おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ツイ・ハークが特撮を担当したアニタ・ムイ、アンソニー・チェン主演の香港映画らしいゴーストコメディ!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、アニタ・ムイ、ディニー・イップ等の豪華キャストが集結し、ツイ・ハークが特殊効果として参加したゴーストコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
日本人観光客のツアーガイドとして暮らしているチャンは、ある日訪れた骨董店で、願い事が叶うという伝説のある尿瓶を手に入れる。
早速使用してみるチャンだったが、その尿瓶からは黒心鬼と呼ばれる霊が現れ、伝説通りに願い事を聞かれるが、実は黒心鬼にはある別の目的があったのだった!?
(斗え!デブゴン/燃えよデブゴン地獄の危機一髪)(詳しくはこちら)や(鬼打鬼)等に出演しながら、
(モンキーフィスト猿拳)や(五福星)、(ユン・ピョウinドラ息子カンフー)(詳しくはこちら)等のアクション指導等、
多くのサモ・ハン作品等で活躍してきたビリー・チャンが監督したゴーストコメディ作品です。
近年もまだまだ現役で、(カンフースタントマン)(詳しくはこちら)でも、元気な姿が確認できました。
そんな長年香港映画で活躍し続けているレジェンドの1987年の監督作品ですが、本作は残念ながらカンフーアクション要素はないものの、
当時流行りだった(バンパイアコップ)シリーズや(ゴーストキング)、(ゴーストハッスル)等のキョンシーの登場しない系のゴーストコメディ作品となっています。
物語の大筋としてはキョンシー系列の作品では王道ともいえる、ある理由によって呪われた家族が、悪霊と戦うために道士と共にハチャメチャな騒動を巻き起こす、
という感じで、特に新鮮味はないのですが、本作はキャストが非常に豪華で、どちらかというとゴーストコメディ要素よりも、
キャスティングの魅力が一番のセールスポイントとも言える作品となっています。
そんな豪華キャストの主役夫婦役には、夫役に人気バンド【ウィナーズ】のメンバーで映画では(霊幻道士)や同じく(霊幻道士完結編 最後の霊戦)等、
主に脇役としての存在感が凄いアンソニー・チェン、
そして妻役は、(アゲイン 男たちの挽歌3)や(酔拳2)、(奇蹟ミラクル)等の数々の伝説的香港映画で、
明るい魅力一杯にヒロインを演じていたアニタ・ムイが演じ、作品の魅力を高めています。
さらに、本作では、そんなアニタ・ムイが、アンソニー・チェンの怖い奥さん役と、亡くなった気の優しい妹の幽霊役、
という別々の性格の一人二役を演じ分け、物語を展開させていきます。
一応、本作の主役的にはアンソニー・チェンの方が役目を担っていますが、別々なタイプのヒロインを二役演じる、
という事で、活躍度合いはアニタ・ムイの方が大きくなっています。
で、その夫婦が住むマンションに、アンソニーの弟が暫く居候する形で物語が始まっていきます。
その弟を演じるのは、当時愛嬌のあるイケメンスター的な売り出し方をしていた(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ)の2作目以降のフー役を好演していたモク・シュウチョンです。
ちょっと、鈍感なところがありながらも、心根の優しい青年を好演しています。
で、そんな中、アンソニーが勤務するバスガイド会社で訪れた骨董店の店主(演じるのは愛と復讐の挽歌の強面シン・フイオン)から、骨董的価値のある尿瓶を譲り受ける事になります。
この尿瓶には言い伝えがあって、尿瓶を使用して願い事をすると、3つ叶えてくれる、というアラジンと魔法のランプの尿瓶版、
といういかにも香港映画らしい設定のある伝説の尿瓶で、この尿瓶から物語は大展開していく事になります。
で、使用してみると、、、
中から(チャイニーズゴーストストーリー)のイン道士役でお馴染みのウー・マが登場し、願い事を叶えてやる、
という事で、暫く行動を共にしていく事になります。
ただ、ウー・マには別の目的があって、次の人生に転生するために人間の命を9つ奪わなければならない、
という使命があり、その第一の標的としてアンソニーを狙っている、という事で、お待ちかねのゴーストドタバタ展開へと突入していきます。
で、そのアンソニー夫婦の強力な味方となってくれるのは、アニタの麻雀仲間の近所の奥さんで、その奥さんを演じるのが、
(サイクロンZ)や(燃えよデブゴン4ピックポケット)(詳しくはこちら)等でサモ・ハンのガールフレンド役や、
(桃さんのしあわせ)や(ソウル)(詳しくはこちら)等、数多くの香港映画に出演し続けているディニー・イップで、本作ではそのコメディセンスが全開となる道士役を好演しています。
ついでにゲスト的ではありますが、同じ麻雀仲間役で、名コメディエンヌ、サンドラ・ンも出演しいますので、
麻雀シーン等では、実に香港映画らしい下世話な(誉め言葉です)雰囲気満載となっています。
ただ、本作その一応の本題であるゴーストコメディ展開へと突入するまでにかなりの時間を要して、
そこに行き着くまでに、結構な下世話な大人のギャグ(下ネタ中心)のオンパレードとなっていますので、
かなり好き嫌いは分かれてしまうかもしれませんが、それでも、後半の本格的なゴーストコメディ展開は、特殊効果にツイ・ハークが参加している事もあり、
娯楽要素が強く、味のある特撮が視覚的な面白みを強めていきます。
という事で、ちょっと大人のギャグの多い作品ではありますが、後半に進むにつれてどんどんと面白みが増していく作品となっていますので、
香港映画好き、コメディ映画好きの方等ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1987年製作 香港製作 ゴーストコメディ
監督 ビリー・チャン 製作総指揮 バリー・ウォン 特殊効果 ツイ・ハーク
出演 アニタ・ムイ、アンソニー・チェン、ウー・マ、ディニー・イップ、モク・シュウチョン、サンドラ・ン、チャン・ロン、ナット・チャン、シン・フイオン
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