お薦め度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
子供キョンシーとわんぱくキッズの大活躍に、武術指導として参加したアレクサンダー・ルーの超絶アクションが炸裂する秀作キョンシームービー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介するのは、(来来キョンシーズ)のような子供キョンシーとわんぱくキッズたちの交流を描いたキョンシー映画です。
それでは、まずはあらすじから、
キョンシーたちが幸せに暮らしている葬儀場では、女性幽霊サイの誕生日パーティが行われていた。
サイの幼い一人息子キョンシー、シャオロンも楽しく参加していたが、母親を巡って白キョンシーと黒キョンシーの間で争いが起こってしまう。
そこでシャオロンは、自身が家出することで争いをやめてもらおうと一人葬儀場を後にする。
そして、旅先で出会った子供達と信頼関係ができる中、ある目的のために子供キョンシーを探している道士一派と出くわすことになる!?
(セイントスティック 怒りの聖拳!)(詳しくはこちら)や、(レディニンジャ セクシー武芸帳)などの台湾系の多くのカンフーアクション作品で有名な、
リー・ツォーナンが監督・製作し、(龍の忍者)等で有名な染野行雄が製作総指揮に参加したキョンシーアクション作品です。
という事で日本と台湾(香港)合作で思い出されるのは、あのテンテンちゃんが活躍する(来来キョンシーズ)と、そのオリジナルとなった(キョンシーズ)シリーズがありますが、
本作は、その流れをくむようなわんぱくキッズとキョンシーの交流と戦いを描いたファンタジックな物語となっています。
ただ、本作までに既に多数のキョンシーものは製作されている状況でしたので、本作は少し設定をひねって、
キョンシー側から物語をスタートさせて、キョンシー自体を死体とかモンスターとかゾンビ、吸血鬼として描くのではなく、完全なひとつの生き物として、
キョンシーたちの日常生活(というかパーティ?)を描くところから物語は始まります。
ですので、いきなり、キョンシーたちだけの宴が始まり、楽しそうに踊って騒いでいるシーンが続きますので、
もしかすると、ここでいきなり拒絶反応をしましてしまう方もいるかもしれません。
で、さらにしばらく宴は続き、その中のセンター的な女性(キョンシーというより女幽霊)が、踊りを披露して、その後男性の白キョンシーと黒キョンシーに言い寄られて、
困惑しつつも、白と黒が争いだしそれが決斗に発展し、短パン姿に着替えてチェーンデスマッチのような戦いに突入していきます。
ここまでいくと、もうキョンシー映画でもなんでもないような気もしますが、このアクション自体はかなりハイレベルなアクションとなっていますので、
物語展開の割にはしっかりと楽しめるようになっています。
それもそのはず、本作の武術指導は(ニンジャハンター)(詳しくはこちら)や、(激突!魔拳塾)(詳しくはこちら)等でお馴染みのニンジャアクションすスター、アレクサンダー・ルーが務めているので、
アクロバティックで見栄えのするアクションの連続となっています。
ただ、そんなアクションを活かすような物語でもなく、その超絶バトルは、主人公となる子供キョンシー、シャオロンが、
自身がいるせいで争いが起こる(本当は母親である女性を奪い合っているだけのような気がしますが)という、優しい想いを抱いて家出する、
という展開によってキッズ冒険物語へと突入していきます。
で、シャオロンを探す大人キョンシーと逃げる子供キョンシーという展開になっていき、シャオロンは、森で活発に遊ぶわんぱくたちと出会う事になります。
ここからが本作のメインで、子供キョンシーとわんぱくキッズたちの友情物語が描かれていきます。
要するに(霊幻道士2)や(キョンシーズ)等の子供キョンシーが登場する作品の王道展開をもっと濃いめにしていったような展開なのですが、
一応本作を製作もしているVHSの販売元大映としてはスピルバーグ監督の名作(E.T.)を意識しているようで、
その意図がVHSのジャケットにもうかがえます。(勿論自転車に乗って夜空を飛ぶというシーンはありませんが、、、。)
他のキョンシー作品のような、キョンシーの前では呼吸をしてはいけない、とか、日中は活動しない、とか、血を吸う等のモンスター的な魅力は完全に削いでしまっていますので、
そういった設定を活かしたサスペンス描写は皆無ではありますが、それらの設定を無くすことで、子供達との友情物語をより深く描く事ができていますので、
メインの友情物語展開に関しては、大人がやるような熱いドラマを幼い(幼過ぎる)子供たちが演じる事で、
他のなんちゃってキョンシー映画にはない、しっかりとした見ごたえのある物語内容となっています。
一応、本作はキョンシー側が主人公で、道士側が悪人という設定ですので、道士の活躍するシーンが少ないのですが、
悪人側として描かれる道士に子供キョンシー強奪を指示する権力者(要するにラスボス)に(キョンシーグーニーズ)(詳しくはこちら)や、(ニンジャハンター)のチャン・サンが登場しますので、
もう少しアレクサンダー・ルー設計のアクションシーンを味わいたかったところですが、そうすると恐らくキッズドラマが薄味になってしまいますので、
これはこれで絶妙なバランスになっているのではないでしょうか。
という事で、わんぱくキッズと子供キョンシーの友情物語といういつもの展開ながらもキョンシー側から描く事で、別な魅力を発揮している作品となっていますので、
キョンシー好きの方や香港映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
英語題になっているぐらいに子供キョンシーが凄くキュートですよ。
作品情報
1988年製作 香港・日本製作 キョンシーアクション
監督・製作 リー・ツォーナン ツォン・インチェン 武術指導 アレクサンダー・ルー
製作総指揮 染野行雄
出演 チャン・サン、チョン・テウ、チャン・インユー、リー・ハイシン、ラウ・チュンクォック
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