おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
無軌道な姉妹を中心にダーティ刑事との対決を描く女性主人公のバイオレンスアクション！！
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、（ドラゴンアームズ危険的刑事）のルー・チェンクーが製作した独特の展開の女性アクション作品です。
それでは、まずはあらすじから、
フンとサルの姉妹は、無軌道な犯罪を繰り返していたが、彼氏に捨てられたリンを救った事で、その彼氏である刑事に戦いを挑む事になる。
刑事は、フン達を逮捕するために、卑劣な手段を使って追い詰めていき、ついにフンとサルは銃火器を手に決死の戦いを仕掛けていく事になるのだった！？
女性主人公の香港ノワールとも言えるアクション作品です。
監督はラウ・チンワン主演、ルイス・クー共演の警察もの（龍虎新風雲）や、ダニー・リー主演、ニック・チョン共演の（重案實錄之驚天械劫案）等の
アクション作品で知られるウォン・カムティンで、香港映画らしいアクション展開を演出しています。
主演は、（バイオレンスコップ復讐計画）（詳しくはこちら）や、レイ・チーホン主演の（神探乾濕褸）等に出演しているイー・チーワイで
気性の激しいヒロインをアクション満載で演じています。
そして、途中参加ながらも後半主人公のように活躍していく役柄で、ユン・ピョウ主演の（タイムソルジャーズ）や、
アンディ・ラウ主演の（法内情）等に出演しているン・マンリンが登場し、戸惑いながらも事件の当事者となっていく役柄を好演しています。
で、主人公の妹役で、チャーリー・チャンやフィリップ・コー主演の（殺出黃國）等に出演しているイー・マンヨックが出演し、
姉と共に男性陣を圧倒していきます。
で、刑事役ではありますが、極悪非道なキャラクターで、テレビシリーズ版の（射雕英雄傳）等が有名なチャン・ワイキョンが出演し、
仁義を通すかと思いきや、どんどん外道街道を突き進んでいく刑事役を演じています。
で、一応ゲスト的にではありますが、主人公達を助けようとする元カレ役で、（誘拐同盟スクランブル5）（詳しくはこちら）や、
（少林寺英雄伝）等で俳優としても活躍し、監督としても（ワンナイト・イン・モンコック）等の傑作を演出しているイー・トンシンが、
中盤、主人公達を導いて物語を引っ張っていきます。
で、途中参加的に登場しながら、終盤主人公のようになっていく役柄で、本作と同じルー・チェンクー製作の（ドラゴンアームズ危険的刑事）（詳しくはこちら）でも、
同じような役柄を演じていたラウ・シウクワンが登場し、アクションを繰り広げます。
そして、そのラウ・シウクワンの父親で元刑事役で、（ポリスストーリー）シリーズの大ボス役でお馴染みのショー・ユエンが登場し、
刑事には見えませんが物語の世界観を深めていきます。
さらに、前半はゲスト的ながら、後半になって主役級にアクションを披露する役柄で、本作の製作と脚本も担当している（少林寺怒りの鉄拳）や、
（ドラゴンアームズ危険的刑事）（殺戮の天使たちキラーエンジェル）（詳しくはこちら）等のルー・チェンクーが自ら登場し、爆破の連続アクションを披露していきます。
というスタッフ・キャストで製作した本作の物語は、イー・チーワイとイー・マンヨックの無軌道姉妹が、
姉であるイー・チーワイの元カレであるイー・トンシンの出所当日に迎えに行くところから始まります。
ただ、この姉妹は、元カレを迎えに行くのも、他人が乗車中の車に難癖をつけて、暴行を加えて強引に奪う、
というあまり見かけないような無軌道（というか非道）ぶりで、その奪った車で元カレを迎えに行きますが、服役中に既に改心しているイー・トンシンは、
姉妹との絶縁を心に決めていたようで、会うなり、速攻で別れを告げます。
で、自暴自棄になった姉と、その後について行っている妹は、さらに無軌道になり、詐欺や窃盗などを繰り返していきます。
で、夜の街で、意気消沈な姉を慰める健気な妹でしたが、港近くで、彼氏の子を身ごもりながらも、捨てられてしまい、酷い言葉を賭けられているン・マンリンを目撃します。
で、自ら命を絶とうとしている所を助け、とりあえず自宅に連れて帰ります（無軌道ながらも、善良な心も持っている感じです）。
で、話を聞いて見ると、彼氏に妊娠を告げると、急にキレられて、それ以来話もしてくれない、という酷い仕打ちを受けている事を知ります。
で、この彼氏がダーティ刑事チャン・ワイキョンで、妊娠の事について話し合う時に姉妹も一緒に同席（というか物陰に隠れている）してくれますが、
結局は、刃物を首に突きつける、という話し合いを進められるはずもないような加勢ですので、ヤキをいれて動けなくしたうえに、
そのままチャン・ワイキョンの車を奪って立ち去る、という感じで、
勝手に他人の問題に首を突っ込んで、取り返しのつかないぐらいに問題を広げて颯爽と立ち去ります。
で、車を奪ったものの、警察車両なので、他の車に乗り換える、という事で、今度はコンビニの前に路上駐車していた車に乗り換えます。
で、その時車を奪われるのが、元刑事ショー・ユエンの息子であるラウ・シウクワンで、車を盗まれたラウ・シウクワンは、そのまま乗り捨てられていた刑事の車に乗り込んで、
自身の車を盗んだ姉妹を追いかけますが、結局捕まえられずに、逆に自分自身が警察車両を盗んだ犯人だとして逮捕されてしまいます。
で、逮捕されたラウ・シウクワンは、ダーティ刑事チャン・ワイキョンに取り調べで、ありえない暴行を加えられ、ダーティ刑事と3人の無軌道女子両方に恨みを募らせていきます。
という感じで、無軌道姉妹と彼氏に捨てられた女子、車を盗まれた元刑事の息子、ダーティ刑事率いる警察チーム、という感じで、
本来関係無さそうな違うフィールドの人々が、強引に関わり合って、とにかく荒っぽい展開になっていきます。
因みに、ショー・ユエン演じる元刑事は、ダーティ現役刑事チャン・ワイキョンとも顔見知り且つ、かつては良好な関係では無かったようで、
この二人も犬猿の仲、といった感じになっていきます。
非常にややこしいです、、。
この辺の強引な展開は、流石に（ドラゴンアームズ）や（キラーエンジェルズ）のルー・チェンクー製作・脚本作品という感じで、
ちょっと気を抜いていると、全然関係無いはずの人物が、いつの間にか銃を向け合っているという、強引で難しい人間関係が描かれていきます。
ただ、そこぐらいまでの強引さなら、他の低予算系の香港作品でも見かける事はありますが、ルー・チェンクーがらみの作品は、ここからが真骨頂となっていきます。
※↓ここからは、物語展開に触れていますので、ご注意下さい↓※
その後、無軌道3人娘に復讐したいラウ・シウクワンは、街を徘徊して3人を探しますが、偶然争い事で傷ついているン・マンリンと出くわし、
流れで危機を救った事でなんとなく恋人同士っぽくなり、なんとなく恨みは忘れて、無軌道姉妹と行動を共にすることになります。
この4人のパーティと、ダーティ刑事率いる警察隊の戦いとなっていきますが、これが、そのままクライマックスまで行けば、
それまでの物語の積み重ねもプラスして、盛り上がっていく流れになると思われますが、そうはならないのがルー・チェンクー作品で、
中盤（開始から調度1時間過ぎたあたり）で、、、、
主人公であるはずの無軌道姉妹が二人共壮絶な死を迎えて、あっけなく退場する
という（ドラゴンアームズ）で見た事のあるような展開になっていきます。
で、主人公不在で、残りの30分はどうするんだ？という感じですが、今度は物語開始当初は、影も形も無かったン・マンリンとラウ・シウクワンの脇役コンビが、
まさかの主人公に昇格し、追い込まれたカップルの逃避行が描かれていきます。
で、さらに、この二人だけだと役不足と、製作・脚本のルー・チェンクー自身が感じたのか、前半ゲスト出演的に少しだけ顔を見せていたルー・チェンクー自身が、
いきなり戦闘服に身を包み（脇役主人公カップルも着てます）、カップルの逃亡を手助けするために中東から武器を仕入れに来ていた顔なじみのゲリラに、
武器を無料で提供する代わりに脇役主人公カップルを中東に逃がして欲しい、と出張ってきて、、、、
断られます、、。
こういう流れで断られる、という他の作品では観たことの無いような展開（しかも本人が脚本を書いています）が、
またルー・チェンクーらしく、ことごとく予想を裏切っていきます（まさに、裏切るという感じです）。
で、さらにタイミング悪く（劇中のルー・チェンクーからするとグッドタイミング）、取引中に、あのダーティ刑事軍団の襲撃を受けて、巻き込まれた中東ゲリラと共に、
今度は戦闘服に身を包んだミリタリー軍団VSダーティ刑事軍団のコマンドアクション対決へと突入していきます。
という感じで、前半と後半で、主人公が違うので、メインの物語展開もほとんど変わってしまう、という無茶苦茶な作品ではありますが、
前半の女性主人公の無軌道ぶり展開の珍しさや、合間で挿入されるアクションシーンに関してはしっかりと、香港映画していますので、
不思議と最後まで飽きずに鑑賞できてしまう、という特異な作品となっていますので、香港映画好き、アクション映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1988年製作 香港製作 レディースアクション
監督 ウォン・カムティン 製作・脚本 ルー・チェンクー
出演 イー・チーワイ、ン・マンリン、イー・マンヨック、チャン・ワイキョン、ラウ・シューグン、イー・トンシン、ルー・チェンクー、ショー・ユエン
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