主人公なんだ?というような構成になっています。

影の薄い本筋と微妙に無関係な主人公候補2(実際の主人公)
一番ドラマチックな主人公候補2(実際はライバル)
前半やたらと目立ちすぎる物語にはそれほど絡まない主人公候補3(実際に一応ヒロイン)

例によって76分テレビドラマの初回スペシャル、ぐらいの上映時間ですので、ドラマをしっかりと描く余裕もなく、

総集編のような端折り方なので、主人公っぽい3人がどんな性格なのか?などの情報はほとんど無く、やっぱり厭な王宮内のドロドロのみが強調されていきます。

因みに日本版のDVDジャケットイラストは女性主人公の武侠アクションっぽいイメージですが、そういう展開には全くなりません。

というより、主人公候補の3人うち、この女性キャラクターが一番出演シーンが少ないです。

カッコ良いですが、本筋とはあんまり関係ありません

この3番手の主人公候補の美女、公孫媚を演じるのは、人気テレビドラマ(溺愛ロマンス ~初恋、やり直します!~)や、(将夜 ~戦乱の帝国)等に出演し、

映画ではシェー・ミャオ孫悟空を演じた(西遊記 孫悟空VS7人の蜘蛛女)(詳しくはこちら)等の人気シリーズ(ドリームジャーニー)の2作目

大梦西游2铁扇公主)にヒロイン役で主演しているホアン・イーリンです。

中国版ViViの専属モデルや日本のプリクラ機のイメージガールとしても大活躍中という事で、今後も日本で紹介される機会は増えそうです。

ホアン・イーリン
ホアン・イーリン
ドリームジャーニー2作目

で、一応、物語的な主人公である呉道士を演じるのは、ベニー・チャン主演の(王朝の陰謀 恐怖の人体実験と黒死病)(詳しくはこちら)等に出演していた

若手注目株のゴン・シャオジュンです。

一応、役柄的には画家でありながらも剣術の達人、という事のようですが、なんというか、正直画家としても、剣術の達人としても説得力がほとんど無く、

例によってワイヤーで豪快に(いつもの数倍飛びます)びゅんびゅんと吊られ放題に吊られますが、吊られ過ぎで身のこなしや雰囲気が伴っていないので、

華奢な草食系イケメンがワイヤーで振り回されているようにしか見えないのが残念です。

ゴン・シャオジュン
ゴン・シャオジュン

で、恐らくドラマ的には一番ドラマチックな展開があって、前半と後半で変貌を遂げる将軍役であるリー・シャオ二ンが、本来ですと主役という事になるかと思われます。

ただ、弟弟子である草食イケメンが軽めの主人公として登場しますので、重いドラマは全て受け持つ、という感じで、後半どんどんキャラクターが変貌していきます。

そんな裏の主人公を演じるリー・シャオ二ンは、これまでにも多くのテレビドラマや映画で活躍している草食ではないイケメンで、

しっかりとした実力もあり、善人も悪人演じる事ができる実力を本作でも披露しています。

リー・シャオ二ン

武術アクションは、ワイヤーが通常以上に過多ぎみで、途中CG等の法術的な表現も登場し、

王宮などのドロドロドラマでありながらも時々、思い出したようにファンタジックな表現になったりする、なんでもありの世界観ですので、

武術系のアクション映画というよりも、

ファンタジックなアクションと世界観のドロドロ王宮ドラマ、といった感じでしょうか。

クライマックスは、CG等のファンタジック系が全開となりますので、ワイヤーでの吊られ過ぎもある程度慣れてしまいます。

ただ、何故かわかりませんが、ホワン・イーリンが舞い踊るシーンや、アクションを行うシーンは、専用のスタントマン(ウーマン)が付いているのか、

非常に動きが良く、特に始まって早々に披露される踊りのシーンでは観ていて普通に魅了されるような踊りを披露しています。

もしかするとスタントマン(ウーマン)というよりホワン・イーリン自体がバレエ等の経験者で、身体能力が高いのかもしれません。

草食系はまったく動かない、お人形さんのようでしたが、、、

吊られて大の字状態で浮く主人公
クライマックスで突然覚醒して登場し、筆を手に戦う主人公(説明は全くありません)

という事で、王宮ドロドロものにファンタジックな要素を加えた、例によって短い作品となりますので、何かの合間の隙間時間にでもご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。

あと、九尾の狐も登場しますが、何のために登場したのか、さっぱりわかりませんでした。

意味ありげに登場しますが、そんなに物語には絡みません
こちらも、そんなに関係ありません。
本来はヒロインのはずですが、パートナーが主人公ではないので結果そんなに活躍しません
本来は悪役でそれなりに目立つはずですが、結局そんなに登場しません
後半、目を負傷してしまう主人公
夢の中で、仙人のような人物に出会い、、、その後何故か覚醒、、、

作品情報

2021年製作 中国製作 武侠アクション

監督 チン・カイ

出演 ゴン・シャオジュン、ホアン・イーリン、リー・シャオ二ン、イン・イェジ

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【中国映画】ダイナスティ 王宮の秘剣(封神:画圣归来FENGSHEN PAINTING SAINT`S BACK)76分」への2件のフィードバック

  1. S原

    まぁくさん、こんにちは。「あなたの知らないワゴンセールの世界」のS原です。

    いやはや、今回の「クラッシュofザ忍者」もハリケーンマックスな出来のようですねえ。しかも、このジャケットのダサさ……なのに気になる……すごく観たくなる……この不思議な感覚はなんと言えばいいのでしょうか?Z級映画ファンの業(カルマ)かもしれません。

    ビデオジャケットのサングラスおじさん!味がありますねえ。スタローンに似せるにしてもランボーやロッキーでなく、コブラに寄せるのがなんともまた(笑)

    電話の場面で2つの映画を強引に繋げる、、、、、確かにナイスアイデア(?)ですね。というか、そこまでして1本の映画を作ってしまう熱意があれば、ちゃんと1本の映画を作ったほうが良いような気がしますが、そういう熱意があっても面白い映画になるわけではないんでしょうね。

    最後のバトルシーンの連続写真、最高ですね~。大笑いしましたよ。なぜそこまで忍者にこだわるのか。絶対日本人よりも忍者に詳しいですよ。

    今回も楽しい記事をありがとうございます。
    これからも、ハリケーンマックスな映画の紹介を楽しみにしています!

    追伸:
    ツイッターで触れている「スターゲイト」。ぼくはダメでしたねえ。ゲートに行く前は面白いんですが、ゲートをくぐった後の砂漠みたいな場所がどうも肌にあわなかったです・・・
    もしも、「スターゲイト」と「クラッシュofザ忍者」のDVDが並んでいたら、迷わず「クラッシュofザ忍者」を選びますね。ぼくだけかもしれませんが、、、、いやいや、まぁくさんもそうするでしょう、間違いなく(笑)

    返信
  2. S原

    あ、間違えました。
    違う映画のところにコメントを残してしまいましたので、「クラッシュofザ忍者」に同じコメントを貼っておきます。すいません・・・

    返信

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