おすすめ度 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
ジョン・ウーが監督し、リッキー・ホイが主演した、魂を悪魔に売ってしまった男のドタバタ騒動を描いたホラーコメディ!!
作品紹介
日本劇場未公開
今回ご紹介する作品は、ジョン・ウー監督が、リッキー・ホイを主演に悪魔と契約した冴えない男のドタバタ騒動を描いたホラーコメディ作品です。
それでは、まずはあらすじから、
香港の街中で懸命に働き、恋人のペギーとの結婚と、予てから書き溜めた歌で、シンガーソングライターとして有名になる事を夢見るブルースだったが、
ある日、その大事な楽曲が、音楽プロデューサーに盗まれる、という事件が発生する。
そんな時に、突然悪魔の使者が現れ、魂を売れば、恨みを晴らし、自身の希望通りの人生を歩むことができる、という誘いを受け入れ、
ブルースは希望通りの人生を歩み始めるが、最初の思惑通りには行かずに、取り返しのつかない事態を招く事になるのだった!?
監督は、(男たちの挽歌)でブレイクする前のジョン・ウーで、1980年製作の(錢作怪)や、本作と同年に製作された(八彩林亞珍)等、
リッキー・ホイとのコンビ作の多かった時期に製作された作品になります。
主演の冴えないシンガーソングライター役には、(新ミスターブーアヒルの警備保障)の翌年、(霊幻追鬼)の前年のリッキー・ホイで、
優柔不断過ぎて、悪魔に付け入れられる、という得意なキャラクターを好演しています。
で、リッキーに付きまとう悪魔役で、(新ミスターブー アヒルの警備保障)でもリッキーと共演している(五福星)や(誘拐同盟スクランブル5)(詳しくはこちら)等の
フォン・ツイファンが登場し、お得意の意地悪な悪魔役を好演しています。
で、リッキーの彼女役で、アダム・チェン主演の(名剣)や、レスリー・チャン出演の(青春の光と影)等に出演しているジェイド・シューが登場し、
リッキーの願い事に振り回される役柄を演じています。
で、悪魔に魅入られたリッキーを救うための神父役で、(ビビアン・スーの恋しくて、、、)(詳しくはこちら)や、(ギャンブリングゴースト)(詳しくはこちら)等の
名脇役チョン・プイが登場し、コミカルな魅力で作品世界を盛り上げていきます。
で、リッキーの宿敵とも言える人気歌手役で、(カジノシンジケート)(詳しくはこちら)や(サンダーボルト)(詳しくはこちら)等の
名コメディアン、ナット・チャンが登場し、イヤミ担当ながらもズッコケ演技でお笑いシーンを演じています。
で、フォン・ツイファンの上級悪魔で、(燃えよデブゴン7)(詳しくはこちら)や、
(クレイジーパートナー)(詳しくはこちら)等のチョン・ファが登場し、ユニークな恰好で、特徴的な役柄を演じています。
で、ゲスト出演ではありますが、後の(五福星)シリーズで、本作のフォン・ツイファンと名コンビを組んでいく事になるジョン・シャムが登場し、お笑いシーンを盛り上げています。
という、スタッフキャストで製作された本作の物語は、まずは冒頭で、酒浸りの神父であるチョン・プイが、
トイレ中の事故、という気の毒な最後の瞬間を迎え、天国と地獄の分岐点に現れるところから始まります。
で、悪魔の部下であるフォン・ツイファンと出会い、フォン・ツイファンは地獄へ、チョン・プイは天国へ行きますが、
チョン・プイは神様の命令で、地上へ戻ってあと36年間人間の手助けをするように言われます。
一方、フォン・ツイファンの方は、上級悪魔に若者の魂を一刻も早く持参するように命令され、2人は地上へと戻っていく事になります。
で、香港の街角で、ほとんど詐欺のような事をしながらたくましく生きている青年ブルースは、売れっ子スターを夢見る女優ペギーの、
一応はボーイフレンドで、なんとか自身の夢であるシンガーソングライターとして大スターになるために、
長い年月をかけて完成させた歌を売り込みたい、とプロデューサーにアピールしますが、全然相手にされない日々を送っています。
で、ペギーが端役としてダンスシーンに出演するための撮影所で、リッキーと大スターロッキー役のナット・チャンとのドタバタ騒動があり、
売り込みの唄もスルーされた状態で、意気消沈したリッキーは、数日後に録音スタジオで、とりあえず売り込み用に、自作の唄の収録だけを先に済まそうとします。
しかし、その曲は既にロッキーが収録した後、という事実が発覚、実はあのドタバタ騒動の際に、プロデューサーによってリッキーの渾身の楽曲が盗まれていた、
というあまりにひどい出来事に、温厚なリッキーも流石にキレてしまいます。
そこで現れたのが、悪魔の使者フォン・ツイファンで、リッキーの怒りに付け込んで、魂を売れば、復讐も果たせるし、想い通りの人生を歩むことができる、という事で、
勢いで魂を軽く売ってしまったリッキーの、本題であるトンデモ人生の数々が描かれていく事になります。
その人生が気に入らない場合は、右の頬を叩くとリセットできる、という人生で、お金持ちになって成功してもペギーの心までは獲得できず、
逆にペギーに従順さだけを求めても、無反応で幸せを感じる事ができず、貧困でも想いがあれば幸せになると思っても、貧困の度合いが酷すぎて生活ができず、
という感じで、悪魔の力を借りて願い通りの人生を送ろうとしても一向に上手く行く様子はない、とはっきり分かりますが、
一度交わした悪魔との契約を簡単に破棄できるはずもなく、途方に暮れていると、飲んだくれのチョン・プイが登場し、
チョン・プイとコンビを組んで、フォン・ツイファンを撃退するためのバトルを展開していく、というのが後半にかけての見せ場となっていきます。
このラストバトルが、非常にユニークで、目からビームを発射できるフォン・ツイファンに攻撃されたチョン・プイは、
何故か自身も目がビーム兵器のようになりますが、自身は視力を失ってしまいますので、リッキー・ホイが頭を『ポンッ』と叩いたタイミングで、
ビームを発射する、という攻撃スタイルで、フォン・ツイファンに攻撃を加えていきます。
この描写がシューティングゲーム(この時期だとインベーダーゲームのイメージでしょうか)のようなゲーム画面を模した映像表現になっていて、
設定は無茶苦茶ですが、非常に遊び心に飛んだ、悪魔と天使の戦いがコミカルに描かれていきます。
冒頭しか登場しない上級悪魔や、それほど悪人でもないのに取り返しのつかない酷い目にあったままのナット・チャンのその後等、色々と放ったらかしのままのストーリーで、
エンディングでは、何故かフォン・ツイファンも天国に行ったような描写や、リッキーカップルも結婚したような描写が描かれますので、
終わりよければすべて良し、な、この時代の香港映画を象徴しているような作品となっています。
という事で、今観返すと色々と問題のありそうな描写のギャグも結構含まれる作品ですが、当時の香港映画の何でもアリな勢いを感じられる作品となっていますので、
香港映画好きの方等、ご鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
作品情報
1982年製作 香港製作 コメディ
監督 ジョン・ウー 製作総指揮 レイモンド・チョウ
出演 リッキー・ホイ、フォン・ツイファン、ジェイド・シュー、ナット・チャン、チョン・プイ、チョン・ファ、ジョン・シャム
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