おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ありがちな設定のモンスターパニックものながらも、退治する側の特殊部隊の物語を中心に描いたちょっと異色なバトルアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、巨大化した蜘蛛と人間が戦うバトルアクション作品です。
それでは、あまずはあらすじから、
砂漠地帯にある研究所で、実験用の蜘蛛が巨大化し、研究員たちを襲う事件が発生する。
編成された特殊救助隊員達は、チェン博士とボディガード、クーと共に研究所を訪れるが、そこは蜘蛛が支配した地獄と化していた!?
中国映画界では武侠ジャンルの次に人気の、モンスターパニック作品(その次が、動かない冒険アドベンチャーで、その次が動かないカンフー映画ぐらいでしょうか)です。
今回は、蜘蛛が巨大化、という事で、他の作品で何度も観ていますので、新鮮味は全くありませんが、本作が(一応)他の作品と違うのは、
他の中国系モンスターパニック作品にありがちな、モンスターを中心とした物語に、ついでのように人間ドラマを描く、というような構成ではなく、
あくまで人間側目線で物語は展開され、巨大化した蜘蛛に支配(と言っても、救助隊が組織されたときは蜘蛛の存在は確認していませんが)された研究所員を救出する特殊隊員達の物語が展開されていきます。
ですので、84分と微妙に短めの作品ではありますが、それなりに感情移入できるように、隊員達の人間性やドラマも描かれていきます。
この人間性を描く、という根本が、近年の配信専用目的で製作された中国映画には抜け落ちていて、冒頭から、まるで途中から観始めたようなブツ切り状態で物語が始まる作品が多い中(既に始まっている物語発端の描いていない物語を、ナレーションか字幕で強引に誤魔化しながら始まる作品が多い)、
本作のように、一応それぞれの隊員達のキャラクターも描いているような作品は、貴重な部類に入るのではないでしょうか。
で、その一応人間性の見えるキャラクターを演じているのは、主人公の隊長役に、(唐门之神犼双雄)等の武侠作品等で活躍しているスー・ユーチン、
救出隊に加わる博士のボディガードとしてメンバーに加わる謎のレディドラゴン役に、フレッシュなリー・シャオアイ、
そして、まるで主役のように表記されていますが、前半と後半に少ししか登場しない(少林寺激怒の大地)や(天山回廊)(詳しくはこちら)、(リスタートアース)(詳しくはこちら)等、
最近の中国作品でも、ゲスト出演が多いユー・ロングァン、
という、レジェンドとフレッシュなキャストを組み合わせた話題作となっています。
実際の内容としては、モンスターパニック作品なので、非常にシンプルで、音信不通となった砂漠にある研究所の所員を救うために特殊部隊チームが出動する、
という分かりやすい大筋となっています。
で、その人間側目線の特殊部隊の活躍ぶりの描き方もさることながら、救出隊のメンバーに参加している博士とボディガードのレディドラゴン(格闘シーンは一応ありますが、オマケ程度です)の
二人が、非常にミステリアスですので、最近の中国作品の流れで予想すると、こういう何かありそうなキャラクターは後半暴走し、
ドロドロの外道へと変貌して、やり過ぎで不快感も伴ってしまう、というのが一つのパターンとしてありますが、
本作に登場する博士は、意外にもそんなに悪人ではない、というより本当に普通の博士で、最後まで事態をなんとか収拾しようと努力する、
というストレートなキャラクターとなっています。
逆に、他の人物が暴走はするのですが、その人物にはそれほどスポットが当たっていないので、不快感を伴う事はありません。
その暴走ぶりは、相変わらず普通の蜘蛛パニックでは終わらせたくないのか、完全にモンスターと化してしまいますので、
クライマックスには完全にリアル感は無くなってしまいますが、次々とモンスターの前に命を散らせていく隊員達の散り際のドラマは、
それなりにしっかりと描かれていますので、意外にもグッとくるラストバトルとなっています。
途中一切蜘蛛が出てこなくなる時間帯が長めに続くので、蜘蛛パニック映画だと忘れそうになったりもしますが、
その分隊員達の友情と戦いは描かれますので、これはこれで結構楽しめる内容となっています。
という事で、蜘蛛パニック、という今さら感のある作品ではありますが、最近の中国のモンスターパニックものの中では楽しめる作品となっていますので、
モンスターパニック好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
それにしても、レディドラゴン、片腕サイボーグで、ライトセーバーを振り回して黒いマントを羽織って雰囲気満点ですが、、、、。
見かけほどには活躍しないのが残念、、、。
作品情報
2021年製作 中国製作 モンスターパニック
監督 リー・ヤードン
出演 ユー・ロングァン、スー・ユーチン、チョウ・ハンユァン、リー・シャオアイ
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