中国映画界の人気ジャンル、モンスターパニックの新作は、狂暴化する試薬を投与された後に脱走し75年間も経ってやっと帰って来た巨大ダコ!!
おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、試薬によって巨大化、狂暴化したタコが暴れまわるモンスターパニック作品です。
それでは、まずはあらすじから、
漁師でもあり、浜辺で食堂も経営するフォンは、奇妙なタコを捕獲する。
しかし、捕獲と同時に、今度は謎の巨大ダコが浜辺に現れて、フォンの食堂は破壊されてしまう。
そんな時、新進気鋭の若手社長から捕獲したタコを高額で購入したい、との申し出があるが、知り合いの科学者には、
大ダコ暴走との因果関係がはっきりするまでは、売ることを止められるのだった。
フォンが悩む中、大ダコの猛威はさらに、過激さを増していく!?
中国映画の人気ジャンル、モンスターパニック映画の最新作です。
サメ、ネズミ、ゴキブリ、蛇、クロコダイル、恐竜、雪男、等、なんでもかんでも節操なく人類の強敵として登場してきましたが、
今回はタコ、という割りと今までにもあったような題材のモンスターパニックとなっています。
主人公を演じるのは、今まで数々の(日本未公開の)中国映画やテレビドラマでキャリアを積んでいるリウ・ムー、
ヒロイン役には、(トランスフォーマー/ロストエイジ)や、(モンスタートラック)、(ミッドナイトドライバー)等のハリウッド作品で国際的に活躍しているキャンディス・ツァオ、
そして、嫌みなヒール系のキャラクターに映画やテレビドラマで活躍の場を広げているニコラス・ツェー似の若手俳優チャン・ハオチョン、
と、話題のキャストが揃った作品となっています。
物語は、主人公達3人組のズッコケ漁師チームが、ある日ちょっと大きめの奇妙なタコを捕獲するところから始まります。
で、とりあえず、売れば大儲けできるかも!?という事で、大事に持ち帰り、水槽に入れた、ところで初めてこのタコの全身が映ります。
、、、、、、、
、、、、、、
ファンタジー作品?
リアルな生きるためのサバイバルが描かれるはずのモンスターパニック作品で、いきなり、あまりにもファンタジーすぎる生き物の登場に出足払いを食らってしまいますが、
とりあえず、物語自体は、通常のモンスターパニック作品のていで、ストレートに進んでいきます。
で、例によってそのタコをゲットして一儲けしたい、若手実業家が登場し、さらにその若手に雇われた外国人傭兵軍団も参加、
そしてヒロインは、タコを売ってはいけない、としきりに訴えかける女性科学者、という非常に型通りのキャラクター配置の展開となっていきます。
ただ、ヒーローであるはずの主人公が少し頼りないおじさん、というか、頑張っているおじさん、という感じで、
ヒロインの科学者には以前から想いがあり、おそらく既に何度かアタックして粉砕している過去もありそうで、
タコを高額で購入したいと若手社長に申し出を受けた後に、ヒロインとタコの会話をした時も、
主人公『君ならそのタコを無料で上げるよ、、、』
主人公『俺と結婚してくれたら』
ヒロイン『、、、、、』
という感じで、泥臭さをアピールしていきます。
で、そこから、その子ダコとは別に、本当の主役とも言える大ダコが登場しだして、人間たちを襲い出すのですが、
ある日、大ダコの襲撃に合って、主人公漁師チームの経営する浜辺の食堂(意外におしゃれ)が粉砕されてしまいます。
なんとか逃げ延び、皆満身創痍のボロボロの状態で、食堂も何も無くなってしまった主人公とヒロインがたまたま一緒にいたので、
なんとなく、良い雰囲気になっていきます、、、、が、、、
ヒーローとヒロインが悲劇にあって、傷ついたお互いを慰め合うかのように結ばれる、という良くありがちなシーンでも、
タコを口実に結婚を迫る、というおじさん主人公の卑怯者設定を先に見てしまっているためか、はたまた普通に主人公のおじさん度合いが強すぎるためか、
傷を癒し合っているというより、おじさんがチャンスとばかりに高嶺の花にガッツいているようにしか見えません。
それ以上は見たくないな、と思ったギリギリのところで、主人公の舎弟分の2人から連絡が入ります。
舎弟『食堂は無くなったけれど、またこれから、二人で猟に出て魚を沢山獲ってくるので、兄貴とまた3人で食堂やろうぜ!』
という、ホロっとくるメッセージが届きます。
で、欲望が時切れたのか、そのまま(多分)次の日を迎える、という展開になり、おじさんのガッツきは一旦収まります。
で、なんだかんだとあって、大ダコを主人公自身が倒しに行く、という展開になっていきます。
ここから、主人公、ヒロイン、若手社長、傭兵チームで、タコとのバトル展開になっていきます。
中国製作のモンスターパニック作品、最近だけでもサメ作品を中心にかなり製作されていますが、意外に海でストレートに決着をつける作品は少なく、
大概が、どこかの無人島で行われた実験によって凶暴化、巨大化した動物がモンスター化しているので、
島外から主人公を始めとした戦闘員等の特殊チームが、モンスターと戦うためにやってくる、という流れの作品ばかりですので、
登場人物の配置は本作も他作品と同じものの、物語の後半の盛り上がる部分をちゃんと海で迎える作品は貴重な作品となっています。
で、大ダコと、ついに相まみえる(といっても全身は映りませんが)事になり、激闘が開始されます。
傭兵チームのマシンガンが唸り、大ダコの足がぶんぶんフリ回され、ついに傭兵チームはバズーカまで持ち出してタコにダメージを加えていきます。
で、なんとか一時撃退し、実は、そのタコは75年前のドイツで、ある科学者が兵士の戦闘能力を上げる目的で開発された試薬の実験によって生み出されたタコである事が分かります。
で、その実験施設が、、、
これから向かう島にある!!という事実が判明します。
やっぱり、無人島!!
で、無人島に上陸した後は、島を舞台にしたいつものようなチェイスといつものようなバトルが展開されて、
いつものように、調子に乗った悪人は、最終的にモンスターにやっつけられる、という、結局既視感満載の、いつも通りの展開で終幕となっていきます。
ただ、いつもと少しだけ違うのは、嫌みキャラだった若手社長が、最終的には、人間味を全開に出す、という近年の中国作品にはなかったような人間の成長が描かれている部分です。
この展開が、意外に胸に刺さり、ちょっと(だけ)涙腺が緩むぐらいのシーンとなっています。
ニコラス・ツェー似のチャン・ハオチョンが全然外見に似合っていない、憎たらしいキャラクターを演じていましたが、最後は、外見に見合った熱めの展開が印象に残ります。
という感じで、ちょっと違う展開のモンスターパニック作品かと思えば、いつも通りになり、やっぱりそうかと諦めると、ちょっと泣かせる展開にもなる、
という、少しだけ異質の作品となっていますので、中国映画好きの方や、モンスターパニック好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
で、最終的に生き残ったヒーローとヒロインは熱い口づけを交わしますが、またしてもおじさん主人公の
【チャンス再び!】的な、ガッツき具合を最後の最後まで、味わうことになります。
今回は舎弟二人のメッセージは届きませんので、もう観たくなくなるギリギリのところで、、、、
スタッフロール!!!!
作品情報
2020年製作 中国製作 モンスターパニック
監督 フランク・シアン
出演 リウ・ムー、キャンディス・ツァオ、チャン・ハオチョン、ダニエル・ガン
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