おすすめ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
エミリー・チュウとケント・チェンが正体不明の吸血鬼と戦いを繰り広げるコメディ色薄めの本格バンパイアホラー!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、エミリー・チュウとケント・チェン主演のバンパイアホラー作品です。
それでは、まずはあらすじから、
事件記者のビルは、香港の街を賑わす連続殺人事件の犯人を追っていた。
事件の目撃者から証言を得たビルは、被害者には体中の血液が抜かれている、という奇妙な共通点がある事を知り、
真実を確かめるために遺体安置所に忍び込むが、そこで、衝撃の事実を目の当たりにするのだった!?
シネマシティ社が製作したエミリー・チュウ、ケント・チェン主演のバンパイアホラー作品です。
コメディホラーが多い中、同社製作の(デビルキャット)(詳しくはこちら)等の雰囲気に似た、若干恐怖描写の比重の多い作品となっています。
ただ、そうは言ってもこの時期の香港映画ですので、怖すぎず、ふざけ過ぎず、という感じで見やすい娯楽要素は追求した内容となっています。
主演のケント・チェンは、1985年に監督・主演した(何必有我)で香港アカデミー賞主演男優賞受賞後、同年製作の(トラフィックコップス)、
そして、1986年製作の(悪漢探偵)シリーズと(福星)シリーズを融合させた(十福星)、と上り調子の1987年に製作した作品で、
本作でも、その勢いを十分に感じることができます。
ヒロイン役のエミリー・チュウは、1985年のジャッキー・チェン主演の(ファーストミッション)、(上海エクスプレス)とサモ・ハン作品で活躍し、
その後もチョウ・ユンファ主演の(サイキックSFX魔界戦士)、1986年製作の(男たちの挽歌)でも注目を浴び、
1987年も(男たちの挽歌2)と(復讐は夢からはじまる)(詳しくはこちら)等のチョウ・ユンファ主演作品のヒロインとして連続で出演していた時期にヒロインとして出演した作品となっています。
1988年のジャッキー・チェン主演(ポリスストーリー2/九龍の眼)では出演シーンを全てカットされてしまう、
という残念な出来事もありましたが、その後は(中華道士)(詳しくはこちら)や、レスリー・チャンの(ルージュ)等で活躍しています。
そんな当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった二人が主演した作品ですが、実際のところエミリー・チュウは多忙だったためか、
ヒロインとして大活躍する程ではなく、途中事件の目撃者として登場するキース・クワンが、出会ったばかりなのに何故か、やたらとケント・チェンに協力してくる役柄で強引に登場し、
中盤のほとんどは命がけで事件を追うバディとして活躍していきます。
イギリスとのハーフであるキース・クワンは、本作出演後シンシア・ラスロック主演の(香港レディレポーター)や(逆噴射おもしろ家族)(詳しくはこちら)シリーズの三作目(富贵再三逼人)等で人気を博し、
その後(ダグにおまかせ)等に出演していました。
その他にも、ゲスト出演という表記ではありますが、名脇役ウー・マもケント・チェンが務める新聞社の社長兼編集長として、
お馴染みのオトボケ演技を披露し、香港映画らしさを盛り上げています。
そんな話題のキャストが結集した本作の内容は、これがかなりシンプルで、ある晩を境に夜な夜な美女が血を抜かれて殺害される事件が発生、
事件記者のケント・チェンが調べを進めるうちに、次の犠牲者を襲う吸血鬼と遭遇、その後の取り調べでその事を証言しても信じてもらえず、
やたらと警察に厭な思いをさせられながら、事件を追う過程で知り合ったエミリー・チュウと良い感じの関係になりつつ、
バンパイアを追う、という感じで、基本的には最初から最後までケント・チェンがバンパイアと戦いながら追いかける、というストーリーになっています。
非常にシンプルです。
ですので、何故バンパイアが現れたのか?誕生のきっかけは何なのか?何故血を吸うのか?今までどうして暮らしていたのか?等の必要な説明も全部飛ばしてしまいますので、
とにかく、いきなり現れて、事件が発生したので、記者であるケント・チェンが特ダネ目的でバンパイアを追う、という行動のみが描かれます。
ウォン・パクマン演じる嫌味デカも、とにかく嫌味要素だけでの登場で、いがみ合いながらも少しずつ関係を改善していく、とか、友情が芽生える、
という展開もなく、ただただ最初から最後まで嫌味刑事を貫き通します。
で、シンプルに事件を追うケント・チェンは、中盤で事件の目撃者であるキース・クワンに出会いますが、
ちょっとした証言を聞くだけかと思いきや、何の説明もなく、その後のバンパイア捜索のバディに昇格します。
さっき出会ったばかりですが、次のシーンではもう何十年来の親友のような名調子で、命がけでミッションに挑みます。
で、中盤から後半に入り、エミリー・チュウの出番が増えてくると、また姿が見えなくなる、という感じで、
メインキャストが揺れ動きながら、クライマックスはバンパイアとの対決となっていきます。
勿論、十字架が弱点というのは、説明もなく盛り込まれていますので、弱点を尽きつつ、最終的には,、ばっさりとスラッシャー映画のような方法で決着をつけていきます。
という感じで、当時人気絶頂期の二人をキャスティングする事が最大の魅力とも言えそうなシンプル過ぎる作品ですが、
香港独特の恐怖映画過ぎず、コメディに成り過ぎず、でも人気キャストが演じる勢いはしっかりと感じられる独特のバランスのホラー作品となっていますので、
香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはかがでしょうか。
作品情報
1987年製作 香港製作 ホラー
監督 ワン・チャン 製作 デニス・ユー
出演 エミリー・チュウ、ケント・チェン、キース・クワン、ウー・マ、ウォン・パクマン
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