おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
朝廷直属の護衛機関、錦衣衛の活躍を描いた痛快武侠アクション、、ではなく敵対する勢力による朝廷内陰謀サスペンス!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、朝廷直属の護衛機関である錦衣衛の活躍を描いた武侠作品です。
それでは、まずはあらすじから、
明朝時代、皇帝直属の特殊部隊、錦衣衛の崇明は、諜報機関、東廠の督主、白飛凰が銃や火薬を秘密裏に入手し謀反を企んでいることを知る。
そこで、捜査を進める崇明だったが、逆にその危機を察知した崇明の策略にはめられ、謀反企みの濡れ衣を着せられてしまう。
追われる身となった崇明は、自身の身の潔白を晴らすために奔走する!?
朝廷直属の権威ある機関、錦衣衛の活躍を描いた武侠作品です。
錦衣衛を描いた作品は、日本で有名なとろこではドニー・イェン主演の(処刑剣14BLADES)や、
チャン・チェン主演の(ブレイドマスター)、そしてその続編である(修羅:黒衣の使者)などがあり、
その他にも未公開ではありますが、(燃えよデブゴン)シリーズでお馴染みのリョン・カーヤン主演、ショウブラザースで製作された大作(錦衣衛)や、
その他にも数々の映画や小説、テレビドラマ等の題材として人気を博してきました。
その人気の魅力は、なんといってもその朝廷直属の機関で、結構な権限を与えられている極めて気密性の高い組織なので、
結局何をやっていたのかはっきりと分からないグレー部分がかなり存在するので、朝廷の裏の(闇の)部分に絡んだ仕事をしていたのでは?
という側面から、作品によっては都合の悪い人物を抹殺する暗殺部隊のように描かれたり、本作のように正義の秘密警察のように描かれたり、
ときには007のようなスパイエージェントのように描かれたりと、
架空の映画作品の題材にしやすいために、人気が絶えないのではないかと思われます。
で、本作では、その錦衣衛を完全に正義を行う朝廷直属の警察機関という設定で、そのライバル機関的な存在として、
【東廠】という機関が登場します。
よくわからない機関で、日本での宣伝文句では、【特務機関≪錦衣衛≫vs諜報機関≪東廠≫!】となっていますが、
やっぱり、よく分かりません。
とにかく、なんとなくお互いの存在を敵視している同じような権限を持つ特殊機関という事で、どう考えても二つ存在すること自体が問題のような気がしますが、
朝廷内陰謀ものの物語で、トップにいる人は大体何も考えていない事が多いので、本作でも悪者が陰謀を企て放題になっていきます。
で、その【東廠】のトップである白飛凰が、銃や火薬を密輸し、謀反を企み放題に企んで、計画を進めている所を敵対勢力である
錦衣衛の主人公、崇明とその相棒に見つかってしまい、逆に謀反企ての濡れ衣をどんどん着せていく、という展開になっていきます。
要するに錦衣衛である主人公がライバル組織【東廠】に濡れ衣を着せられて、その身の潔白を証明していく物語です。
例によって基本は、この朝廷内ドロドロ濡れ衣物語がメインですので、神妙な面持ちで濡れ衣を着せられていく過程が延々と描かれていく事になります。
この全く痛快さを伴わないドロドロ陰謀物語で思い起こされるのは痛快カンフー作品と思いきや、不快なドロドロ陰謀物語だったという(カンフー・タイガー広東の虎)(詳しくはこちら)がありましたが、
本作も基本は主人公の痛快ぶりより、悪者の不快感ぶりの方が優ってしまう描かれ型の作品となっています。
そんな陰の薄い主人公を演じるのは、ハリウッド作品(アルティメット)や、いつも通りの孤島が舞台の巨大ワニ映画(メガクロコダイル)、
ニコラス・ツェー主演、ラウ・チンワン共演の(バレットヒート消えた銃弾)等に出演しているリー・グアンディン(エディ・リー)です。
で、ちょっと(ブルース・リー物語)(詳しくはこちら)に主演している偽ブルース・リーホー・チョンドーに似ている相棒役を演じるのはマ・ジュンチャオ、
で、実質主役のようにやりたい放題に、鼻声で謀反を企みまくる悪党役で、ワイルドな魅力のリー・ヤン、
そして、主役とライバルの攻防に巻き込まれるヒロイン役にナイ・ウェンという今が旬のキャストが揃った作品となっています。
そんなキャストが揃った作品ですが、アクションはやはり淡白気味で、基本はいつものように吊られワイヤーのマペットアクションですが、
後半には一応ラストバトルも存在し、ウォン・カーワイ監督の(グランドマスター)以降、流行りの一つとなった、
雨の中、しかも夜間でのカンフー対決、という名シーンを真似ていきます。
ただ、勿論それをマペットアクションとカット割りメインで模擬しても限界はすぐに見えてしまいますので、
結局なところ、激しすぎる雨と夜間とスローとカット割りの連続で終始何をやっているのか全く分からないバトルとなっています。
一応、その他にもアクションは少し入りますが、基本はマペットアクションなのでごちゃごちゃやっている間に終わってしまいます。
という事で、アクションもストーリーも痛快さはありませんが、一応朝廷内ドロドロ物語、という点に関してだけは、その展開を堪能できますので、
そういった作品を楽しみたいという方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
因みに本作は2017年に惜しくも亡くなられた(タイガー&タイガー)(詳しくはこちら)等の多くの傑作カンフー作品で高速カンフーを披露しているレジェンドアクションスター、フィリップ・コーがアクション指導として参加している作品となっています。
ほんの少しでもアクションキャストとして活躍している雄姿が観たかったですね、、。
作品情報
2018年製作 中国製作 武侠アクション
監督 スン・チュアンリン
出演 エディ・リー、リー・ヤン、ナイ・ウェン、マ・ジュンチャオ
その他の武侠アクション作品
(水滸伝)に登場する人気キャラクター林冲にスポットを当てた外伝(水滸英雄伝)はこちら
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