おすすめ度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人質救出のために、たった4人の傭兵チームが危険地帯で地獄の戦闘を繰り広げ、最終的に何故かランボーの主題曲が流れながら、ランボーそっくりのラストシーンで終わるミリタリーアクション!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、あまりに短い上映時間のこじんまりとしたミリタリーアクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
内戦によって多くの犠牲者が出ている某国に国連は医療チームを派遣した。
しかし、そのボランティアチームが過激派によって襲われ拉致されてしまう。
そこで拉致された被害者家族は、凄腕の傭兵チームを雇い、人質救出作戦を開始する!?
四人だけの傭兵チームが活躍するミリタリーアクション作品です。
主人公達に救出されるヒロイン役には、(鬼吹灯)シリーズの(云南虫谷之献王传说)等にも出演しているリュー・ジュンヤオ、
特殊部隊中、最も若手で正義感の強いメンバー役で、シェー・ミャオ出演の武侠作品(大汉十三将之血战疏勒城)に出演しているシー・カイユ、
そして、特殊部隊ウルフチームの隊長役で、武侠作品(七品神探)等にも出演しているユー・ジェンユーが登場し、物語を盛り上げています。
で、本作、ヒットしたのかどうか分かりませんが、一応翌年の2020年に続編が製作されていますので、恐らく一定の指示は受けた、作品だと思われます。
しかも、そちらはまさかのルイス・ファンが主演ですので、一応有名な香港スターを招くほどに期待がかけられた続編のシリーズ第一弾となっています。
因みに、本作出演のリー・ジュンヤオとユー・ジェンユーは二作目にも出演しています。
ただ、続編に関しては多大な期待がかけられて製作されているようですが、本作は中国製作の配信専用作品にありがちですが、上映時間が極端に短く、
まさかの67分(因みに2作目は88分です)という、映画作品の概念さえ考えさせられるような作品となっています。
そんな短さで、本当に映画としての物語がしっかり描けるのか?という感じですが、勿論十分描けるはずもなく、
某国の危険地帯で、ボランティアとして医療に従事している女性が、速攻で武装集団に拉致されてしまい、
そこから武装集団の基地に連れていかれ、(どれぐらいの期間監禁されていたのか分かりませんが)暫く後に、連れ出され、
処刑場のような場所で、銃を額に向けられた絶体絶命のピンチに、武装集団に紛れ込んでいた4人だけの特殊部隊(ウルフチーム)に助けられ、
そのまま4人のウルフ+医療関係見習い女子1人のメンバーで、救助ヘリとの待ち合わせ地点まで移動を開始する、
という物語の見せ場になりそうな部分だけを抽出したような作品となっています
要するに、
人質を助けて集合場所に着くまで、だけを描いた物語です。
ですので、登場人物のある程度のキャラクターは描かれます(気が強い、とか正義感が強い、とか無口等だけです)が、
物語全体の背景が描かれませんので、実際の所、この特殊部隊は、少なくともお金をもらって人質救出に来ているので、軍隊ではなく傭兵だと思われますが、
どういう事を目的とした特殊部隊なのか?最終的にウルフチームは第6部隊と他の部隊員に呼ばれますが、どういう規模の組織なのか?
等、一斉説明もなく、4人+1人のミリタリーアクションだけが描かれていきます。
さらに、一応主役級に重要な存在となっているヒロインも、そんなに背景が描かれる事はなく(わがままぐらいは直ぐに分かります)、
ただの医療関係の仕事に就きたいだけの女学生を、救出するためだけに、傭兵を4人を雇う両親が、一般家庭の両親にはとても思えませんが、
両親は電話の声でしか登場しませんので、ヒロインがどれほどの重要人物なのかも分かりません。
大富豪の娘で、利用価値があるので誘拐された、とかだとまだ分かるのですが、、。
しかも、そんな薄い設定の物語を一応展開させる手段として、ヒロインがとにかく自我が強い、というかわがままというか、
不意に拉致されて、有無を言わさず銃を額に着きつけられ、もう射殺されるしかない、という絶体絶命のピンチを救ってくれた4人の命の恩人に対し、
一言のお礼を言う事もなく、仲間も拉致されているので、仲間も助けてくれないと一歩も動かない、
というまさかの態度で、
さらに、
無防備な精鋭チームの腰にぶら下がっている手りゅう弾を奪って、助けてくれないと、これを爆破させる、
という、まさかの脅しまでしてきます。
『薄情者!!』と罵った上に、です。
要するに、ピンチを手っ取り早く作るためにヒロインを暴走させる、という流れですが、結局、車で移動している際に襲われて、
車が動かなくなってしまったので、近隣の武装勢力の基地を襲ってトラックと奪おうとしたら、偶然助けて欲しかった仲間もそこに囚われていて、
ウルフチームの正義感担当が、チームを全員危険に晒して独断で救出してしまい、結果的に敵に見つかって激しい追撃を受ける事になる、
という人助けが逆に仇になる、という展開に突入していきます。
さらに、この人質の3人の女性ですが、不自然なぐらいに台詞を一切話さない、モブキャラクターのような扱いで、
勿論、ヒロインのように助けてもらった感謝の言葉や態度も一切なく、話さないどころか、画面にほとんど映らずに、
たまに映れば3人が身を寄せ合って、しゃがみ込んで、下を向いてばかりいるので、顔さえ映らないという扱いで、
そこまで、ドラマに絡まないのなら、何故助けるエピソードが挿入されたのか、疑問だけが残る登場人物となっています。
ついでに一人は撃たれてしまう描写がありますが、他の2名は最終的にどうなったのか?その存命確認さえできません。
どうも、人質救出や、人間ドラマ等を描くより、部隊員のメンバーの英雄的な死に様は、しっかりと描きたいようで、
短い分数の作品なのに、メンバーが壮絶な死を迎えるシーンだけはやたらとスローモーションとカット割りで、ゆっくりと死を迎えます。
こういう作品で、仲間との悲しい別れというのは、勿論王道の見せ場の一つではありますが、そのシーンを見せようとするために、
それ以外の多くの見せ場になりそうな要素を沢山犠牲にしているとも言えそうですので、その辺のバランスがもう少しドラマに比重がおかれていたら、もっと楽しめる作品になったように思えるのですが、どうでしょうか。
なんとなく、正義感を出したために、全て悪い方向に向かってしまったような、、、。
軍隊を描いた作品ではありませんので、プロパガンダ的な要素はありませんが、それでも、恐らくミリタリーっぽい恰好をした英雄が大勢の敵の中を果敢に立ち向かう、
というシチュエーションが、物語性などを度外視しても、受け入れられる、という事なのでしょうか、、、。
という事で、正直物語は、スカスカのペラペラですが、ミリタリーアクションシーンは十分堪能できる(と言っても、軽武装で銃を撃ち放題に撃ちまくっているのに、クライマックス以外では全く弾切れがない、という非現実感はありますが)作品となっていますので、
ミリタリーアクション好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
短い分数の作品なので、冒頭のヒロインのわがままぶり以外は、意外にサラっと楽しめますよ。
ただ、本作何を思ったのか、クライマックス近辺で、英雄的なシーンが流れた後に、まさかの(ランボー)のテーマ曲がそのまま(もしかするとほんの少しだけ音程を変えているのかもしれませんが、ほぼ原曲通りに聞こえます)流れた上に、
その後のラストシーンが、(ランボー)のラストシーンをそっくりそのまま真似る、というリスペクトでは済まないような締めくくりで、終幕を迎えることになります。
あからさま過ぎて、観ていてちょっと恥ずかしいですが、リスペクトやオマージュは本編中に、匂わせる程度に挿入する、ぐらいの方が良いと思いますが、、、どうでしょうか。
因みに、作品内容とは関係なく、どうでも良い事ではありますが、日本版のDVDジャケットの英語表記が、(OPERATION WOLF)とわざわざ単数形になっていますが、
分かり易いカッコ良さを重視したのか、単なる間違いなのか、良く分からないですね、、、。
作品情報
2019年製作 中国製作 ミリタリーアクション
監督・編集 イン・チェンヤン
出演 リー・ジュンヤオ、ジョエル・エイドリアン、シー・カイユ、ユー・ジェンユー、チェン・シンギュ
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